斬壺(きりつぼ)

 秘太刀“斬壺(きりつぼ)”。
 その技を以て、老剣客はかつて岩を斬り、壺を斬った――割ることも砕くこともなく、真二つに――。
ただしそれができたのは、若き日のたった二度だけ。

 そして今。辛苦の末に流派を継いだ彼が対峙するのは、剣才そのもののような少年。それはまるで、老剣客の積み上げたもの全てを嘲笑うかのような存在。

 もし、奴を斬ることができる技があるなら――それは一つ、“斬壺”。

 凡人対天才。
 今、その戦いが始まり、そして終わる――。
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