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第百五話 小さい頃やりたかったこと実現できていますか?
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遠くで叫び声が聞こえる。「ケツが潰れたー!」「このままじゃ四つに割れてしまう!」「毛が抜ける―! ケツの毛が抜けるーっ!」
ローゼが見てみると、お尻を大きない石畳に挟まれたゴロツキどもが「あひー、あひー」と叫んでいる。どんだけケツフェチなんだよ、オントワーン。
「殿様アタークッ。殿様アタークッ。殿様アタークッ」と声が聞こえるのでローゼが見やる。なんか敵の頭にイチモツ乗っけて回るパーク。混戦状態だから、エミリアからは見えないようだけれど、昼間っからお下品なのやめてほしい。
「研鑽を積んでいるとはさすがだな、『拷問されたら悶え気味のオントワーン』」とパークがニヤリ。
「お前も成長したな、『一本のぐそが長すぎてちぎれた時に玉袋に寄りかかるパーク・ヨードン』」
何讃えあってるんだよ! 変態兄弟! 長い間会っていなかった戦友みたいなこと言ってるけど、別れたの数週間前だかんね! しかも一説では次の日帰って来て今まで一緒。て言うか通り名恥ずかしいよ。恥ずかしすぎだよ。
「数が多いな、念のために俺の作った革の鎧を着てくれ」とオントワーンが鎧を持ってこさせた。
ローゼきゃぴきゃぴ「レザーアーマー? よく鞣してあるわね、これはマントね? すっごい極上の革のようね、とても肌触りが良いわ、何の革なの?」と一枚手に取る。
「んん? なんか変ね」何かの着ぐるみのよう。ローゼがマントだと思って手に取った物は、中身だけを抜かれた袋状の人の皮だ。
ローゼはぽとりとそれを落とす。
「何じゃこりゃ⁉ これ人の着ぐるみじゃんか」
「ああ、きれいに剥いであるだろう?」
気持ち悪い。「て剥いであるって、まさか本物じゃ?」
オントワーン「本物の人の皮だ。前に瘡蓋人間と闘っただろう? あれになれなかったやつらの皮さ。そいつらの皮をこの俺が生きたままきれいに剥がして、何度も何度も鞣したんだ」超得意気。
中身のない綺麗な袋状の人間ウエア。中に入って背中で縛るやつ。周りを見ると、人の皮を装備した手下どもが、お互いの背中の紐を縛りあっている。ちなみに紐も人の皮。着ててもなくても同じじゃないの? 防御力が上がった気がしないのはなぜ~⁉ 装備するのに、身に着けていたものすべて脱ぐから、裸を着た裸人間の出来上がり。エミリアのために、下には人の皮で作った腰巻が巻いてある。頭皮の前かくし。サラサラヘアー。それだけでもホッとする。
「腰にはポケットがついているんだ」オントワーンが言った。
そのポケット絶対晒すなよ。
「常識があって助った」ローゼは言って、「いや全然ないよ」と、自分一人つっこみ。
続けてローゼ「ゲロゲロだわ。わたしは普通のレザーアーマーがいいわ」そう言って兜を手に取る。
「よく鞣してあるわね、牛皮かしら? 光沢があるし、毛穴も全然気にならないわ」
オントワーン「いや、人の頭皮だ。それを幾重にも重ねて兜に仕立てた」
ローゼ、ぽとりと兜を落とす。まさかと思って、鎧のパーツをあれこれ手に取ると、どれも同じ質の革でできている。牛でも豚でもない何か。
「ひぇぇぇぇぇ」
ローゼ、生まれて初めて本気で腰抜かす。腰の骨なくなったみたい。
「お前は着んのか?」とアンドレイ。
お前よく着れたな、ぱつぱつじゃんか。
カチカチと音がするのでローゼが振り返ると、人皮アーマーに火打ち石で火をつけようとするエミリアがいる。
人皮の道着、人皮のコート、人皮のブーツ、人皮の敷物、人皮のカバン、人皮のブックカバー、エトセトラエトセトラ。山積まれたオントワーンの人皮コレクションが灰と化す。
「あーはっはっはっ、燃えてる、変態の皮が燃えているわ!」エミリア、なんか蛇口全開。
詰め寄るオントワーンが「貴様、何てことしてくれるんだ!」とエミリアを怒鳴る。
近寄る彼にエミリアいきなり上段蹴り。
「ぐふっ!」
オントワーンの左側頭部にモロ直(撃)。そのまま回転して顔面めがけて後ろ回し蹴り。
「ぐはっ!」
胸の真ん中を蹴り飛ばされたオントワーンは、転げていって三角木馬にぶつかった。追い打ちをかけるエミリアを前に地面に落ちることすら許されず蹴り上げられて、そのまま三角木馬に乗せられる。
飛び上がったエミリアは、オントワーンの上からかわら割りの如く脳天を大激打。頭がい骨から背骨腰骨までをも叩き割り砕く。その衝撃で、オントワーンのケツが三角木馬にめり込んだ。
「ぎゃぁァァ~‼‼‼ 割れたおケツがより深く~~~‼‼‼‼‼」
そのままオントワーンの後ろに着地したエミリアは、ゲシゲシ、とオントワーンを蹴りつける。
「とつげーき! とつげーき!」
「アイアイサー」
オントワーンは楽しそう。もう良いおもちゃ。戦士の片鱗全くない。
「ローゼ」と呼ぶ声に振り返ると、いい汗かいた感のあるパークいる。
ローゼが労う。
「ご苦労様。内容は精査しないとして、わたしが連れてきたようなものだから、ちょっと申し訳ないわね」
「気にするな」とパンティで顔を拭く。
ローゼは敢えてつっこまない。見なかったフリ。
「これだけ人がいれば、昔からやりたかったことが試せるからな」パークが言った。
「やりたかったこと?」
「ああ、例えば、女の小っちゃいパンティ。あれどれだけ伸びるのか気になるだろ? 何人で穿けるか試すんだよ」
気になんねーよ。
「他のもあるぜ、けつ毛とちん毛は同じちぢれ毛か、とかな」
どうでも良いよ。
「特に人気の講義は、ちん毛とは異世界の未確認生物である、というものだ」
なんだよそれ。
「どんなに部屋をきれいに掃除していても落ちていやがる。終いには、開口部のない置物を入れるガラスケースの中にあったりするんだ。絶対異世界から出現したに違いない」
飾ってあるのパンティーかよ。
「わき毛やすね毛ってこともあるでしょ」ローゼ話をそらそうとする。
「なるほど……さすが隠れ変態」
しまった! 大失敗!
「じゃあ、こうしよう? かざっさあったのもちぢれ毛かよ」と、つっこみ直すローゼ。無理がある?
「もはや信仰だな」
ローゼ墓穴。逆効果。
遊び疲れて戻ってきたエミリア、「やっぱり額縁にしておけばよかったですね」と被せるかける。
なんでだよ。戻ってくんなよ。
「そんな秘儀まで隠していたのか」パーク感嘆。そして畏れ仰ぐような羨望の眼差しをもってローゼを見やり、「入る隙間なんて微塵もないんだぜ。き……奇跡だぜ」
それからしばらく感動に胸を打ちひしがれていたパークは、哀愁漂うしみじみとした目で遠くの虚空を見つめ、負けを認めたかのように爽やかなまでのほほ笑みを浮かべて続けて言う。
「正に脱帽――いやかぶってないんだけどね」
パークのギャグをローゼはスルー。
「それで脱カツラったんですね」エミリアフォロー。それから「毛髪ちぢれ毛かよ」ってmy想像に自分でつっこんだ。
その言葉を真摯に受け取ったパークは、おもむろに語り出す。
「子供の頃は、“ブリーフは何日連続穿いていられるか”くらいしか試せなかったからな」
まあ、その程度なら風呂ギライな男子はするかもな。当時は女子の私物に対しての変態的執着は無かったみたいだな。
「ああ、まだ若かったからな、そんな勇気なかったぜ。間違って女子が着替えているところに入る、とかくらいしか思いつかなかったな」
入ったのか? 最低だな。さすがにそれは許せんぞ。
「いや、入れなかったさ。だが、代わりに後輩をだまして教室に行かせた」
それも最低だよ。
「あとでつるし上げられたさ。三時間目の授業の前に緊急でホームルームが開かれてな。
『誰とは名前言いませんが、女子が着替えているところに三年生の男子を入れる、という最低のことをした男子がいます。やめてください』だってさ」
ということは四年生の時か。
「六年生だ」
十二歳で何してんだよ。後輩三学年下かよ。
「ああ、それくらいじゃないと言うこと聞いてくれなかったんだ」
情けないな。
「友達は絵にかいた担任のパンティだけだったからな」
寂しいな。
「当時の俺に出来たことは、ちょっと無理しても普段誰も行かない三階の図書室のそばの女子トイレに行って、未知との遭遇(ゴミ箱をあさる)を期待した程度だ」
なんつー悍ましい楽しみだよ。みんなにハブられなかったのか?
「ハブられたさ。だがそんなの そんなの 🎼ズッジャジャ♪ズッジャー♪ カンケー カンケーっねーもんねー(オクターブ低く)🎼」
アッパーかます。
🎼ズッジャジャ♪ズッジャー♪ カンケーねーぜ カンケーねーぜ♪ そんなのカンケーっねーもんねー(オクターブ低く)🎼 力溜め溜めアッパーかます。
🎼積って重なる磊々岩雲 腸と言う名の積乱雲🎼 アッパーかます。
🎼聞け、我が身が秘めたる無限の力を 溢れんばかりに身の内で滾る🎼 アッパーアッパーアッパーかます。
🎼轟き響く雷鼓の音は にわかに下した俺の腹🎼 正拳フックにストレート。
🎼ズッジャジャ♪ ズッジャー♪ みんなの目線♪ 俺にはカンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーっねーもんねー(オクターブ低く)🎼
アッパーかます。
🎼ズッジャジャ♪ ズッジャー♪ 摘まんだ鼻先♪ 俺にはカンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーっねーもんねー(オクターブ低く)🎼
アッパーかます。
🎼離れるみんなは意思じゃねぇ♪ 俺の力のなせる業ぁぁぁぁぁー‼‼‼🎼
力溜め溜めアッパーかます。
🎼カンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーね‐え‐ぜ♪
カンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーね‐え‐ぜ♪
カンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーね‐え‐ぜ♪🎼
めっちゃリフレインしてる。なんかみんなリズム取って肩揺らして戦ってるよ。ムーンウォークやらなんやら、激ウマすぎだよ。パーク妙にキモいよ。かっこいいだろ俺って感じで微笑んで、肩を左右に流して踊っているけど、めっちゃ格好悪いからね。これで攻撃力増し増しか? やだよ、わたしやだよ、こんな増し増し。
オントワーンといいこいつといい、どいつもこいつも………。いつの時代だよ。Jangleっぽくリズムとって暴れてんの活字じゃ分かんねーよ。
謝って損した、と思ったローゼは、ようやく参戦する気になりました。
ローゼが見てみると、お尻を大きない石畳に挟まれたゴロツキどもが「あひー、あひー」と叫んでいる。どんだけケツフェチなんだよ、オントワーン。
「殿様アタークッ。殿様アタークッ。殿様アタークッ」と声が聞こえるのでローゼが見やる。なんか敵の頭にイチモツ乗っけて回るパーク。混戦状態だから、エミリアからは見えないようだけれど、昼間っからお下品なのやめてほしい。
「研鑽を積んでいるとはさすがだな、『拷問されたら悶え気味のオントワーン』」とパークがニヤリ。
「お前も成長したな、『一本のぐそが長すぎてちぎれた時に玉袋に寄りかかるパーク・ヨードン』」
何讃えあってるんだよ! 変態兄弟! 長い間会っていなかった戦友みたいなこと言ってるけど、別れたの数週間前だかんね! しかも一説では次の日帰って来て今まで一緒。て言うか通り名恥ずかしいよ。恥ずかしすぎだよ。
「数が多いな、念のために俺の作った革の鎧を着てくれ」とオントワーンが鎧を持ってこさせた。
ローゼきゃぴきゃぴ「レザーアーマー? よく鞣してあるわね、これはマントね? すっごい極上の革のようね、とても肌触りが良いわ、何の革なの?」と一枚手に取る。
「んん? なんか変ね」何かの着ぐるみのよう。ローゼがマントだと思って手に取った物は、中身だけを抜かれた袋状の人の皮だ。
ローゼはぽとりとそれを落とす。
「何じゃこりゃ⁉ これ人の着ぐるみじゃんか」
「ああ、きれいに剥いであるだろう?」
気持ち悪い。「て剥いであるって、まさか本物じゃ?」
オントワーン「本物の人の皮だ。前に瘡蓋人間と闘っただろう? あれになれなかったやつらの皮さ。そいつらの皮をこの俺が生きたままきれいに剥がして、何度も何度も鞣したんだ」超得意気。
中身のない綺麗な袋状の人間ウエア。中に入って背中で縛るやつ。周りを見ると、人の皮を装備した手下どもが、お互いの背中の紐を縛りあっている。ちなみに紐も人の皮。着ててもなくても同じじゃないの? 防御力が上がった気がしないのはなぜ~⁉ 装備するのに、身に着けていたものすべて脱ぐから、裸を着た裸人間の出来上がり。エミリアのために、下には人の皮で作った腰巻が巻いてある。頭皮の前かくし。サラサラヘアー。それだけでもホッとする。
「腰にはポケットがついているんだ」オントワーンが言った。
そのポケット絶対晒すなよ。
「常識があって助った」ローゼは言って、「いや全然ないよ」と、自分一人つっこみ。
続けてローゼ「ゲロゲロだわ。わたしは普通のレザーアーマーがいいわ」そう言って兜を手に取る。
「よく鞣してあるわね、牛皮かしら? 光沢があるし、毛穴も全然気にならないわ」
オントワーン「いや、人の頭皮だ。それを幾重にも重ねて兜に仕立てた」
ローゼ、ぽとりと兜を落とす。まさかと思って、鎧のパーツをあれこれ手に取ると、どれも同じ質の革でできている。牛でも豚でもない何か。
「ひぇぇぇぇぇ」
ローゼ、生まれて初めて本気で腰抜かす。腰の骨なくなったみたい。
「お前は着んのか?」とアンドレイ。
お前よく着れたな、ぱつぱつじゃんか。
カチカチと音がするのでローゼが振り返ると、人皮アーマーに火打ち石で火をつけようとするエミリアがいる。
人皮の道着、人皮のコート、人皮のブーツ、人皮の敷物、人皮のカバン、人皮のブックカバー、エトセトラエトセトラ。山積まれたオントワーンの人皮コレクションが灰と化す。
「あーはっはっはっ、燃えてる、変態の皮が燃えているわ!」エミリア、なんか蛇口全開。
詰め寄るオントワーンが「貴様、何てことしてくれるんだ!」とエミリアを怒鳴る。
近寄る彼にエミリアいきなり上段蹴り。
「ぐふっ!」
オントワーンの左側頭部にモロ直(撃)。そのまま回転して顔面めがけて後ろ回し蹴り。
「ぐはっ!」
胸の真ん中を蹴り飛ばされたオントワーンは、転げていって三角木馬にぶつかった。追い打ちをかけるエミリアを前に地面に落ちることすら許されず蹴り上げられて、そのまま三角木馬に乗せられる。
飛び上がったエミリアは、オントワーンの上からかわら割りの如く脳天を大激打。頭がい骨から背骨腰骨までをも叩き割り砕く。その衝撃で、オントワーンのケツが三角木馬にめり込んだ。
「ぎゃぁァァ~‼‼‼ 割れたおケツがより深く~~~‼‼‼‼‼」
そのままオントワーンの後ろに着地したエミリアは、ゲシゲシ、とオントワーンを蹴りつける。
「とつげーき! とつげーき!」
「アイアイサー」
オントワーンは楽しそう。もう良いおもちゃ。戦士の片鱗全くない。
「ローゼ」と呼ぶ声に振り返ると、いい汗かいた感のあるパークいる。
ローゼが労う。
「ご苦労様。内容は精査しないとして、わたしが連れてきたようなものだから、ちょっと申し訳ないわね」
「気にするな」とパンティで顔を拭く。
ローゼは敢えてつっこまない。見なかったフリ。
「これだけ人がいれば、昔からやりたかったことが試せるからな」パークが言った。
「やりたかったこと?」
「ああ、例えば、女の小っちゃいパンティ。あれどれだけ伸びるのか気になるだろ? 何人で穿けるか試すんだよ」
気になんねーよ。
「他のもあるぜ、けつ毛とちん毛は同じちぢれ毛か、とかな」
どうでも良いよ。
「特に人気の講義は、ちん毛とは異世界の未確認生物である、というものだ」
なんだよそれ。
「どんなに部屋をきれいに掃除していても落ちていやがる。終いには、開口部のない置物を入れるガラスケースの中にあったりするんだ。絶対異世界から出現したに違いない」
飾ってあるのパンティーかよ。
「わき毛やすね毛ってこともあるでしょ」ローゼ話をそらそうとする。
「なるほど……さすが隠れ変態」
しまった! 大失敗!
「じゃあ、こうしよう? かざっさあったのもちぢれ毛かよ」と、つっこみ直すローゼ。無理がある?
「もはや信仰だな」
ローゼ墓穴。逆効果。
遊び疲れて戻ってきたエミリア、「やっぱり額縁にしておけばよかったですね」と被せるかける。
なんでだよ。戻ってくんなよ。
「そんな秘儀まで隠していたのか」パーク感嘆。そして畏れ仰ぐような羨望の眼差しをもってローゼを見やり、「入る隙間なんて微塵もないんだぜ。き……奇跡だぜ」
それからしばらく感動に胸を打ちひしがれていたパークは、哀愁漂うしみじみとした目で遠くの虚空を見つめ、負けを認めたかのように爽やかなまでのほほ笑みを浮かべて続けて言う。
「正に脱帽――いやかぶってないんだけどね」
パークのギャグをローゼはスルー。
「それで脱カツラったんですね」エミリアフォロー。それから「毛髪ちぢれ毛かよ」ってmy想像に自分でつっこんだ。
その言葉を真摯に受け取ったパークは、おもむろに語り出す。
「子供の頃は、“ブリーフは何日連続穿いていられるか”くらいしか試せなかったからな」
まあ、その程度なら風呂ギライな男子はするかもな。当時は女子の私物に対しての変態的執着は無かったみたいだな。
「ああ、まだ若かったからな、そんな勇気なかったぜ。間違って女子が着替えているところに入る、とかくらいしか思いつかなかったな」
入ったのか? 最低だな。さすがにそれは許せんぞ。
「いや、入れなかったさ。だが、代わりに後輩をだまして教室に行かせた」
それも最低だよ。
「あとでつるし上げられたさ。三時間目の授業の前に緊急でホームルームが開かれてな。
『誰とは名前言いませんが、女子が着替えているところに三年生の男子を入れる、という最低のことをした男子がいます。やめてください』だってさ」
ということは四年生の時か。
「六年生だ」
十二歳で何してんだよ。後輩三学年下かよ。
「ああ、それくらいじゃないと言うこと聞いてくれなかったんだ」
情けないな。
「友達は絵にかいた担任のパンティだけだったからな」
寂しいな。
「当時の俺に出来たことは、ちょっと無理しても普段誰も行かない三階の図書室のそばの女子トイレに行って、未知との遭遇(ゴミ箱をあさる)を期待した程度だ」
なんつー悍ましい楽しみだよ。みんなにハブられなかったのか?
「ハブられたさ。だがそんなの そんなの 🎼ズッジャジャ♪ズッジャー♪ カンケー カンケーっねーもんねー(オクターブ低く)🎼」
アッパーかます。
🎼ズッジャジャ♪ズッジャー♪ カンケーねーぜ カンケーねーぜ♪ そんなのカンケーっねーもんねー(オクターブ低く)🎼 力溜め溜めアッパーかます。
🎼積って重なる磊々岩雲 腸と言う名の積乱雲🎼 アッパーかます。
🎼聞け、我が身が秘めたる無限の力を 溢れんばかりに身の内で滾る🎼 アッパーアッパーアッパーかます。
🎼轟き響く雷鼓の音は にわかに下した俺の腹🎼 正拳フックにストレート。
🎼ズッジャジャ♪ ズッジャー♪ みんなの目線♪ 俺にはカンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーっねーもんねー(オクターブ低く)🎼
アッパーかます。
🎼ズッジャジャ♪ ズッジャー♪ 摘まんだ鼻先♪ 俺にはカンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーっねーもんねー(オクターブ低く)🎼
アッパーかます。
🎼離れるみんなは意思じゃねぇ♪ 俺の力のなせる業ぁぁぁぁぁー‼‼‼🎼
力溜め溜めアッパーかます。
🎼カンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーね‐え‐ぜ♪
カンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーね‐え‐ぜ♪
カンケーねーぜ カンケーねーぜ そんなのカンケーね‐え‐ぜ♪🎼
めっちゃリフレインしてる。なんかみんなリズム取って肩揺らして戦ってるよ。ムーンウォークやらなんやら、激ウマすぎだよ。パーク妙にキモいよ。かっこいいだろ俺って感じで微笑んで、肩を左右に流して踊っているけど、めっちゃ格好悪いからね。これで攻撃力増し増しか? やだよ、わたしやだよ、こんな増し増し。
オントワーンといいこいつといい、どいつもこいつも………。いつの時代だよ。Jangleっぽくリズムとって暴れてんの活字じゃ分かんねーよ。
謝って損した、と思ったローゼは、ようやく参戦する気になりました。
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