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モモタとママと虹の架け橋
第八十一話 クークブアジハー
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突然、黒雲が広がるように深く唸るような不安を呼び起こす声が轟きました。
「がはははははは、何をバカなことを言っているんだ」
空からではありません。地響きのように石の壁や床を震わせます。迫ってきた雷鳴が、大地を裂いて噴出してくるようなに木霊します。そして離れていきました。
ウーマク君が震えるちゃくちゃくちゃんに寄り添います。
「アイツが戻ってきたんだ。クークブアジハーが戻ってきたんだよ」
今の今まで、気配は全くありませんでした。突然獲物と定められた際の恐怖が、モモタたちに沸き起こります。みんな身を突っ張らせて、突き刺すような気配の出所を探りました。ですが分かりません。声の主の気配の中にどっぷりとつかっていましたから。
離れていった声が戻ってきました。壁の周りを一周してきたようです。
「アンマーふうし(母星)は、そんなやわじゃないぜ。太陽を見ろ。あいつはたった一つで天空に浮かび君臨している。見る者の目を潰し、近づく者を焼き払う。ともに輝く者など許さない圧倒的な力を誇っているのさ」
キキが、くちばしを天に向けて聞き入ります。とても興味深そうにしていました。
モモタたちは足がすくんで動けずにいましたが、キキだけは羽ばたいて塀の上を目指します。
「あ、待って」とモモタが追いかけました。
恐る恐る階段を上って顔を出します。海面を覗くキキの隣で、モモタも海を覗き込みますが、なにもいません。
しばらくすると、怯えるアゲハちゃんを乗せてチュウ太がやってきました。やってきたというより、アゲハちゃんが騎行してきたように見受けられます。怖がりながらも、チュウ太の耳を掴んで手綱のように操作し、チュウ太をだく足で進ませてきたようです。
右のほうの角から背びれが姿を現しました。イルカのものとは比べようもないほどの大きさです。
海面に映し出された影の何と大きなことでしょう。大きな熊ですら一撃で仕留められるのでは、と思えるほどの巨体です。まだその姿を現していないにもかかわらず、あまりの大きさにモモタたちは縮こまりました。
ウーマク君たちが恐れるのも無理はありません。イルカやジュゴンでは、落ちる枯葉の如く、なす術なく屠られてしまうことでしょう。
ゆっくりとモモタたちに近づくにつれ、クークブアジハーの背中が海面に上がってきます。そして、外側の海に下りる階段の脇で旋回したかと思うと、階上に頭をもたげました。
お相撲さんですら一飲みにできそうな大きな口。そこから発せられる声は、骨の髄を無理やり揺するように響きます。モモタの全身が脱力していきました。
「“アンマーふうし〈母星〉とワラバーふうし〈子星〉の話”は俺も聞いたことがあるぞ。だが、そのジュゴンの娘が言うようなひ弱な思考は持ち合わせていないだろうな」
クークブアジハーの全身が浮上してきます。腹側は海面下に隠れたままでしたが、その全貌が明らかになりました。全長はツキノワグマを縦に5、6頭並べたくらいの大きさです。
クークブアジハーが相手では、動物園で見た像やキリンですら、恐れを成して逃げ出してしまうかもしれません。百獣の王を自負するライオンですら敵わないでしょう。ライオンの頭はとても大きく、どんな動物にもくらいつくことが出来るほどですが、そのライオンの頭すら丸飲みにできる口なのですから。
キキの後ろに隠れている――つもりなのに丸見えのモモタの頭に向かって、クークブアジハーが言いました。
「アンマーふうしが言いたかったのは、つまりこう言うことさ。『わたしと言う偉大な星がいるのに、そばから離れるとはどういう了見なんだ。わたしの偉大さは、お前たちのような貧弱な輩がいることによって、周りに知らしめることができるんだ』ってな」
クークブアジハーは、母星は本当に強い子星を旅立たせた。ですが、旅に耐えられそうもない子星はそばに留め置いた、と言うのです。理由は二つありました。
一つは、まだ未熟だったから。もう一つは、自分の強さを誇示するためです。
キキが訊きました。
「弱い者いじめをするってこと? それって弱いやつがすることじゃないの?」
クークブアジハーが笑います。
「鍛えてやったのさ。だが、それでもよわっちい奴はいくらでもいるもんさ。そういうやつらは、アンマーにとっては無用の長物。最強である自分の子供が最弱だなんて耐えられないからな。だからアンマーふうしは嘆き悲しんだんだ。更に怒りに震えた。そして焼き殺したんだ」
「そんなぁ!」とモモタたちが口を揃えて言いました。
モモタが続けます。
「ママが、大好きな子供に牙をむくなんてことあり得ないよ」
「可愛けりゃそうだろうよ。だがな、強くなれない子供はいらねぇんだ。俺だってそうよ。ごはんを争って兄貴や弟たちと何度も喧嘩したぜ。みんな蹴散らしてやったよ。親父もおふくろも、強烈に強い俺をいつも褒め称えてくれた」
「お兄ちゃんたちにはどうしてたの?」
「さあな。だが一つ言えることは、親父とおふくろの縄張りの端っこを俺たちはいただいた。兄貴たちもいただいたけどよ、でも俺の縄張りのほうがでかかったよ」
モモタが、隠していたつもりの顔を恐る恐る出して訊きました。
「それは、ホオジロザメさんと同じように、お兄ちゃんたちのことも愛してたからじゃないの?」
「違うね。俺は、真っ先に隣同士だった長男の縄張りを奪ってやったが、親父たちは何も言わなかった。だから、兄弟たちの縄張りを全部噛みとってやったんだ。
親父たちのもとに逃げ去っていく兄貴たちの末路を海の底で見ていて確信したね。親父たちは弱者が嫌いなんだと。親父たちは、自分の縄張りで兄貴たちがごはんを捕るのを許さなかった。親父たちは、散々兄貴たちを追いかけまわした挙句、縄張りにしていたこの辺りのサンゴ礁から追い出しちまった」
ウーマク君が疑問に思いました。
「このサンゴ山に住んでいるホオジロザメは君だけだよね。お父さんたちはどうしたの?」
「ああ、俺との覇権争いに破れて去っていったぜ。何度も戦って何度も負けたが、俺も成長してついにおやじを超えたんだ。おふくろもでかかったが、俺の強さに戦慄いてどこかに逃げていった。そして俺は、このニライカナイの太陽になったのさ」
ガハガハガハ、と笑うクークブアジハーを見て、アゲハちゃんがモモタの耳元によりました。
((モモちゃん、見て。左上の歯に、橙色の石が挟まっているわ。光は弱いけれど輝いているのがちらちら見えるでしょう?))
((本当だ。もしかしたら、橙色の虹の雫かも))
ついに見つけた虹の雫でしたが、簡単に手に入りそうもありません。こそこそ話すモモタとアゲハちゃんに気がついたチュウ太も含めて、3匹は考えあぐねてしまいました。
「がはははははは、何をバカなことを言っているんだ」
空からではありません。地響きのように石の壁や床を震わせます。迫ってきた雷鳴が、大地を裂いて噴出してくるようなに木霊します。そして離れていきました。
ウーマク君が震えるちゃくちゃくちゃんに寄り添います。
「アイツが戻ってきたんだ。クークブアジハーが戻ってきたんだよ」
今の今まで、気配は全くありませんでした。突然獲物と定められた際の恐怖が、モモタたちに沸き起こります。みんな身を突っ張らせて、突き刺すような気配の出所を探りました。ですが分かりません。声の主の気配の中にどっぷりとつかっていましたから。
離れていった声が戻ってきました。壁の周りを一周してきたようです。
「アンマーふうし(母星)は、そんなやわじゃないぜ。太陽を見ろ。あいつはたった一つで天空に浮かび君臨している。見る者の目を潰し、近づく者を焼き払う。ともに輝く者など許さない圧倒的な力を誇っているのさ」
キキが、くちばしを天に向けて聞き入ります。とても興味深そうにしていました。
モモタたちは足がすくんで動けずにいましたが、キキだけは羽ばたいて塀の上を目指します。
「あ、待って」とモモタが追いかけました。
恐る恐る階段を上って顔を出します。海面を覗くキキの隣で、モモタも海を覗き込みますが、なにもいません。
しばらくすると、怯えるアゲハちゃんを乗せてチュウ太がやってきました。やってきたというより、アゲハちゃんが騎行してきたように見受けられます。怖がりながらも、チュウ太の耳を掴んで手綱のように操作し、チュウ太をだく足で進ませてきたようです。
右のほうの角から背びれが姿を現しました。イルカのものとは比べようもないほどの大きさです。
海面に映し出された影の何と大きなことでしょう。大きな熊ですら一撃で仕留められるのでは、と思えるほどの巨体です。まだその姿を現していないにもかかわらず、あまりの大きさにモモタたちは縮こまりました。
ウーマク君たちが恐れるのも無理はありません。イルカやジュゴンでは、落ちる枯葉の如く、なす術なく屠られてしまうことでしょう。
ゆっくりとモモタたちに近づくにつれ、クークブアジハーの背中が海面に上がってきます。そして、外側の海に下りる階段の脇で旋回したかと思うと、階上に頭をもたげました。
お相撲さんですら一飲みにできそうな大きな口。そこから発せられる声は、骨の髄を無理やり揺するように響きます。モモタの全身が脱力していきました。
「“アンマーふうし〈母星〉とワラバーふうし〈子星〉の話”は俺も聞いたことがあるぞ。だが、そのジュゴンの娘が言うようなひ弱な思考は持ち合わせていないだろうな」
クークブアジハーの全身が浮上してきます。腹側は海面下に隠れたままでしたが、その全貌が明らかになりました。全長はツキノワグマを縦に5、6頭並べたくらいの大きさです。
クークブアジハーが相手では、動物園で見た像やキリンですら、恐れを成して逃げ出してしまうかもしれません。百獣の王を自負するライオンですら敵わないでしょう。ライオンの頭はとても大きく、どんな動物にもくらいつくことが出来るほどですが、そのライオンの頭すら丸飲みにできる口なのですから。
キキの後ろに隠れている――つもりなのに丸見えのモモタの頭に向かって、クークブアジハーが言いました。
「アンマーふうしが言いたかったのは、つまりこう言うことさ。『わたしと言う偉大な星がいるのに、そばから離れるとはどういう了見なんだ。わたしの偉大さは、お前たちのような貧弱な輩がいることによって、周りに知らしめることができるんだ』ってな」
クークブアジハーは、母星は本当に強い子星を旅立たせた。ですが、旅に耐えられそうもない子星はそばに留め置いた、と言うのです。理由は二つありました。
一つは、まだ未熟だったから。もう一つは、自分の強さを誇示するためです。
キキが訊きました。
「弱い者いじめをするってこと? それって弱いやつがすることじゃないの?」
クークブアジハーが笑います。
「鍛えてやったのさ。だが、それでもよわっちい奴はいくらでもいるもんさ。そういうやつらは、アンマーにとっては無用の長物。最強である自分の子供が最弱だなんて耐えられないからな。だからアンマーふうしは嘆き悲しんだんだ。更に怒りに震えた。そして焼き殺したんだ」
「そんなぁ!」とモモタたちが口を揃えて言いました。
モモタが続けます。
「ママが、大好きな子供に牙をむくなんてことあり得ないよ」
「可愛けりゃそうだろうよ。だがな、強くなれない子供はいらねぇんだ。俺だってそうよ。ごはんを争って兄貴や弟たちと何度も喧嘩したぜ。みんな蹴散らしてやったよ。親父もおふくろも、強烈に強い俺をいつも褒め称えてくれた」
「お兄ちゃんたちにはどうしてたの?」
「さあな。だが一つ言えることは、親父とおふくろの縄張りの端っこを俺たちはいただいた。兄貴たちもいただいたけどよ、でも俺の縄張りのほうがでかかったよ」
モモタが、隠していたつもりの顔を恐る恐る出して訊きました。
「それは、ホオジロザメさんと同じように、お兄ちゃんたちのことも愛してたからじゃないの?」
「違うね。俺は、真っ先に隣同士だった長男の縄張りを奪ってやったが、親父たちは何も言わなかった。だから、兄弟たちの縄張りを全部噛みとってやったんだ。
親父たちのもとに逃げ去っていく兄貴たちの末路を海の底で見ていて確信したね。親父たちは弱者が嫌いなんだと。親父たちは、自分の縄張りで兄貴たちがごはんを捕るのを許さなかった。親父たちは、散々兄貴たちを追いかけまわした挙句、縄張りにしていたこの辺りのサンゴ礁から追い出しちまった」
ウーマク君が疑問に思いました。
「このサンゴ山に住んでいるホオジロザメは君だけだよね。お父さんたちはどうしたの?」
「ああ、俺との覇権争いに破れて去っていったぜ。何度も戦って何度も負けたが、俺も成長してついにおやじを超えたんだ。おふくろもでかかったが、俺の強さに戦慄いてどこかに逃げていった。そして俺は、このニライカナイの太陽になったのさ」
ガハガハガハ、と笑うクークブアジハーを見て、アゲハちゃんがモモタの耳元によりました。
((モモちゃん、見て。左上の歯に、橙色の石が挟まっているわ。光は弱いけれど輝いているのがちらちら見えるでしょう?))
((本当だ。もしかしたら、橙色の虹の雫かも))
ついに見つけた虹の雫でしたが、簡単に手に入りそうもありません。こそこそ話すモモタとアゲハちゃんに気がついたチュウ太も含めて、3匹は考えあぐねてしまいました。
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