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モモタとママと虹の架け橋
第六十五話 重すぎた想い
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アゲハちゃんは、根に覆われた光の玉に声が届くくらいに近づくと、目の前を横に這う根に両手をついて腰を引っ掛け、叫びかけました。
「さっちゃん、さっちゃん。わたし、揚羽蝶のアゲハちゃんよ。少しお話しましょうよ」
返事はありません。ですが、光の玉の濃い青のところが流れました。
不思議な光景です。光の玉そのものは青色をした水晶玉のようなのに、その周囲の空間は、眩しすぎて白い光の空間と化しています。目を細めてみる洞窟内は、影を落とす場所がないほど輝いていました。そんな空間の中で、光を取り巻く根だけが影を纏っています。内側は青色に照らされていましたが、外側は影になっていたのです。
アゲハちゃんには、心なしか光が向きを変えたように思えました。こちらに振り向いたと思って、何度も呼びかけます。すると、光の中にいるさっちゃんが、ようやく答えてくれました。
「出ていって! わたちここから出なでちゅ。だってもうすぐきれいなちょうちょになれるんでちゅもの」
「蝶々に? もうサナギになっているの?」
「もうすぐよ。でももうおねむの時間だもの。もしかしたら、もうサナギなのかもちれないわ」
不思議な返答だな、とアゲハちゃんは思いました。サナギには自ら糸をはいてなるのです。自然となるわけではありません。
アゲハちゃんが、なお近づこうとして言いました。
「ねえ、何かお話をしてあげるわ。物語を聞かせてあげるから、そばに寄っていでしょう?」
「やぁっ! そばに来ないで」
さっちゃんが叫びます。
一瞬、根が暴れ出すのではないか、と心配したアゲハちゃんたちですが、根は動きませんでした。
それを見たアゲハちゃんが続けます。
「ママが心配していたわよ」
「ウソでちゅ。ママはわたちのことなんて心配しないでちゅ」
「そんなことないわよ。ママが赤ちゃんを心配しないわけないじゃない」
「あるでちゅ。だってママは、わたちのことなんできらいなんでちゅもの」
「どうして? どうしてそんなふうに思うの?」
「だってママは、わたちのこととてもみにくいって思っているんでちゅもの」
「まさか。ママが娘を可愛いって思わないわけないわ」
「でも思ってるでちゅよ。だって、ママはいつも言うんでちゅもの。『がんばって葉っぱを食べなさい。頑張って茎に登りなさい。そうしないとわたしみたいにきれいなツマベニチョウになれないわよ』って。他のおにいちゃんやおねえちゃんたちには言わないのに、わたちにだけ言うんでちゅ。それは、わたちがみにくいちょうこ(証拠)でちゅ」
あっちゃんママは、とても優しそうなママでした。それに、さっちゃんのことを心底心配した様子で取り乱して嘆いていました。ですから、さっちゃんが言うようなママだとは思えません。
さっちゃんの話は続いています。
「ママは、とてもきれいなママでちゅ。誰よりも美蝶なんでちゅ。わたち、ママみたいにきれいな蝶々になりたんでちゅ。そしたらママ、きっと喜んでくれるでちゅ。わたちのこと好きになって撫でてくれるんでちゅもん」
アゲハちゃんは、ゆっくりと優しく諭します。
「さっちゃんは、今でも可愛いはずよ。だって生まれた時から今だって可愛くなりたいって思っているんですから、誰よりも可愛いはずよ。わたしたち蝶々に可愛くない子なんていないわ。だってみんなに可愛がられるために生まれてくるんですもの。
わたしたちは、みんなに可愛いって思われて幸せにする魔法を使えるのよ。お友達の猫のモモちゃんが言っていたわ。本当にその通りだとわたし思うの。蝶以外の他のみんなを幸せに出来るのよ、わたしたち。さっちゃんも同じよ」
「でも、お姉ちゃんたちは美蝶なのに、わたちだけぶちゃいくでちゅ」
「そんなことないわ。姿はそれぞれ違うけれど、蝶の世界に可愛くないことなんて何もないのよ。全部可愛いの。悪い行い以外はみんな可愛いのよ」
「じゃあ、わたちはわるい子なんでちゅ。だってママ言うんでちゅもん。『もっと早くに茎を登りなさい。もっとたくしゃん食べなちゃい』って。登るのがおしょいのはいけないことでちゅ。たくさん食べられないのはいけないことでちゅ。だからわたちは、わるい子なんでちゅ」
アゲハちゃんは、ゆっくりと漂うように近づきます。そして言いました。
「そんなことないわ。あなたの声とても可愛らしいもの。羨ましいくらい可愛い声よ」
「・・・本当でちゅか?」
「ええ、わたしが幼かった頃より可愛らしいわ」
「それはうしょ(嘘)でちゅ。だってお姉しゃん、とってもきれいでちゅもん。わたちのお姉ちゃんたちより美蝶でちゅ。ママには敵わないけど」
ようやく、アゲハちゃんは、光の玉を抱き込んだ根の外側に辿り着きました。
「あなたは、本当にママが大好きなのね」
アゲハちゃんはそう言いながら、ゆっくりと根の合間を這って進んでいきます。大きな翅が少し擦れて傷むのが分かりました。
おずおずとさっちゃんが答えます。
「うん、しゅき(好き)でちゅ。でも…でも…ママは、ママは・・・」
嗚咽して声をしゃくりながら、さっちゃんが続けます。
「ママはわたちのことがきらいなんでちゅ。わたちは茎に登るのもへちゃ(下手)だし、たくしゃん葉っぱも食べれないから、とてもみにくいんでちゅ。だって今はもっとみにくくなっちゃったもん。こんなんじゃ、ママに会えないでちゅ。もう捨てられてちまいまちゅ」
「そんなことないわ。大好きなママを信じてみましょうよ」
そう言ったアゲハちゃんは、優しく光の球に手を差し伸べます。
指先が光の玉に触れた瞬間、さっちゃんが「きゃっ」と叫びました。
光はとても温かくてとろとろしているようで、それでいてしっとりと指先を包んで、丸みを帯びたか弱さをアゲハちゃんの指に伝えます。
光の玉の色が濃いところが、暴れるようにユラユラと揺らめきました。
途端に声色を荒げたさっちゃんが、とても嫌がった様子で言いました。
「しゃわらないで! わたちこんなにぶちゅ(ブス)だから、外に行きたくないでちゅ」
「そんなことないわ。さっちゃんはとっても可愛いわよ。姿を気にしないで。みんなそれぞれ違う可愛さを持っているってだけで、可愛くない子なんていないんだから」
「それは、お姉しゃんが美蝶でかわいいから言えるんでちゅ。わたちみたいなぶちゅの気持ちは分からないでちゅよ」
「アゲハちゃん!」とチュウ太が叫びました。
その声にアゲハちゃんが気がつくと、根がうごめき始めています。
光の玉に浸していたアゲハちゃんの両手が、急に外に引き出されました。慌てて駆けてきたチュウ太に引っ張られたのです。
離れていくアゲハちゃんに、さっちゃんが言いました。
「えへへ、わたちかわいくへんちん(変身)しゅるわ。だってこんなにきれいな青色の宝石を抱いているんでちゅもの。間違いないでちゅ。だってママに抱きしめられてるみたいに温かいんでちゅもの」
アゲハちゃんがチュウ太に叫びました。
「待って、まださっちゃんが――さっちゃんが…」
「もうだめだよ、これ以上はっっ」
うねうねと根が絡みついてきます。それをすり抜けながら、チュウ太が走ります。
うねる根っこが、ムチのようにチュウ太の手を叩きました。その拍子にチュウ太は、アゲハちゃんの手を離してしまいました。
「アゲハちゃーん」チュウ太が叫びます。
「チュウ太ぁ」
アゲハちゃんは、根のうごめきが起こす光の流れに翻弄されながらも、必死にチュウ太の声がする方を目指します。時折、無理に薄目を開けているものだから、目が潰れてしまいそうです。
根のうごめきは激しさを増してきました。なんとか薄目を開け続けられるところに来たアゲハちゃんは、迫りくる根から羽を守るように必死に泳ぎ回って、チュウ太の背中を追いました。
根の上を走るチュウ太は、時折根に絡めとられますが、持ち前の小ささと頑張りでなんとか通り抜け、地上へと急ぎます。
「ぷはぁ」と二匹が、地面の上に顔を出しました。
心配していたみんなが駆け寄ります。粉状や糸状の根にまみれたチュウ太の体をなめながら、モモタが言いました。
「なにがあったの? なんか地面がうごうご揺れて、とても不安な感じになったんだ。下に大きなモグラ怪獣がいるみたいに。もしかして何かいたの?」
アゲハちゃんが、細かい鬚根の欠片をはたき落しながら言いました。
「ううん、なにもいなかったわ。いるのは、悲しみに暮れるさっちゃんだけ」
「さっちゃんが?」あっちゃんママが叫びます。「どうして悲しみに暮れているの? ああ、なんていうこと? 早く助けだしてやらないと」
アゲハちゃんは、さっちゃんが言っていたことを余すことなくあっちゃんママに語って聞かせてあげました。
「さっちゃん、さっちゃん。わたし、揚羽蝶のアゲハちゃんよ。少しお話しましょうよ」
返事はありません。ですが、光の玉の濃い青のところが流れました。
不思議な光景です。光の玉そのものは青色をした水晶玉のようなのに、その周囲の空間は、眩しすぎて白い光の空間と化しています。目を細めてみる洞窟内は、影を落とす場所がないほど輝いていました。そんな空間の中で、光を取り巻く根だけが影を纏っています。内側は青色に照らされていましたが、外側は影になっていたのです。
アゲハちゃんには、心なしか光が向きを変えたように思えました。こちらに振り向いたと思って、何度も呼びかけます。すると、光の中にいるさっちゃんが、ようやく答えてくれました。
「出ていって! わたちここから出なでちゅ。だってもうすぐきれいなちょうちょになれるんでちゅもの」
「蝶々に? もうサナギになっているの?」
「もうすぐよ。でももうおねむの時間だもの。もしかしたら、もうサナギなのかもちれないわ」
不思議な返答だな、とアゲハちゃんは思いました。サナギには自ら糸をはいてなるのです。自然となるわけではありません。
アゲハちゃんが、なお近づこうとして言いました。
「ねえ、何かお話をしてあげるわ。物語を聞かせてあげるから、そばに寄っていでしょう?」
「やぁっ! そばに来ないで」
さっちゃんが叫びます。
一瞬、根が暴れ出すのではないか、と心配したアゲハちゃんたちですが、根は動きませんでした。
それを見たアゲハちゃんが続けます。
「ママが心配していたわよ」
「ウソでちゅ。ママはわたちのことなんて心配しないでちゅ」
「そんなことないわよ。ママが赤ちゃんを心配しないわけないじゃない」
「あるでちゅ。だってママは、わたちのことなんできらいなんでちゅもの」
「どうして? どうしてそんなふうに思うの?」
「だってママは、わたちのこととてもみにくいって思っているんでちゅもの」
「まさか。ママが娘を可愛いって思わないわけないわ」
「でも思ってるでちゅよ。だって、ママはいつも言うんでちゅもの。『がんばって葉っぱを食べなさい。頑張って茎に登りなさい。そうしないとわたしみたいにきれいなツマベニチョウになれないわよ』って。他のおにいちゃんやおねえちゃんたちには言わないのに、わたちにだけ言うんでちゅ。それは、わたちがみにくいちょうこ(証拠)でちゅ」
あっちゃんママは、とても優しそうなママでした。それに、さっちゃんのことを心底心配した様子で取り乱して嘆いていました。ですから、さっちゃんが言うようなママだとは思えません。
さっちゃんの話は続いています。
「ママは、とてもきれいなママでちゅ。誰よりも美蝶なんでちゅ。わたち、ママみたいにきれいな蝶々になりたんでちゅ。そしたらママ、きっと喜んでくれるでちゅ。わたちのこと好きになって撫でてくれるんでちゅもん」
アゲハちゃんは、ゆっくりと優しく諭します。
「さっちゃんは、今でも可愛いはずよ。だって生まれた時から今だって可愛くなりたいって思っているんですから、誰よりも可愛いはずよ。わたしたち蝶々に可愛くない子なんていないわ。だってみんなに可愛がられるために生まれてくるんですもの。
わたしたちは、みんなに可愛いって思われて幸せにする魔法を使えるのよ。お友達の猫のモモちゃんが言っていたわ。本当にその通りだとわたし思うの。蝶以外の他のみんなを幸せに出来るのよ、わたしたち。さっちゃんも同じよ」
「でも、お姉ちゃんたちは美蝶なのに、わたちだけぶちゃいくでちゅ」
「そんなことないわ。姿はそれぞれ違うけれど、蝶の世界に可愛くないことなんて何もないのよ。全部可愛いの。悪い行い以外はみんな可愛いのよ」
「じゃあ、わたちはわるい子なんでちゅ。だってママ言うんでちゅもん。『もっと早くに茎を登りなさい。もっとたくしゃん食べなちゃい』って。登るのがおしょいのはいけないことでちゅ。たくさん食べられないのはいけないことでちゅ。だからわたちは、わるい子なんでちゅ」
アゲハちゃんは、ゆっくりと漂うように近づきます。そして言いました。
「そんなことないわ。あなたの声とても可愛らしいもの。羨ましいくらい可愛い声よ」
「・・・本当でちゅか?」
「ええ、わたしが幼かった頃より可愛らしいわ」
「それはうしょ(嘘)でちゅ。だってお姉しゃん、とってもきれいでちゅもん。わたちのお姉ちゃんたちより美蝶でちゅ。ママには敵わないけど」
ようやく、アゲハちゃんは、光の玉を抱き込んだ根の外側に辿り着きました。
「あなたは、本当にママが大好きなのね」
アゲハちゃんはそう言いながら、ゆっくりと根の合間を這って進んでいきます。大きな翅が少し擦れて傷むのが分かりました。
おずおずとさっちゃんが答えます。
「うん、しゅき(好き)でちゅ。でも…でも…ママは、ママは・・・」
嗚咽して声をしゃくりながら、さっちゃんが続けます。
「ママはわたちのことがきらいなんでちゅ。わたちは茎に登るのもへちゃ(下手)だし、たくしゃん葉っぱも食べれないから、とてもみにくいんでちゅ。だって今はもっとみにくくなっちゃったもん。こんなんじゃ、ママに会えないでちゅ。もう捨てられてちまいまちゅ」
「そんなことないわ。大好きなママを信じてみましょうよ」
そう言ったアゲハちゃんは、優しく光の球に手を差し伸べます。
指先が光の玉に触れた瞬間、さっちゃんが「きゃっ」と叫びました。
光はとても温かくてとろとろしているようで、それでいてしっとりと指先を包んで、丸みを帯びたか弱さをアゲハちゃんの指に伝えます。
光の玉の色が濃いところが、暴れるようにユラユラと揺らめきました。
途端に声色を荒げたさっちゃんが、とても嫌がった様子で言いました。
「しゃわらないで! わたちこんなにぶちゅ(ブス)だから、外に行きたくないでちゅ」
「そんなことないわ。さっちゃんはとっても可愛いわよ。姿を気にしないで。みんなそれぞれ違う可愛さを持っているってだけで、可愛くない子なんていないんだから」
「それは、お姉しゃんが美蝶でかわいいから言えるんでちゅ。わたちみたいなぶちゅの気持ちは分からないでちゅよ」
「アゲハちゃん!」とチュウ太が叫びました。
その声にアゲハちゃんが気がつくと、根がうごめき始めています。
光の玉に浸していたアゲハちゃんの両手が、急に外に引き出されました。慌てて駆けてきたチュウ太に引っ張られたのです。
離れていくアゲハちゃんに、さっちゃんが言いました。
「えへへ、わたちかわいくへんちん(変身)しゅるわ。だってこんなにきれいな青色の宝石を抱いているんでちゅもの。間違いないでちゅ。だってママに抱きしめられてるみたいに温かいんでちゅもの」
アゲハちゃんがチュウ太に叫びました。
「待って、まださっちゃんが――さっちゃんが…」
「もうだめだよ、これ以上はっっ」
うねうねと根が絡みついてきます。それをすり抜けながら、チュウ太が走ります。
うねる根っこが、ムチのようにチュウ太の手を叩きました。その拍子にチュウ太は、アゲハちゃんの手を離してしまいました。
「アゲハちゃーん」チュウ太が叫びます。
「チュウ太ぁ」
アゲハちゃんは、根のうごめきが起こす光の流れに翻弄されながらも、必死にチュウ太の声がする方を目指します。時折、無理に薄目を開けているものだから、目が潰れてしまいそうです。
根のうごめきは激しさを増してきました。なんとか薄目を開け続けられるところに来たアゲハちゃんは、迫りくる根から羽を守るように必死に泳ぎ回って、チュウ太の背中を追いました。
根の上を走るチュウ太は、時折根に絡めとられますが、持ち前の小ささと頑張りでなんとか通り抜け、地上へと急ぎます。
「ぷはぁ」と二匹が、地面の上に顔を出しました。
心配していたみんなが駆け寄ります。粉状や糸状の根にまみれたチュウ太の体をなめながら、モモタが言いました。
「なにがあったの? なんか地面がうごうご揺れて、とても不安な感じになったんだ。下に大きなモグラ怪獣がいるみたいに。もしかして何かいたの?」
アゲハちゃんが、細かい鬚根の欠片をはたき落しながら言いました。
「ううん、なにもいなかったわ。いるのは、悲しみに暮れるさっちゃんだけ」
「さっちゃんが?」あっちゃんママが叫びます。「どうして悲しみに暮れているの? ああ、なんていうこと? 早く助けだしてやらないと」
アゲハちゃんは、さっちゃんが言っていたことを余すことなくあっちゃんママに語って聞かせてあげました。
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