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モモタとママと虹の架け橋
第四十三話 何も考えないでいると、心の声が聞こえてくる
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次の日、モモタたちは海上にいました。
モモタたちが次の雫を探しに出発するためにお別れの挨拶をしようとした時、海ガメおばさんが言ったのです。以前一番仲良しなママ友から、こんなふうに光る石のお話を向こうの方の海で聞いた、というお話を。
そこでモモタたちは、ママ友さんがその話を聞いたというところまで、海ガメおばさんの案内で行ってみることにしました。
見渡す限り海しかありません。かろうじて遠くの水平線に、陸地のような筋が見えています。
バラのトゲ模様の青い海面が、濃紺に変わってからだいぶ経ちます。青い海と濃紺の海は、同じ海水なのに混じり合うことなく線を引いたように分かれていました。ですから、地上で生活している飛べないモモタとチュウ太を、大いに怖がらせました。
そこを越えて外海にでる時など、モモタは怖がって縮こまるんだかこまらないんだか、よく分からない姿勢でいましたし、チュウ太はモモタの首筋にしがみついて、必死に目をつぶっていたほどです。
ですが、今は大海原のど真ん中。ようやく慣れてきたモモタは、普段だったら絶対に見られないであろう、何も遮ることのない海上の景色を楽しむことにしました。
お船のように長細い雲が、空の低い位置を流れています。今まで雲ばかりを眺めていたことのないみんなは、それぞれに「タイに似てる」とか「パンジーに似てるわ」などと教え合って楽しみました。
暇な時間はとても大切です。なにもやることがないと思えば、退屈で死んでしまいそうですが、だからこそ普段気にしない出来事が見えてくるのです。
時々風が強くなって、海ガメおばさんが波に揺れました。モモタたちは、その度に声を上げて、揺れが収まると笑い合います。
モモタは、大地に足がついていないというのは、なんとも不安になるんだなぁ、と思いました。怖がって塀の上に上ってこないお友達の気持ちが、よく分かります。
みんなは、どこにどう向かっているのか分かりませんでしたが、モモタにだけはなんとなく分かっていました。北の方角に向かっているのです。
だんだんと寒くなってきたので、モモタが海ガメおばさんを心配して訊きました。
「ねえ、海ガメおばさん。海ガメおばさんは、ずっと海の中にいるけど寒くないの?」
「大丈夫よ。黒潮は冷たくない海の水だから、とても暖かいわ」
モモタには信じられません。甲羅の上を薄く撫でる海水は、とても冷たく感じたからです。
陽が傾き始めて沈むと、月と星々の明かりしかありません。海は黒い闇の中に姿を隠しました。面白いことに、昼間から一転して夜になると、空の低い位置の色がプルシアンブルーを水に溶かしたように薄くなりました。陸地にある人間の営みの明かりがそうしているのです。
アゲハちゃんが言いました。
「海には海の音色があるのね。最初は変な音だなぁって思っていたけれど、慣れるととても心地いいわ。川の流れは優しく撫でてくれるような音色だけれど、海の音色は揺り籠に揺られているような聞き心地ね」
「ふーん、そんなもんかねー」とチュウ太が言いました。「僕には分からないな。うるさくて眠れないよ。揺り籠って、波に揺られてるからなんじゃないの?」
「あら、ロマンがないわね」とアゲハちゃん、プリプリしました。
モモタが笑って言いました。
「人間のお家には、こんなふうに心が洗われるような音はないものね。」
「そう考えると、人間は可哀相な生き物だな」とキキが言いました。「だからか、人間が山でも森でも海でもないところに住んでいるのって」
「どういうこと?」とアゲハちゃんが訊きます。
「人間はやっぱり弱いってことさ。弱いから山や森から追い出されて、海にも行けないんだ。だから、木も川も海もないところに住んでいるんだ」
チュウ太が、確かに、という顔をしました。
「体は大きいけど、牙もないし爪もないし、力もない。走るのだって早くないし、水にも入れない。よくよく考えたら、大きさのわりによわっちい気がするな」
起き上がって続けます。
「だって、熊くらい大きいけど細長いじゃん。秋田犬と戦ったら、人間は勝てないんじゃないかな」
キキとアゲハちゃんは、秋田犬を見たことがないので想像がつきません。モモタが、「ちょっとお兄ちゃんのツキノワグマくらいの大きさだよ」と教えてあげて、ようやく納得しました。
キキが疑問に思って言いました。
「じゃあ、なんで人間はあんなにたくさんいるんだろう。何か強さがあるはずだよね。母星には色々な側面があったじゃない」
海ガメおばさんが口を開きました。
「残る強さ、見守る強さ、耐える強さ、止める強さ、助ける強さ、探し続ける強さ。見方によってはどれも弱さと表裏一体だけれど、別の見方をすれば、強いからこそそれを成せているって考えられるものね」
「うん」とキキが頷きます。「僕も初めは狩りが上手くなかったんだ。見つけたら早く捕まえなきゃ逃げられちゃう、って思って焦って突っ込んでいったけど、それじゃいけないんだ。どんなに僕が早く飛べても、ごはんに辿り着くまでの距離が長かったり、気配を感じられたりしたら、逃げられてしまうからね。
獲物に突っ込めないっていうのは弱さにも見えるけど、“今は突っ込むな”って強いからこそ思えるんだ」
そう言って、キキはため息をつきました。
「あーあ、旅立つ前に気がついていればよかったな。そしたら熊に訊けたのに」
「どうして?」とモモタ。
「熊は、極端に人間を怖がるだろ? 山歩きしている人間の気配を感じると、一目散に逃げていくんだ。もしかしたら、人間の強さを見たことがあるのかもしれないだろ」
「だめだったと思うわ」と言うアゲハちゃんに、みんなが注目します。
アゲハちゃんが説明してくれました。
「キキは、旅立ったからそれに気がつけたのよ。七色の少女や太陽のお話を聞いて、それを思わせる出来事に何度も遭遇したわ。だから、弱さの中にも強さがあるってことや、弱いと思っていたことが強いってことだったって思えるようになったと思うの。
それに、海ガメおばさんやチュウ太の頑張りを見ずに、強さと弱さの秘密に気がついていたら、大切なものが見えなかったはずよ」
「どういうことだい?」とキキが尋ねます。
「本当に大切なのは、強いかどうかじゃないわ。その強さをどう使うかよ。三毛猫三兄弟(実際は兄弟ではない)は、その強さを弱い者いじめや言うことを聞かせるのに使っている様子だったでしょう? でも海ガメおばさんは我が子のために使ったし、チュウ太は、苦しむ海ガメおばさんやわたしたちの信頼のために使ったのよ。心のあり方の方が大事なのよ」
なるほどー、とみんなは感心します。
チュウ太は、少し照れくさそうに謙遜しました。
「そんなことないよ。僕一匹だったら何にもできなかったもん。海ガメおばさんには悪いけど、僕見ていただけだったと思うよ」
ですが、アゲハちゃんはチュウ太を褒めて言いました。
「それも強さなのよ。助けてあげたいって気持ちはあったでしょ?」
「うーん、それはあったけど・・・」
「助けられない環境でもそう思えることは強さだし、それに囚われていても助けに行かないと踏み止まったのも強さよ。そうできなきゃ自分が死んじゃうもの」
「そんな強さってあるの?」とチュウ太が疑問悶々。
「あるわ。わたしいっぱい見るもの。
山にいると、たくさんの羽虫がやぶの中にお家を作っているわ。でも、ときどきそこに人間がやってくるのよ。山菜取りや木の実取りに来ているのね。
そんな時、よせばいいのに、『ここは俺の縄張りだー』って叫びながら、人間の前に飛びはだかるものだから、一瞬にしてぺしゃんこ。チュウ太の言う“必死”ってやつね。
あの子たちに訊くと、『逃げるなんて恥晒せない』ですって。『逃げ恥を晒すくらいなら、潰れてみせる』ですって」続けて、素っ頓狂な声で「おっかしいの」と言いました。
確かにおかしな話です。だって、死んでしまっては縄張りも何もあったものではありません。
モモタが、「そういえば」と言いました。「別の羽虫が、夏になると人にたかるんだ。叩かれちゃうよって言ったら、『だからこそ行くんだ』だって。わざと目の前をチラチラ飛ぶんだ。すっごい嫌がらせ。我慢できないんだね」
「弱い証拠よ」とアゲハちゃんが言います。
ふだんは話さないことをいろいろ話しました。何度か陽が昇って沈んでを繰り返して、ようやくある陸地に辿り着きました。
そこは、北海道と呼ばれている大地でした。
モモタたちが次の雫を探しに出発するためにお別れの挨拶をしようとした時、海ガメおばさんが言ったのです。以前一番仲良しなママ友から、こんなふうに光る石のお話を向こうの方の海で聞いた、というお話を。
そこでモモタたちは、ママ友さんがその話を聞いたというところまで、海ガメおばさんの案内で行ってみることにしました。
見渡す限り海しかありません。かろうじて遠くの水平線に、陸地のような筋が見えています。
バラのトゲ模様の青い海面が、濃紺に変わってからだいぶ経ちます。青い海と濃紺の海は、同じ海水なのに混じり合うことなく線を引いたように分かれていました。ですから、地上で生活している飛べないモモタとチュウ太を、大いに怖がらせました。
そこを越えて外海にでる時など、モモタは怖がって縮こまるんだかこまらないんだか、よく分からない姿勢でいましたし、チュウ太はモモタの首筋にしがみついて、必死に目をつぶっていたほどです。
ですが、今は大海原のど真ん中。ようやく慣れてきたモモタは、普段だったら絶対に見られないであろう、何も遮ることのない海上の景色を楽しむことにしました。
お船のように長細い雲が、空の低い位置を流れています。今まで雲ばかりを眺めていたことのないみんなは、それぞれに「タイに似てる」とか「パンジーに似てるわ」などと教え合って楽しみました。
暇な時間はとても大切です。なにもやることがないと思えば、退屈で死んでしまいそうですが、だからこそ普段気にしない出来事が見えてくるのです。
時々風が強くなって、海ガメおばさんが波に揺れました。モモタたちは、その度に声を上げて、揺れが収まると笑い合います。
モモタは、大地に足がついていないというのは、なんとも不安になるんだなぁ、と思いました。怖がって塀の上に上ってこないお友達の気持ちが、よく分かります。
みんなは、どこにどう向かっているのか分かりませんでしたが、モモタにだけはなんとなく分かっていました。北の方角に向かっているのです。
だんだんと寒くなってきたので、モモタが海ガメおばさんを心配して訊きました。
「ねえ、海ガメおばさん。海ガメおばさんは、ずっと海の中にいるけど寒くないの?」
「大丈夫よ。黒潮は冷たくない海の水だから、とても暖かいわ」
モモタには信じられません。甲羅の上を薄く撫でる海水は、とても冷たく感じたからです。
陽が傾き始めて沈むと、月と星々の明かりしかありません。海は黒い闇の中に姿を隠しました。面白いことに、昼間から一転して夜になると、空の低い位置の色がプルシアンブルーを水に溶かしたように薄くなりました。陸地にある人間の営みの明かりがそうしているのです。
アゲハちゃんが言いました。
「海には海の音色があるのね。最初は変な音だなぁって思っていたけれど、慣れるととても心地いいわ。川の流れは優しく撫でてくれるような音色だけれど、海の音色は揺り籠に揺られているような聞き心地ね」
「ふーん、そんなもんかねー」とチュウ太が言いました。「僕には分からないな。うるさくて眠れないよ。揺り籠って、波に揺られてるからなんじゃないの?」
「あら、ロマンがないわね」とアゲハちゃん、プリプリしました。
モモタが笑って言いました。
「人間のお家には、こんなふうに心が洗われるような音はないものね。」
「そう考えると、人間は可哀相な生き物だな」とキキが言いました。「だからか、人間が山でも森でも海でもないところに住んでいるのって」
「どういうこと?」とアゲハちゃんが訊きます。
「人間はやっぱり弱いってことさ。弱いから山や森から追い出されて、海にも行けないんだ。だから、木も川も海もないところに住んでいるんだ」
チュウ太が、確かに、という顔をしました。
「体は大きいけど、牙もないし爪もないし、力もない。走るのだって早くないし、水にも入れない。よくよく考えたら、大きさのわりによわっちい気がするな」
起き上がって続けます。
「だって、熊くらい大きいけど細長いじゃん。秋田犬と戦ったら、人間は勝てないんじゃないかな」
キキとアゲハちゃんは、秋田犬を見たことがないので想像がつきません。モモタが、「ちょっとお兄ちゃんのツキノワグマくらいの大きさだよ」と教えてあげて、ようやく納得しました。
キキが疑問に思って言いました。
「じゃあ、なんで人間はあんなにたくさんいるんだろう。何か強さがあるはずだよね。母星には色々な側面があったじゃない」
海ガメおばさんが口を開きました。
「残る強さ、見守る強さ、耐える強さ、止める強さ、助ける強さ、探し続ける強さ。見方によってはどれも弱さと表裏一体だけれど、別の見方をすれば、強いからこそそれを成せているって考えられるものね」
「うん」とキキが頷きます。「僕も初めは狩りが上手くなかったんだ。見つけたら早く捕まえなきゃ逃げられちゃう、って思って焦って突っ込んでいったけど、それじゃいけないんだ。どんなに僕が早く飛べても、ごはんに辿り着くまでの距離が長かったり、気配を感じられたりしたら、逃げられてしまうからね。
獲物に突っ込めないっていうのは弱さにも見えるけど、“今は突っ込むな”って強いからこそ思えるんだ」
そう言って、キキはため息をつきました。
「あーあ、旅立つ前に気がついていればよかったな。そしたら熊に訊けたのに」
「どうして?」とモモタ。
「熊は、極端に人間を怖がるだろ? 山歩きしている人間の気配を感じると、一目散に逃げていくんだ。もしかしたら、人間の強さを見たことがあるのかもしれないだろ」
「だめだったと思うわ」と言うアゲハちゃんに、みんなが注目します。
アゲハちゃんが説明してくれました。
「キキは、旅立ったからそれに気がつけたのよ。七色の少女や太陽のお話を聞いて、それを思わせる出来事に何度も遭遇したわ。だから、弱さの中にも強さがあるってことや、弱いと思っていたことが強いってことだったって思えるようになったと思うの。
それに、海ガメおばさんやチュウ太の頑張りを見ずに、強さと弱さの秘密に気がついていたら、大切なものが見えなかったはずよ」
「どういうことだい?」とキキが尋ねます。
「本当に大切なのは、強いかどうかじゃないわ。その強さをどう使うかよ。三毛猫三兄弟(実際は兄弟ではない)は、その強さを弱い者いじめや言うことを聞かせるのに使っている様子だったでしょう? でも海ガメおばさんは我が子のために使ったし、チュウ太は、苦しむ海ガメおばさんやわたしたちの信頼のために使ったのよ。心のあり方の方が大事なのよ」
なるほどー、とみんなは感心します。
チュウ太は、少し照れくさそうに謙遜しました。
「そんなことないよ。僕一匹だったら何にもできなかったもん。海ガメおばさんには悪いけど、僕見ていただけだったと思うよ」
ですが、アゲハちゃんはチュウ太を褒めて言いました。
「それも強さなのよ。助けてあげたいって気持ちはあったでしょ?」
「うーん、それはあったけど・・・」
「助けられない環境でもそう思えることは強さだし、それに囚われていても助けに行かないと踏み止まったのも強さよ。そうできなきゃ自分が死んじゃうもの」
「そんな強さってあるの?」とチュウ太が疑問悶々。
「あるわ。わたしいっぱい見るもの。
山にいると、たくさんの羽虫がやぶの中にお家を作っているわ。でも、ときどきそこに人間がやってくるのよ。山菜取りや木の実取りに来ているのね。
そんな時、よせばいいのに、『ここは俺の縄張りだー』って叫びながら、人間の前に飛びはだかるものだから、一瞬にしてぺしゃんこ。チュウ太の言う“必死”ってやつね。
あの子たちに訊くと、『逃げるなんて恥晒せない』ですって。『逃げ恥を晒すくらいなら、潰れてみせる』ですって」続けて、素っ頓狂な声で「おっかしいの」と言いました。
確かにおかしな話です。だって、死んでしまっては縄張りも何もあったものではありません。
モモタが、「そういえば」と言いました。「別の羽虫が、夏になると人にたかるんだ。叩かれちゃうよって言ったら、『だからこそ行くんだ』だって。わざと目の前をチラチラ飛ぶんだ。すっごい嫌がらせ。我慢できないんだね」
「弱い証拠よ」とアゲハちゃんが言います。
ふだんは話さないことをいろいろ話しました。何度か陽が昇って沈んでを繰り返して、ようやくある陸地に辿り着きました。
そこは、北海道と呼ばれている大地でした。
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