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モモタとママと虹の架け橋
第三十一話 ブナの木に住むお友達
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モモタたちは、光るところがないか四つ目のぼた山をくまなく探しました。ですが、それらしい場所はありません。
このぼた山は、他の三つのぼた山と装いが違います。他のぼた山は雑木林であったのに対して、ここはブナの木が多く生えていました。
キキの話によると、ヒモ山と同じ葉っぱの色だということですから、もしかしたら、このぼた山は、もともとヒモ山の一部だったのかもしれません。
案の定、モモタたちがぼた山の反対側にくると、がれ場になっています。雨が降ると水の流れができるのでしょう。長い年月を経て水が土を洗い流し、いつの間にかヒモ山とぼた山の二つに分かれてしまったのです。
むき出しになった黄土色の地層に、ところどころ草が生えています。山椒と漆の木も散見できました。
ほんのりと柑橘系の香りがするほうをアゲハちゃんが振り向くと、旺盛なウドが葉を広げています。喉が渇いたのでしょうか、アゲハちゃんは爽やかジュースでのどを潤します。
モモタが言いました。
「熊の匂いはどこにもしないね。タヌキとキツネばかり。アナグマもいるみたいだけれど」
アゲハちゃんが、「蝶々がいてくれれば、色々教えてもらえるかもしれないのになぁ」と呟きます。
すると、どこからともなく声が聞こえてきました。
「蝶々? 蝶々なら、木の上の方にいるよ」
突然聞こえた声に、みんなびっくりです。慌てて辺りを見渡しました。
その声の主が、笑って言いました。
「あはははは、こっちこっち」
「どこ? どこどこ?」と、みんなキョロキョロしながら声をかけます。
どこをどう探しても見つかりません。声の主は、翅を広げて居場所を教えてくれました。
木の皮が動き出して、ようやく居場所が分かりました。木の皮に擬態していた蛾がいたのです。
蛾は言いました。
「ブナの木の上の方に行ってごらん。ちょとだけど蝶々がいるよ」
「うそー」とアゲハちゃんが声を上げます。「そんな高いところに蝶々はいないわよ」
キキが「いないことないだろ、飛べるんだから」と言いました。
「それはそうだけれど、そんなところにいて何が楽しいのかしら。こんないいお天気なんだから、原っぱに出てお花の蜜を集めればいいのに」
蛾が言います。
「あの子たちは、めったに下りてこないね。嵐の時とデートの時くらいかな、下りてくるのは」
そこで、キキとアゲハちゃんは、飛んでいってみることにしました。
モモタとチュウ太は、下でお留守番です。ブナの木は樹高が高いので、モモタたちが登っていくには危険でした。ですから、下で待っていることにしたのです。
キキとアゲハちゃんがブナの樹冠までやってくると、確かに蝶々が戯れていました。羽は濃い灰色で、前翅後翅共に白帯があります。後翅の端には黒い斑点があって、その周りがオレンジ色をしています。
アゲハちゃんがご挨拶をして訊くと、みんなは口々にフジミドリシジミだと教えてくれました。
人間の別荘の軒下の壁にお家を作って、お花畑でいつも遊んでいたアゲハちゃんには、出合うことのできないお友だちです。
アゲハちゃんは、虹の雫のことを訊いてみました。ですが、みんな困った顔をして、視線を送り合っています。他の虫たち同様、やっぱり話してくれません。
そこで、アゲハちゃんは質問を変えて、熊の居所を訊いてみました。すると、この質問には、みんな快く答えてくれました。
「熊? 熊だったら、このお山にはいないわよ」
「向こうのお山にいるわよね」
「そうね、よくこのお山の麓に来て、山菜を食べているわね」
「でもよかったわね。このブナ林にアゲビがなくって」
「ほんとほんと。でももしあっても、熊じゃここまで来られないけどね」
フジミドリシジミたちの話によると、熊は、山菜の時期とヨツヅミザクラの実が熟す頃になると、このぼた山の周りを徘徊しているそうです。
アゲハちゃんたちは、モモタの元に戻っていって、そのことを教えてあげました。そこで、みんなでがれ場に下りてみることにしました。
木の根っこがむき出しになった緩やかな崖を慎重に下りていったモモタは、雑草が生え集まった陰の中からがれ場を見渡します。河原ほど石ころだらけではありませんが、雨が降るたびに小川が出来るのでしょう。枯れ場の中心の方には木は生えておらず、根をはらすための深い土がなくても伸びる草が、ちらほらとしか生えておりません。
モモタたちは、幾つかの小さな雑草の集まりの陰を通って大きな山の方に行ってみることにしました。
すると、突然地面から大きな黒いものが現れて、モソモソと動いているのが見えるではありませんか。びっくりしたモモタは、咄嗟に大きな石の陰に隠れました。キキは、急いで飛び立ちます。
息をひそめて覗いてみると、熊がいるようでした。クマは、モモタたちの風下にいたので、誰も気づくことが出来なかったのです。
熊がいるのは、ちょうどヒモ山のお股のところでした。なにやら土を掘っています。
木も生えていませんし、川があるわけでもありません。動物の巣があるようにも見えません。いったい何をしているのでしょう。
モモタが小声でいました。
「風下にいるのに、僕たちの匂いに気がついていないみたいだね」
「そうだな」と言ったチュウ太が「早いとこ逃げちゃおうよ」と続けます。
アゲハちゃんが、「風下へ回って、もっと近くで見てみましょうよ」と提案しました。
モモタたちは、おっかなびっくりしながらも、ソロリソロリと接近を試みます。そばまでやってきて、ようやく何をしているのか分かりました。熊が掘っている土の下に、蜂の巣があるようです。熊は、蜂の巣を襲っていたのです。
しばらくすると、飛び交う蜂の数がどんどんと増えていきます。
黒い横じまの蜂を見て、アゲハちゃんが言いました。
「あれ、クロスズメバチね」
熊は、栄養満点の幼虫やサナギを食べようとしているのです。ですが、クロスズメバチも黙って食べられるわけにはいきません。熊の巨躯を覆うように群がって、鋭い針で攻撃しています。
始めはまったく意に返さない様子の熊でしたが、さすがの熊も痛いのでしょう。穴を掘りながら時折もがくようになりました。幾度となく全身を刺されているはずです。
その激痛に耐えかねて、熊は堪らずのた打ち回りました。それでもなお掘るのをやめずに再開します。それが何度も繰り返されました。よせばいいのに全くやめる気配を見せません。
ですが、ついに我慢できなくなった熊は、痛みを堪えきれずに逃げ出しました。熊は、モモタたちがいるほうに退散してきます。一緒に刺されては敵わない、とモモタたちは慌てて逃げ出しました。
チュウ太が、一緒に避難したモモタに言いました。
「あんなでっかい熊ですら追い返してしまうスズメバチ・・・。最強だな」
「でも死なないのがすごいよね。僕だったらイチコロだよ」とモモタが感心します。
「ていうか、なんで熊は痛い思いまでして、スズメバチの巣を食べるんだ? 他にも食べ物はあるだろうに」
好みは動物それぞれです。誰にもなんでか分かりませんでした。
このぼた山は、他の三つのぼた山と装いが違います。他のぼた山は雑木林であったのに対して、ここはブナの木が多く生えていました。
キキの話によると、ヒモ山と同じ葉っぱの色だということですから、もしかしたら、このぼた山は、もともとヒモ山の一部だったのかもしれません。
案の定、モモタたちがぼた山の反対側にくると、がれ場になっています。雨が降ると水の流れができるのでしょう。長い年月を経て水が土を洗い流し、いつの間にかヒモ山とぼた山の二つに分かれてしまったのです。
むき出しになった黄土色の地層に、ところどころ草が生えています。山椒と漆の木も散見できました。
ほんのりと柑橘系の香りがするほうをアゲハちゃんが振り向くと、旺盛なウドが葉を広げています。喉が渇いたのでしょうか、アゲハちゃんは爽やかジュースでのどを潤します。
モモタが言いました。
「熊の匂いはどこにもしないね。タヌキとキツネばかり。アナグマもいるみたいだけれど」
アゲハちゃんが、「蝶々がいてくれれば、色々教えてもらえるかもしれないのになぁ」と呟きます。
すると、どこからともなく声が聞こえてきました。
「蝶々? 蝶々なら、木の上の方にいるよ」
突然聞こえた声に、みんなびっくりです。慌てて辺りを見渡しました。
その声の主が、笑って言いました。
「あはははは、こっちこっち」
「どこ? どこどこ?」と、みんなキョロキョロしながら声をかけます。
どこをどう探しても見つかりません。声の主は、翅を広げて居場所を教えてくれました。
木の皮が動き出して、ようやく居場所が分かりました。木の皮に擬態していた蛾がいたのです。
蛾は言いました。
「ブナの木の上の方に行ってごらん。ちょとだけど蝶々がいるよ」
「うそー」とアゲハちゃんが声を上げます。「そんな高いところに蝶々はいないわよ」
キキが「いないことないだろ、飛べるんだから」と言いました。
「それはそうだけれど、そんなところにいて何が楽しいのかしら。こんないいお天気なんだから、原っぱに出てお花の蜜を集めればいいのに」
蛾が言います。
「あの子たちは、めったに下りてこないね。嵐の時とデートの時くらいかな、下りてくるのは」
そこで、キキとアゲハちゃんは、飛んでいってみることにしました。
モモタとチュウ太は、下でお留守番です。ブナの木は樹高が高いので、モモタたちが登っていくには危険でした。ですから、下で待っていることにしたのです。
キキとアゲハちゃんがブナの樹冠までやってくると、確かに蝶々が戯れていました。羽は濃い灰色で、前翅後翅共に白帯があります。後翅の端には黒い斑点があって、その周りがオレンジ色をしています。
アゲハちゃんがご挨拶をして訊くと、みんなは口々にフジミドリシジミだと教えてくれました。
人間の別荘の軒下の壁にお家を作って、お花畑でいつも遊んでいたアゲハちゃんには、出合うことのできないお友だちです。
アゲハちゃんは、虹の雫のことを訊いてみました。ですが、みんな困った顔をして、視線を送り合っています。他の虫たち同様、やっぱり話してくれません。
そこで、アゲハちゃんは質問を変えて、熊の居所を訊いてみました。すると、この質問には、みんな快く答えてくれました。
「熊? 熊だったら、このお山にはいないわよ」
「向こうのお山にいるわよね」
「そうね、よくこのお山の麓に来て、山菜を食べているわね」
「でもよかったわね。このブナ林にアゲビがなくって」
「ほんとほんと。でももしあっても、熊じゃここまで来られないけどね」
フジミドリシジミたちの話によると、熊は、山菜の時期とヨツヅミザクラの実が熟す頃になると、このぼた山の周りを徘徊しているそうです。
アゲハちゃんたちは、モモタの元に戻っていって、そのことを教えてあげました。そこで、みんなでがれ場に下りてみることにしました。
木の根っこがむき出しになった緩やかな崖を慎重に下りていったモモタは、雑草が生え集まった陰の中からがれ場を見渡します。河原ほど石ころだらけではありませんが、雨が降るたびに小川が出来るのでしょう。枯れ場の中心の方には木は生えておらず、根をはらすための深い土がなくても伸びる草が、ちらほらとしか生えておりません。
モモタたちは、幾つかの小さな雑草の集まりの陰を通って大きな山の方に行ってみることにしました。
すると、突然地面から大きな黒いものが現れて、モソモソと動いているのが見えるではありませんか。びっくりしたモモタは、咄嗟に大きな石の陰に隠れました。キキは、急いで飛び立ちます。
息をひそめて覗いてみると、熊がいるようでした。クマは、モモタたちの風下にいたので、誰も気づくことが出来なかったのです。
熊がいるのは、ちょうどヒモ山のお股のところでした。なにやら土を掘っています。
木も生えていませんし、川があるわけでもありません。動物の巣があるようにも見えません。いったい何をしているのでしょう。
モモタが小声でいました。
「風下にいるのに、僕たちの匂いに気がついていないみたいだね」
「そうだな」と言ったチュウ太が「早いとこ逃げちゃおうよ」と続けます。
アゲハちゃんが、「風下へ回って、もっと近くで見てみましょうよ」と提案しました。
モモタたちは、おっかなびっくりしながらも、ソロリソロリと接近を試みます。そばまでやってきて、ようやく何をしているのか分かりました。熊が掘っている土の下に、蜂の巣があるようです。熊は、蜂の巣を襲っていたのです。
しばらくすると、飛び交う蜂の数がどんどんと増えていきます。
黒い横じまの蜂を見て、アゲハちゃんが言いました。
「あれ、クロスズメバチね」
熊は、栄養満点の幼虫やサナギを食べようとしているのです。ですが、クロスズメバチも黙って食べられるわけにはいきません。熊の巨躯を覆うように群がって、鋭い針で攻撃しています。
始めはまったく意に返さない様子の熊でしたが、さすがの熊も痛いのでしょう。穴を掘りながら時折もがくようになりました。幾度となく全身を刺されているはずです。
その激痛に耐えかねて、熊は堪らずのた打ち回りました。それでもなお掘るのをやめずに再開します。それが何度も繰り返されました。よせばいいのに全くやめる気配を見せません。
ですが、ついに我慢できなくなった熊は、痛みを堪えきれずに逃げ出しました。熊は、モモタたちがいるほうに退散してきます。一緒に刺されては敵わない、とモモタたちは慌てて逃げ出しました。
チュウ太が、一緒に避難したモモタに言いました。
「あんなでっかい熊ですら追い返してしまうスズメバチ・・・。最強だな」
「でも死なないのがすごいよね。僕だったらイチコロだよ」とモモタが感心します。
「ていうか、なんで熊は痛い思いまでして、スズメバチの巣を食べるんだ? 他にも食べ物はあるだろうに」
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