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モモタとママと虹の架け橋
第二十八話 心の内
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陽が沈んで、夜空は満天の星空です。
モモタたちは、夜道をお散歩する野良ネコや演奏会を開いている虫たちに灰色のタカのことを訊きながら、方々を歩き回っていました。
その最中、キキは、ある一軒のお家のお庭にいました。
木製の格子に、金網を張り巡らせた大きな鳥小屋があって、その中に閉じ込められていたのです。
キキはしばらくの間、格子に嚙みついたりつついたり、金網をいじくったりしていましたが、陽が暮れてしまったのであきらめた様子です。止り木にとまって動きません。何か考え込んでいる様子です。いやな沈黙が続きました。
ミーナが居た堪れない雰囲気に耐えていると、ようやくキキが口を開いて、ミーナに訊きました。
「これがミーナのお家だって言うのかい?」
「・・・そうよ・・・とても広いでしょう。あなたのお家がどんなだか知らないけれど、どうせカラスと同じようなものでしょう?」
「出口がないね」
ミーナは答えられません。俯く彼女を見やって、キキが続けます。
「これは、閉じ込められているってことじゃないのか?」
「そう見えるかもしれないけれど、それは違うわ。楽してごはんを食べようとするずる賢い熊が入ってきて、わたしに襲い掛からないように、鷹匠が守ってくれているのよ。さすがのわたしも、こんなに狭いところにいては、熊の攻撃をかわしきれないからね」
キキが笑いました。
「そうだな。でも熊の話じゃないよ。ここが狭いってことが、さ。僕たち鳥のお家になぜ屋根がないか知らないのだろう? なんせ赤ちゃんの頃からここに閉じ込められているんだからね」
「何が言いたいの?」ミーナがキキを見やります。
「僕たちには翼がある。どこまでだって飛んでいける翼があるんだ。いつでも飛びたてることを忘れないように屋根がないのさ。分かっているとは思うけど、飛ぶのにはとても力がいるんだ。飛ばなくていいのなら、飛ばなくなる鳥なんてたくさんいるぞ」
「そうね、ニワトリは全く飛べないし、高く飛べない鳥もいるわね」
「それに、屋根がないからって雨風をしのげないわけではないよ。枝葉があるから、雨風はそんなに当らないよ。当っても僕たちには羽があるから、この身は濡れないのさ。それとも何かい? 君の羽は張りぼてかい?」
ミーナが、少し俯いてから顔をあげて言いました。
「今日からわたしたちは同志よ。諦めて一緒に狩りをする同士になりなさい」
キキは怒りました。
「諦めてってどういうことさ。君は気がついていたんだろう、アイツが僕を従えようとしていることを」
「それは・・・」とミーナが言葉を詰まらせました。
キキが浴びせ被せるように続けます。
「ミーナは、アイツを喜ばせるために僕に黙ってたんだ。いや、協力していたんだ。僕の気を引いていたんだ」
「誤解よ。わたしそんなことしていないわ」
「でも、気がついてはいたんだろう? おんなじさ。僕はあいつには従わない。あいつはそれに気づいているよ。だから、アイツは一生僕をここから出さないだろうな。僕は死ぬまで大空を奪われてしまったんだ」
ミーナは絶句しました。キキから目を背けようとしますが出来ません。
沈黙が続きました。目を反らせずにいるミーナを、キキは睨み続けました。しばらくしてキキは、逆立てた頭の羽を納めて言いました。
「アイツの僕の可愛がりようを見たろ。家に帰ってきてからの可愛がりようを。君のことをほっぽらかしにしておいて。君が捕ったウサギの肉を僕に食わせようとしていたよ。捕った君には少ししかあげなかったのに、関係ない僕にたくさん。
もし君たちが戦友なら、あいつは、僕を捕まえて君より可愛がったりしないよ。
でもそうなった。それは、ただ獲物を捕まえる召使としてしか見ていないからだよ。僕の方が君より王者の風格があるから、アイツは僕を召使にしたいんだ。あいつはとても弱くて王者になる力がないから、僕を捕まえて王者のふりをしたいのさ」
ミーナはしょんぼりとうな垂れて、小さく「ごめんなさい」と言いました。
「でも――」とミーナが顔をあげて訴えます。「でも、鷹匠は弱くなんてないわ。わたしも弱くない。戦友なのはうそではないわ。あなたは認められたのよ。わざわざ大空になんか出なくても、ここに住んでいれば幸せよ」
「君はいつまで騙されているんだ。あいつは、君を従わせるために君を可愛がっているんだ。いや、可愛がってなんていないよ。はたから見ていると、ひどい扱いだもの。
あいつは、君から捕った獲物を奪った挙句、いつも空腹にさらして、こんな狭い鳥小屋に閉じ込めている。こんな真っ暗なところにだ。あいつの家を見ろよ。あいつの家は、煌々と明かりがともっているよ。なんだって見えるんだろうな。
それに引き替えここなんだい? かろうじて月と星の明かりでおぼろげに君が見えるけれど、もう身動きできないよ」
「いいじゃない。夜更かししなくて済むわ。野生だっておんなじでしょう?」
「おんなじなものか! 自分で作った自分のお家で静かにしているのと、無理やり閉じ込められて静かにしているのと、どこが同じだって言うのさ。こんな鳥小屋を家だと言って受け入れているなんて、どうかしてるよ」
「閉じ込められていないわ。本当よ。だからこそ、昼間は外に出してもらえているじゃない」
「狩りをさせるためだよ。今正に君が捕ったウサギは、アイツの腹の中に納まっているよ」
「犬や猫を見下ろせる止り木があって、わたしたちを食べようとする野良犬が、巣の周りをウロウロしていのに、安心して眠れる。熊だってたまにやってくるのによ。ここは天国だわ。
こんなに広いお家をもらって感謝しないほうがおかしいわ」
「君が言う広いって、何と比べて言っているのさ。さっきの話だとカラスなんだろけれど、カラスの家は小さな巣一つじゃないぞ。巣のある木が1本丸々お家なんだ。隣の木だってそうさ。どの木にだってねぐらを作れる。僕に至っては、山一つが丸々お家だったんだ。他のタカなんて寄せ付けなかった。
犬や猫を見下ろせる? 僕のお家にある巣は、鷹匠の家の屋根よりずっと高かったよ。この村にあるどの家よりも高かった。
君は認めるのが怖いんだ。君は、惨めな自分を憐れむのが怖くて、人間に認められているって思いたいんだ」
ミーナは答えられません。ミーナの脳裏は、以前カラスに言われたことを思い出していました。
ミーナは、カラスに「飼い殺しのハチクマ」とからかわれたことがあったのです。その時ミーナは言いました。「わたしはいつでもここから出られるのよ。昼間はいつも大空を飛んでいるんだから」と。
でもミーナには、ここから出ていく勇気はありませんでした。外には多くのオオタカやトビがいるのを知っています。至る所にカラスが住んでいて、その数がオオタカやトビを上回っていることも知っていました。
さすがにオオタカがカラスに負けるところは見たことがありませんでしたが、よく集団で囲まれて苦戦しているところは見ていました。トビに至ってはほとんどの場合、戦闘を回避して飛び回っているところしか見たことがありません。
トビは、猛禽類とはいえ生きた獲物を狩る鳥ではありません。一対一ならカラスなんかに負けはしないのでしょうが、彼らは死肉を主なごはんにしていましたから、オオタカやハチクマのように、カラスをごはんと思えず闘争本能が掻き立てられないのも無理からぬことです。
ですが、カラスの何回りも大きなトビが逃げ回る姿を目の当たりにしていたミーナは、口では『空の王者』と言いながらも、もし自分が野生の世界に飛び込んだらやっていけるのだろうか、と内心怖がっていました。
トビは、カラスどころか自分よりも大きいのです。確かにクチバシは小さいし、足の力も強くなさそうですが、あの体格でカラスに追い立てられてしまうのですから、カラスのことも侮れない、と思っていました。
ですがそれでは、ミーナは自分の自己肯定感を満たせません。鳥の王者たるタカである以上、自分も王者であるはずだと思いたいのです。ですので、鷹匠のもとに留まることによて、自分は強者と認められている、という幻想にすがっていたのでした。
モモタたちは、夜道をお散歩する野良ネコや演奏会を開いている虫たちに灰色のタカのことを訊きながら、方々を歩き回っていました。
その最中、キキは、ある一軒のお家のお庭にいました。
木製の格子に、金網を張り巡らせた大きな鳥小屋があって、その中に閉じ込められていたのです。
キキはしばらくの間、格子に嚙みついたりつついたり、金網をいじくったりしていましたが、陽が暮れてしまったのであきらめた様子です。止り木にとまって動きません。何か考え込んでいる様子です。いやな沈黙が続きました。
ミーナが居た堪れない雰囲気に耐えていると、ようやくキキが口を開いて、ミーナに訊きました。
「これがミーナのお家だって言うのかい?」
「・・・そうよ・・・とても広いでしょう。あなたのお家がどんなだか知らないけれど、どうせカラスと同じようなものでしょう?」
「出口がないね」
ミーナは答えられません。俯く彼女を見やって、キキが続けます。
「これは、閉じ込められているってことじゃないのか?」
「そう見えるかもしれないけれど、それは違うわ。楽してごはんを食べようとするずる賢い熊が入ってきて、わたしに襲い掛からないように、鷹匠が守ってくれているのよ。さすがのわたしも、こんなに狭いところにいては、熊の攻撃をかわしきれないからね」
キキが笑いました。
「そうだな。でも熊の話じゃないよ。ここが狭いってことが、さ。僕たち鳥のお家になぜ屋根がないか知らないのだろう? なんせ赤ちゃんの頃からここに閉じ込められているんだからね」
「何が言いたいの?」ミーナがキキを見やります。
「僕たちには翼がある。どこまでだって飛んでいける翼があるんだ。いつでも飛びたてることを忘れないように屋根がないのさ。分かっているとは思うけど、飛ぶのにはとても力がいるんだ。飛ばなくていいのなら、飛ばなくなる鳥なんてたくさんいるぞ」
「そうね、ニワトリは全く飛べないし、高く飛べない鳥もいるわね」
「それに、屋根がないからって雨風をしのげないわけではないよ。枝葉があるから、雨風はそんなに当らないよ。当っても僕たちには羽があるから、この身は濡れないのさ。それとも何かい? 君の羽は張りぼてかい?」
ミーナが、少し俯いてから顔をあげて言いました。
「今日からわたしたちは同志よ。諦めて一緒に狩りをする同士になりなさい」
キキは怒りました。
「諦めてってどういうことさ。君は気がついていたんだろう、アイツが僕を従えようとしていることを」
「それは・・・」とミーナが言葉を詰まらせました。
キキが浴びせ被せるように続けます。
「ミーナは、アイツを喜ばせるために僕に黙ってたんだ。いや、協力していたんだ。僕の気を引いていたんだ」
「誤解よ。わたしそんなことしていないわ」
「でも、気がついてはいたんだろう? おんなじさ。僕はあいつには従わない。あいつはそれに気づいているよ。だから、アイツは一生僕をここから出さないだろうな。僕は死ぬまで大空を奪われてしまったんだ」
ミーナは絶句しました。キキから目を背けようとしますが出来ません。
沈黙が続きました。目を反らせずにいるミーナを、キキは睨み続けました。しばらくしてキキは、逆立てた頭の羽を納めて言いました。
「アイツの僕の可愛がりようを見たろ。家に帰ってきてからの可愛がりようを。君のことをほっぽらかしにしておいて。君が捕ったウサギの肉を僕に食わせようとしていたよ。捕った君には少ししかあげなかったのに、関係ない僕にたくさん。
もし君たちが戦友なら、あいつは、僕を捕まえて君より可愛がったりしないよ。
でもそうなった。それは、ただ獲物を捕まえる召使としてしか見ていないからだよ。僕の方が君より王者の風格があるから、アイツは僕を召使にしたいんだ。あいつはとても弱くて王者になる力がないから、僕を捕まえて王者のふりをしたいのさ」
ミーナはしょんぼりとうな垂れて、小さく「ごめんなさい」と言いました。
「でも――」とミーナが顔をあげて訴えます。「でも、鷹匠は弱くなんてないわ。わたしも弱くない。戦友なのはうそではないわ。あなたは認められたのよ。わざわざ大空になんか出なくても、ここに住んでいれば幸せよ」
「君はいつまで騙されているんだ。あいつは、君を従わせるために君を可愛がっているんだ。いや、可愛がってなんていないよ。はたから見ていると、ひどい扱いだもの。
あいつは、君から捕った獲物を奪った挙句、いつも空腹にさらして、こんな狭い鳥小屋に閉じ込めている。こんな真っ暗なところにだ。あいつの家を見ろよ。あいつの家は、煌々と明かりがともっているよ。なんだって見えるんだろうな。
それに引き替えここなんだい? かろうじて月と星の明かりでおぼろげに君が見えるけれど、もう身動きできないよ」
「いいじゃない。夜更かししなくて済むわ。野生だっておんなじでしょう?」
「おんなじなものか! 自分で作った自分のお家で静かにしているのと、無理やり閉じ込められて静かにしているのと、どこが同じだって言うのさ。こんな鳥小屋を家だと言って受け入れているなんて、どうかしてるよ」
「閉じ込められていないわ。本当よ。だからこそ、昼間は外に出してもらえているじゃない」
「狩りをさせるためだよ。今正に君が捕ったウサギは、アイツの腹の中に納まっているよ」
「犬や猫を見下ろせる止り木があって、わたしたちを食べようとする野良犬が、巣の周りをウロウロしていのに、安心して眠れる。熊だってたまにやってくるのによ。ここは天国だわ。
こんなに広いお家をもらって感謝しないほうがおかしいわ」
「君が言う広いって、何と比べて言っているのさ。さっきの話だとカラスなんだろけれど、カラスの家は小さな巣一つじゃないぞ。巣のある木が1本丸々お家なんだ。隣の木だってそうさ。どの木にだってねぐらを作れる。僕に至っては、山一つが丸々お家だったんだ。他のタカなんて寄せ付けなかった。
犬や猫を見下ろせる? 僕のお家にある巣は、鷹匠の家の屋根よりずっと高かったよ。この村にあるどの家よりも高かった。
君は認めるのが怖いんだ。君は、惨めな自分を憐れむのが怖くて、人間に認められているって思いたいんだ」
ミーナは答えられません。ミーナの脳裏は、以前カラスに言われたことを思い出していました。
ミーナは、カラスに「飼い殺しのハチクマ」とからかわれたことがあったのです。その時ミーナは言いました。「わたしはいつでもここから出られるのよ。昼間はいつも大空を飛んでいるんだから」と。
でもミーナには、ここから出ていく勇気はありませんでした。外には多くのオオタカやトビがいるのを知っています。至る所にカラスが住んでいて、その数がオオタカやトビを上回っていることも知っていました。
さすがにオオタカがカラスに負けるところは見たことがありませんでしたが、よく集団で囲まれて苦戦しているところは見ていました。トビに至ってはほとんどの場合、戦闘を回避して飛び回っているところしか見たことがありません。
トビは、猛禽類とはいえ生きた獲物を狩る鳥ではありません。一対一ならカラスなんかに負けはしないのでしょうが、彼らは死肉を主なごはんにしていましたから、オオタカやハチクマのように、カラスをごはんと思えず闘争本能が掻き立てられないのも無理からぬことです。
ですが、カラスの何回りも大きなトビが逃げ回る姿を目の当たりにしていたミーナは、口では『空の王者』と言いながらも、もし自分が野生の世界に飛び込んだらやっていけるのだろうか、と内心怖がっていました。
トビは、カラスどころか自分よりも大きいのです。確かにクチバシは小さいし、足の力も強くなさそうですが、あの体格でカラスに追い立てられてしまうのですから、カラスのことも侮れない、と思っていました。
ですがそれでは、ミーナは自分の自己肯定感を満たせません。鳥の王者たるタカである以上、自分も王者であるはずだと思いたいのです。ですので、鷹匠のもとに留まることによて、自分は強者と認められている、という幻想にすがっていたのでした。
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