246 / 502
聞いてくれなきゃ満足できないポメラニアンの話
考えないって楽だよね
しおりを挟む
モモタは、久しぶりに町にやってきました。
塀の上を歩いていると、「きゃんきゃん」と懐かしい鳴き声が聞こえてきます。
ポメラニアンのリコちゃんが、ご主人様と元気に遊んでいました。
「あれあれ?」モモタは目を見張ります。
大きなセントバーナードの男の子が一緒です。
モモタが塀の上から見ていると、リコちゃんは走り回って、ジャンプしたり、伏せをしたりと大忙し。
でも何か変でした。
リコちゃんは、セントバーナードの周りを駆けまわって、大ジャーンプ。
セントバーナードの背からか登って、頭に前足を乗せてました。
するとセントバーナードは、リコちゃんの重みで伏せをしました。
リコちゃんが離れると、セントバーナードは身を起こします。
リコちゃんは、続いて伏せをしました。
そうして、セントバーナードの前足の肉球の下に鼻を入れると、セントバーナードの前足が上がってお手をします。
「きゃんきゃん」と鳴きながら走るリコちゃんは、セントバーナードのおしりに飛び乗りました。
すると、セントバーナードはお座りをします。
ご主人様は大喜びで、ビーフジャーキーを2匹に差し出しました。
するとリコちゃんは、激しくしっぽを振って喜んで、2本ともくわえます。
でも独り占めするわけではない様です。
リコちゃんは、自分の1本を地面に置いて、1本をくわえたまま上を向いて、大きくジャンプしました。
セントバーナードは、ちょうど自分の鼻先に上がってきたビーフジャーキーをパクッ、とくわえます。
不思議な光景でした。
ご主人様の人間とセントバーナードの男の子は、ほとんど動かないのに、リコちゃんだけが、所狭しと忙しそうに走り回っています。
でもモモタが驚いたのは、リコちゃんにではありません。セントバーナードにでした。
セントバーナードは、微動だにしないのです。
ずっと動かないままでした。
優しそうな垂れた目でリコちゃんを見やって、リコちゃんの望むようにさせてやっているようです。
セントバーナードは、自分からほとんど動かなかったので、不思議と陶器の置物のように見えました。
モモタは思いました。
「もしかして、前にリコちゃんのお家でお世話になってた時の僕って、あんな感じ?」
塀の上を歩いていると、「きゃんきゃん」と懐かしい鳴き声が聞こえてきます。
ポメラニアンのリコちゃんが、ご主人様と元気に遊んでいました。
「あれあれ?」モモタは目を見張ります。
大きなセントバーナードの男の子が一緒です。
モモタが塀の上から見ていると、リコちゃんは走り回って、ジャンプしたり、伏せをしたりと大忙し。
でも何か変でした。
リコちゃんは、セントバーナードの周りを駆けまわって、大ジャーンプ。
セントバーナードの背からか登って、頭に前足を乗せてました。
するとセントバーナードは、リコちゃんの重みで伏せをしました。
リコちゃんが離れると、セントバーナードは身を起こします。
リコちゃんは、続いて伏せをしました。
そうして、セントバーナードの前足の肉球の下に鼻を入れると、セントバーナードの前足が上がってお手をします。
「きゃんきゃん」と鳴きながら走るリコちゃんは、セントバーナードのおしりに飛び乗りました。
すると、セントバーナードはお座りをします。
ご主人様は大喜びで、ビーフジャーキーを2匹に差し出しました。
するとリコちゃんは、激しくしっぽを振って喜んで、2本ともくわえます。
でも独り占めするわけではない様です。
リコちゃんは、自分の1本を地面に置いて、1本をくわえたまま上を向いて、大きくジャンプしました。
セントバーナードは、ちょうど自分の鼻先に上がってきたビーフジャーキーをパクッ、とくわえます。
不思議な光景でした。
ご主人様の人間とセントバーナードの男の子は、ほとんど動かないのに、リコちゃんだけが、所狭しと忙しそうに走り回っています。
でもモモタが驚いたのは、リコちゃんにではありません。セントバーナードにでした。
セントバーナードは、微動だにしないのです。
ずっと動かないままでした。
優しそうな垂れた目でリコちゃんを見やって、リコちゃんの望むようにさせてやっているようです。
セントバーナードは、自分からほとんど動かなかったので、不思議と陶器の置物のように見えました。
モモタは思いました。
「もしかして、前にリコちゃんのお家でお世話になってた時の僕って、あんな感じ?」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
理想の王妃様
青空一夏
児童書・童話
公爵令嬢イライザはフィリップ第一王子とうまれたときから婚約している。
王子は幼いときから、面倒なことはイザベルにやらせていた。
王になっても、それは変わらず‥‥側妃とわがまま遊び放題!
で、そんな二人がどーなったか?
ざまぁ?ありです。
お気楽にお読みください。
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
こわがりちゃんとサイキョーくん!
またり鈴春
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞にて奨励賞受賞しました❁】
怖がりの花りんは昔から妖怪が見える
ある日「こっち向け」とエラソーな声が聞こえたから「絶対に妖怪だ!!」と思ったら、
学校で王子様と呼ばれる千景くんだった!?
「妖怪も人間も、怖いです!」
なんでもかんでも怖がり花りん
×
「妖怪は敵だ。すべて祓う」
みんなの前では王子様、
花りんの前では魔王様!!
何やら秘密を抱える千景
これは2人の人間と妖怪たちの、
ちょっと不思議なお話――✩.*˚
虹色の流れ星
藤沢なお
児童書・童話
虹色の流れ星のカケラを見つけると、
ひとつだけ願いがかなうといわれています。
「魔女ネコのマタ旅」に出てくるコたちが
登場しますが、こちらのお話だけで
完結できるようになっています。
表紙はイラストAC様よりお借りしました。
ほっこりとあたたかいお話です。
ぜひ、お立ち寄りください♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる