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俺たち最強、カウボーイハウスの仲間たちの話
チャレンジャーだけが成功を口にする
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カウボーイおじさんのお家では、犬たちは庭で放し飼いにされています。
ですから、犬たちは自由に外に出る事が出来ました。
庭の外に出られるといっても、熊や猪など強い獣がいますから、樹海の奥には行けません。
ですが、ウサギやイタチを追いかけたりしながら、みんな自主練に励んでいます。
お庭でお昼寝していた八太が、帰って来た三太に気が付いて、その姿を見やしました。
「あいつ、またネズミ捕って来たのか。
小さなネズミとはいえ、毎日ネズミを捕ってくるなんて、すごいな。
なかなかすばしっこいヤツだ」
三太はわき目もふらずにログハウスの入り口まで行ってネズミをバルコニーに置き、ドアをカリカリと引っ掻きます。
その音に気が付いたカウボーイおじさんが出てきて、サンタを見やると、「なんだ、お前。またネズミを捕って来たのか」と言って、頭を撫でてやります。
そうしてネズミを拾ったカウボーイおじさんは、ドアを閉めると、「ほら、モモタ、大好物のネズミだぞ」と言って、モモタのごはん皿にネズミを置きました。
ネズミは大好きですが、駆けっこしてからじゃないとあまり食べたいと思いません。モモタは興味がわきませんでした。
カウボーイおじさんはため息をつきました。
「あいつ、毎日毎日ネズミなんかとってきて、ウサギとかを捕ってはこれんのか。
もしモモタがいなかったら、ゴミ箱がネズミでいっぱいだぞ」
そう言いながら、木のパイプをふかします。そして続けます。
「九太を見習ってくれんかな。
爪の垢でも煎じて飲ませてみるか」
それを聞いたモモタは、そう言えば今日は、朝から九太を見ていない、と思いました。
モモタが棚に乗って窓からお庭を見やると、ひい、ふう、みい・・・、1匹たりません。
やっぱり九太はいませんでした。
まだ明るいのですが、もうしばらくすれば、空はオレンジ色に変わるでしょう。
モモタは心配になってきました。
モモタは、探しに行こうと「にゃあにゃあ」鳴いて、カウボーイおじさんにすり寄ります。
「おお、よしよし。お前も九太が心配なのか?
大丈夫だ。少し遅くなってはいるが、アイツはちゃんと戻ってくる」
そう言いながらも、皮ジャンを着てブーツを履いて、猟銃を片手に外に出ます。
ちょうどその時、犬たちが騒ぎ出しました。
モモタとカウボーイおじさんが、みんなが見ている方を見やると、九太が小ぶりのイノシシを一生懸命引きずりながら戻って来るではありませんか。
カウボーイおじさんは、「おお、やったぞ、イノシシだ」と喜んで、悠々歩いて九太のもとに行きました。
尻尾を一生懸命ふって、右に行ったり左に行ったり、飛びつこうとしたり、やめてみたり、ジャンプの姿勢を見せたりしながら、ご主人様が褒めてくれるのを今か今か、と待ち望みます。
「おー、よしよしよし」
カウボーイおじさんは、膝をついて九太の全身を激しく撫でまわして、褒めてやります。九太は、ピョンピョン跳ねながら、ご主人様の顔を衣裳懸命なめました。
モモタは、その光景を見ていて微笑ましいと思っていると、隣にお座りした一太が言いました。
「ネズミばかり毎日取ってくる三太への褒め方と大違いだな。
月に1回でも猪を捕ってくるなんて、誰でもできるわけじゃないよ。一対一だもんな」
毎日と言っても、どんな猟犬でも捕って来られるネズミなら、どの種類の猟犬を飼っていても変わりません。
モモタでも捕って来られるでしょう。
でも、イノシシは大きいですから、どの種類の猟犬でも一対一で戦うのは躊躇してしまいます。
だから、猪を狩ることのできる勇敢な九太は、とても重宝されました。
ですから、犬たちは自由に外に出る事が出来ました。
庭の外に出られるといっても、熊や猪など強い獣がいますから、樹海の奥には行けません。
ですが、ウサギやイタチを追いかけたりしながら、みんな自主練に励んでいます。
お庭でお昼寝していた八太が、帰って来た三太に気が付いて、その姿を見やしました。
「あいつ、またネズミ捕って来たのか。
小さなネズミとはいえ、毎日ネズミを捕ってくるなんて、すごいな。
なかなかすばしっこいヤツだ」
三太はわき目もふらずにログハウスの入り口まで行ってネズミをバルコニーに置き、ドアをカリカリと引っ掻きます。
その音に気が付いたカウボーイおじさんが出てきて、サンタを見やると、「なんだ、お前。またネズミを捕って来たのか」と言って、頭を撫でてやります。
そうしてネズミを拾ったカウボーイおじさんは、ドアを閉めると、「ほら、モモタ、大好物のネズミだぞ」と言って、モモタのごはん皿にネズミを置きました。
ネズミは大好きですが、駆けっこしてからじゃないとあまり食べたいと思いません。モモタは興味がわきませんでした。
カウボーイおじさんはため息をつきました。
「あいつ、毎日毎日ネズミなんかとってきて、ウサギとかを捕ってはこれんのか。
もしモモタがいなかったら、ゴミ箱がネズミでいっぱいだぞ」
そう言いながら、木のパイプをふかします。そして続けます。
「九太を見習ってくれんかな。
爪の垢でも煎じて飲ませてみるか」
それを聞いたモモタは、そう言えば今日は、朝から九太を見ていない、と思いました。
モモタが棚に乗って窓からお庭を見やると、ひい、ふう、みい・・・、1匹たりません。
やっぱり九太はいませんでした。
まだ明るいのですが、もうしばらくすれば、空はオレンジ色に変わるでしょう。
モモタは心配になってきました。
モモタは、探しに行こうと「にゃあにゃあ」鳴いて、カウボーイおじさんにすり寄ります。
「おお、よしよし。お前も九太が心配なのか?
大丈夫だ。少し遅くなってはいるが、アイツはちゃんと戻ってくる」
そう言いながらも、皮ジャンを着てブーツを履いて、猟銃を片手に外に出ます。
ちょうどその時、犬たちが騒ぎ出しました。
モモタとカウボーイおじさんが、みんなが見ている方を見やると、九太が小ぶりのイノシシを一生懸命引きずりながら戻って来るではありませんか。
カウボーイおじさんは、「おお、やったぞ、イノシシだ」と喜んで、悠々歩いて九太のもとに行きました。
尻尾を一生懸命ふって、右に行ったり左に行ったり、飛びつこうとしたり、やめてみたり、ジャンプの姿勢を見せたりしながら、ご主人様が褒めてくれるのを今か今か、と待ち望みます。
「おー、よしよしよし」
カウボーイおじさんは、膝をついて九太の全身を激しく撫でまわして、褒めてやります。九太は、ピョンピョン跳ねながら、ご主人様の顔を衣裳懸命なめました。
モモタは、その光景を見ていて微笑ましいと思っていると、隣にお座りした一太が言いました。
「ネズミばかり毎日取ってくる三太への褒め方と大違いだな。
月に1回でも猪を捕ってくるなんて、誰でもできるわけじゃないよ。一対一だもんな」
毎日と言っても、どんな猟犬でも捕って来られるネズミなら、どの種類の猟犬を飼っていても変わりません。
モモタでも捕って来られるでしょう。
でも、イノシシは大きいですから、どの種類の猟犬でも一対一で戦うのは躊躇してしまいます。
だから、猪を狩ることのできる勇敢な九太は、とても重宝されました。
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