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心配性の足長蜂の話
多すぎず、少なすぎずがちょうどいい
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「大変だー、大変だー」
またまた足長蜂が慌てています。今度は何でしょう?
「蜂蜜が無用の長物になってしまうぞー」
それを聞いた蜜蜂たちは、キョトンとしています。
「なんで?」ある蜜蜂が訊きました。
「すごい話を聞いたんだ」
いつもと違って足長蜂は、とても息を切らしていました。
本当に慌ててきたようです。
足長蜂は話しを続けました。
「なんでも、メープルや、キシリトール、水あめ、黒蜜なんてものがあるらしいんだ。
甘いのは蜂蜜だけじゃないだよ。
他にも砂糖大根や甘草なんかもあるらしいぞ。
蜜ばかり集めていないで、蜜蜂たちもそういうの集めないと、生きていけないよ」
蜜蜂たちにとっては、別におとどく話ではありません。
そんなものがあることは、とっくの昔に知っていました。
「水あめと黒蜜なんてありふれているよ。
誰も興味ない。お砂糖と同じさ。
メープルとキリシトールは超貴重だけれど、この辺りじゃ集まらない。
だから、誰も欲しいって思わないさ」
ふだん花の蜜しかとらない蜜蜂なのに、とてもお勉強しているようです。
モモタは、そんなことも知っているんだぁ、と感心しました。
そう言われても納得いかない足長蜂は、言いました。
「他の樹液なんかを集める虫がたくさん来たらどうするのさ?
カブトムシやクワガタとか、とても強いよ。
花の蜜と違って樹液はたくさんあるんだから、すぐにいっぱい集まるぞ。蜜蜂で先に集めちゃわないと」
「たくさんあっても美味しくないよ。
そんなもの集めても意味ないよ。
蜂蜜はたくさんあるわけではないけれど、色は綺麗だし、そこそこ手に入る。だからいいんだよ。
蜜は天下の回りもの。みんなが欲しがるご馳走なのさ」
モモタは思いました。
(そう言えば、人間のお友だちもみんな蜂蜜が大好きんだなぁ。
蜂蜜をパンに塗ったり、ホットケーキに塗ったりするけれど、お砂糖を塗ったりはしないもんね)
この森を自由に飛び回ることが出来るのは、蜜蜂が蜜蜂と呼ばれる所以があるからです。
でも、そういえば不思議です。
足長蜂さんは蜜をなめないのに、なんで蜂蜜の心配をしているのでしょう。
またまた足長蜂が慌てています。今度は何でしょう?
「蜂蜜が無用の長物になってしまうぞー」
それを聞いた蜜蜂たちは、キョトンとしています。
「なんで?」ある蜜蜂が訊きました。
「すごい話を聞いたんだ」
いつもと違って足長蜂は、とても息を切らしていました。
本当に慌ててきたようです。
足長蜂は話しを続けました。
「なんでも、メープルや、キシリトール、水あめ、黒蜜なんてものがあるらしいんだ。
甘いのは蜂蜜だけじゃないだよ。
他にも砂糖大根や甘草なんかもあるらしいぞ。
蜜ばかり集めていないで、蜜蜂たちもそういうの集めないと、生きていけないよ」
蜜蜂たちにとっては、別におとどく話ではありません。
そんなものがあることは、とっくの昔に知っていました。
「水あめと黒蜜なんてありふれているよ。
誰も興味ない。お砂糖と同じさ。
メープルとキリシトールは超貴重だけれど、この辺りじゃ集まらない。
だから、誰も欲しいって思わないさ」
ふだん花の蜜しかとらない蜜蜂なのに、とてもお勉強しているようです。
モモタは、そんなことも知っているんだぁ、と感心しました。
そう言われても納得いかない足長蜂は、言いました。
「他の樹液なんかを集める虫がたくさん来たらどうするのさ?
カブトムシやクワガタとか、とても強いよ。
花の蜜と違って樹液はたくさんあるんだから、すぐにいっぱい集まるぞ。蜜蜂で先に集めちゃわないと」
「たくさんあっても美味しくないよ。
そんなもの集めても意味ないよ。
蜂蜜はたくさんあるわけではないけれど、色は綺麗だし、そこそこ手に入る。だからいいんだよ。
蜜は天下の回りもの。みんなが欲しがるご馳走なのさ」
モモタは思いました。
(そう言えば、人間のお友だちもみんな蜂蜜が大好きんだなぁ。
蜂蜜をパンに塗ったり、ホットケーキに塗ったりするけれど、お砂糖を塗ったりはしないもんね)
この森を自由に飛び回ることが出来るのは、蜜蜂が蜜蜂と呼ばれる所以があるからです。
でも、そういえば不思議です。
足長蜂さんは蜜をなめないのに、なんで蜂蜜の心配をしているのでしょう。
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