267 / 502
怖いもの知らずな日本猿の話
見下す姿勢が成長を止める
しおりを挟む
猿たちは、毎日毎日畑を荒らしにやってきます。
おじいちゃんは、自分達が食べるためにお野菜を作っているのに、サルたちに食べられてばかりでは、自分達の食べる分がなくなってしまうと思って、サルたちを追い返す策を考えました。
モモタが見ている前で、たくさんのロケット花火を用意しています。そして、畑の数か所に柱を立てて、センサーを取り付けました。
もし猿がやってきたら、センサーが作動して、ロケット花火が発射される仕組みです。
おじいちゃんは妙案が思いついたと思って、自分で自分を褒めています。
ひゅるるるるぅぅ~・・・パーン!!
猿たちがびっくりして逃げていくのをお部屋の中から見ていたおじいちゃんは、とても大喜びです。
ですが、しばらくすると、音になれたサルたちは、大きな音を立てて空ではじけるロケット花火に目もくれず、パクパクむしゃむしゃ、お野菜を食べるようになりました。
おじいちゃんに「こらー!!」と追いかけられて茂みに入った猿たちは、叫びます。
「バカにんげーん、お尻ペンペン、真っ赤だペン」
おじいちゃんはカンカンになって、今度は畑をトゲトゲの針金の柵で囲いました。
モモタがお鼻でトゲトゲを触ってみると、とっても痛い。これなら猿たちも来れないだろうな、と思いました。
そうとは知らずにやって来た猿たちは、柵を登ろうとしてチクッ!
「痛い!」
チクチクッ
「痛痛ぁい!」
みんなびっくりして、柵には登らなくなりました。それをお家の中で見ていたおじいちゃんは、「ようし、やったっ」と手をたたいて喜びました。
ですが、猿たちが柵の外でウロウロしていたのは、初めだけ。トゲとトゲの間に手足を引っ掛けて、悠々上って中に入るようになりました。
でも、いちいちトゲを気にして上り下りしていたら、「こらー!」と追いかけてくるおじいちゃんに捕まるだろうな、とモモタは思いました。
ですがそうはなりません。どうしてだろう? とモモタが見に行くと、柵の下に穴を掘ってあって、トンネルが出来ていたのです。
これなら、追い詰められても猿たちは捕まらずに逃げられます。
「もう、許さねえぞ」と怒り心頭のおじいちゃんは、今度はトゲトゲのない柵を立てて、柵の下にコンクリートを流しました。
猿たちは笑いました。
「なんだ、こんなの。トゲがあった前の方が、まだましじゃないか」
ですが今度は、さすがのサルも度肝を抜かれました。
ビリビリビリビリ
雷がほとばしって、猿の骨が透けたり透けなかったりして、真っ黒こげ。煙を吹かしながらやぶの中に逃げていきます。
人間とお猿の知恵比べ、やっぱり人間が勝ちましたとさ。
おじいちゃんは、自分達が食べるためにお野菜を作っているのに、サルたちに食べられてばかりでは、自分達の食べる分がなくなってしまうと思って、サルたちを追い返す策を考えました。
モモタが見ている前で、たくさんのロケット花火を用意しています。そして、畑の数か所に柱を立てて、センサーを取り付けました。
もし猿がやってきたら、センサーが作動して、ロケット花火が発射される仕組みです。
おじいちゃんは妙案が思いついたと思って、自分で自分を褒めています。
ひゅるるるるぅぅ~・・・パーン!!
猿たちがびっくりして逃げていくのをお部屋の中から見ていたおじいちゃんは、とても大喜びです。
ですが、しばらくすると、音になれたサルたちは、大きな音を立てて空ではじけるロケット花火に目もくれず、パクパクむしゃむしゃ、お野菜を食べるようになりました。
おじいちゃんに「こらー!!」と追いかけられて茂みに入った猿たちは、叫びます。
「バカにんげーん、お尻ペンペン、真っ赤だペン」
おじいちゃんはカンカンになって、今度は畑をトゲトゲの針金の柵で囲いました。
モモタがお鼻でトゲトゲを触ってみると、とっても痛い。これなら猿たちも来れないだろうな、と思いました。
そうとは知らずにやって来た猿たちは、柵を登ろうとしてチクッ!
「痛い!」
チクチクッ
「痛痛ぁい!」
みんなびっくりして、柵には登らなくなりました。それをお家の中で見ていたおじいちゃんは、「ようし、やったっ」と手をたたいて喜びました。
ですが、猿たちが柵の外でウロウロしていたのは、初めだけ。トゲとトゲの間に手足を引っ掛けて、悠々上って中に入るようになりました。
でも、いちいちトゲを気にして上り下りしていたら、「こらー!」と追いかけてくるおじいちゃんに捕まるだろうな、とモモタは思いました。
ですがそうはなりません。どうしてだろう? とモモタが見に行くと、柵の下に穴を掘ってあって、トンネルが出来ていたのです。
これなら、追い詰められても猿たちは捕まらずに逃げられます。
「もう、許さねえぞ」と怒り心頭のおじいちゃんは、今度はトゲトゲのない柵を立てて、柵の下にコンクリートを流しました。
猿たちは笑いました。
「なんだ、こんなの。トゲがあった前の方が、まだましじゃないか」
ですが今度は、さすがのサルも度肝を抜かれました。
ビリビリビリビリ
雷がほとばしって、猿の骨が透けたり透けなかったりして、真っ黒こげ。煙を吹かしながらやぶの中に逃げていきます。
人間とお猿の知恵比べ、やっぱり人間が勝ちましたとさ。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
守護霊のお仕事なんて出来ません!
柚月しずく
児童書・童話
事故に遭ってしまった未蘭が目が覚めると……そこは死後の世界だった。
死後の世界には「死亡予定者リスト」が存在するらしい。未蘭はリストに名前がなく「不法侵入者」と責められてしまう。
そんな未蘭を救ってくれたのは、白いスーツを着た少年。柊だった。
助けてもらいホッとしていた未蘭だったが、ある選択を迫られる。
・守護霊代行の仕事を手伝うか。
・死亡手続きを進められるか。
究極の選択を迫られた未蘭。
守護霊代行の仕事を引き受けることに。
人には視えない存在「守護霊代行」の任務を、なんとかこなしていたが……。
「視えないはずなのに、どうして私のことがわかるの?」
話しかけてくる男の子が現れて――⁉︎
ちょっと不思議で、信じられないような。だけど心温まるお話。
川の者への土産
関シラズ
児童書・童話
須川の河童・京助はある日の見回り中に、川木拾いの小僧である正蔵と出会う。
正蔵は「川の者への土産」と叫びながら、須川へ何かを流す。
川を汚そうとしていると思った京助は、正蔵を始末することを決めるが……
*
群馬県の中之条町にあった旧六合村(クニムラ)をモチーフに構想した物語です。
かわいそうの国
よぶ
児童書・童話
短い童話です
世の中にはたくさんの不公平があります
だけれど、幸せの形はひとつじゃないと思います
もちろん、不幸なことがたくさんあるかもしれませんが、世界には苦しいことだけじゃないと思います
そんな気持ちでこの話を書いてみました
花束は咲良先生に(保育士)
未来教育花恋堂
児童書・童話
新米保育士の奮闘記です。子ども理解を大切にし、先輩保育士と対立しながらも子どもの成長を願って自分なりの考えを確立していきます。恋の行方が気になる内容となっています。
夜八時、おばけだぞー
神崎翼
児童書・童話
我が家に現れる、夜八時のかわいいおばけの話。
手直し前初出 ツイッター/20200229
この作品は「pixiv/note/小説家になろう/カクヨム」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる