182 / 502
牧場で出会ったお友達
言ってほしいことのその先は
しおりを挟む
毎日毎日、羊のなっちは、地平線まで牧草で覆われた大地を見ていました。
遠くの葉っぱはとても美味しそうです。ですから、もっと広い範囲の葉っぱの整えたいと思っていました。
しかし、今が限界です。周りは別の羊のグループいますし、その向こうにはヤギや馬が駆けていて、葉っぱは整っていたからです。
「ねえ、みんな、こんなことで良いのかなぁ。
私たちたくさんいるし、とても綺麗に葉っぱと整えられるのに、こんな狭いところで満足していいのかなぁ」
「満足はしてないさ。
もともと、ここには牛と羊しかいなかったんだ。
初めは、地平線の彼方まで、僕たちが草を整えてたんだから」
多くの羊は知らんぷりでしたが、一部の羊は、真剣になっちの話を聞きました。
「きっと、ご飯をなまけながら食べてるからよ。
動かずに同じ場所でばかり食べてるから、ヤギに取られたのよ。
それに、朝起きてから、ボケッとし過ぎよ、シャンとして働かないと。
あと、みんなバラバラな食べてるでしょ?それだと、整っているところをまた整えしゃうから、効率悪すぎだわ」
なっちは、そう言って新しいルールを決めていきます。共感した羊と共に巡回して、みんなに訴えかけました。
とても速く広く牧草を整えていたので、なっちちゃんのやっていることは正しいとみんな思いました。成果が出るのも楽しいです。
その内、なっちたちは、別の羊のグループにも声をかけて、一緒に葉っぱを整えよう、と呼びかけました。なっちたちの整えた葉っぱはとても綺麗だったので、すぐに多くの羊が仲間に加わりました。
中には、言うことをきかない羊がいましたが、なっちたちはイジワルしました。
なっちたちの目が届かない羊に対しては、別の羊たちがイジワルをして、それを自慢します。中には、なっちたちに告げ口する羊も出てきました。
ついには半分以上の羊がなっちたちにイヤイヤ従いましたが、イヤイヤ従った羊も、従った後は率先して、従わない羊をイジワルしました。
なっちは言いました。
「私たちは、ヤギや馬よりもうまく葉っぱを整えられるのよ。
だから、いま整えている広さでは足りないわ。
みんなで、ヤギのところに行って、葉っぱを整えてあげましょう。
だって、私たちがいれば、ヤギたちは必要ないからね」
みんなは、そうだそうだ、と声をあげました。
モモタは、なっちに言いました。
「そんなこと、するなんてよくないよ。
ヤギだって、牧場のお友達じゃない」
なっちは言いました。
「私たちとは違うもの。
葉っぱを食べる動物は、綺麗に早く広く食べられる羊だけで十分よ。
それに、ヤギは暖かい毛も生えていないのよ」
「ヤギは美味しいミルクが出るじゃない。
僕には色々なお友達がいるけど、みんなそれぞれ得意なことが違うんだ。
みんなが違う特技を持っているから、とても楽しいんだよ」
結局なっちは聞きませんでした。
ヤギや馬たちの迷惑を知った牧場主は、いろいろ手を打ちましたが、一向にやめません。結局、なっちが原因だったと牧場主が気が付くまで、ヤギへのイジメは続きました。
仕方がないので、牧場主は、なっちを叱りました。すると、それを見た羊たちが言いました。
「私たち、イヤイヤだったのよ。
なっちがやれって言うから、仕方なくやっていたのよ」
「そうだよ、僕たちは何も悪くない。
そうしなければ、僕たちがイジメられてしまうもんね」
モモタには、みんなが率先してやっていた様に見えていたので、なっちに責任を押し付けているように見えてなりません。
普段1匹で過ごすモモタには、とても怖い光景に映りました。
遠くの葉っぱはとても美味しそうです。ですから、もっと広い範囲の葉っぱの整えたいと思っていました。
しかし、今が限界です。周りは別の羊のグループいますし、その向こうにはヤギや馬が駆けていて、葉っぱは整っていたからです。
「ねえ、みんな、こんなことで良いのかなぁ。
私たちたくさんいるし、とても綺麗に葉っぱと整えられるのに、こんな狭いところで満足していいのかなぁ」
「満足はしてないさ。
もともと、ここには牛と羊しかいなかったんだ。
初めは、地平線の彼方まで、僕たちが草を整えてたんだから」
多くの羊は知らんぷりでしたが、一部の羊は、真剣になっちの話を聞きました。
「きっと、ご飯をなまけながら食べてるからよ。
動かずに同じ場所でばかり食べてるから、ヤギに取られたのよ。
それに、朝起きてから、ボケッとし過ぎよ、シャンとして働かないと。
あと、みんなバラバラな食べてるでしょ?それだと、整っているところをまた整えしゃうから、効率悪すぎだわ」
なっちは、そう言って新しいルールを決めていきます。共感した羊と共に巡回して、みんなに訴えかけました。
とても速く広く牧草を整えていたので、なっちちゃんのやっていることは正しいとみんな思いました。成果が出るのも楽しいです。
その内、なっちたちは、別の羊のグループにも声をかけて、一緒に葉っぱを整えよう、と呼びかけました。なっちたちの整えた葉っぱはとても綺麗だったので、すぐに多くの羊が仲間に加わりました。
中には、言うことをきかない羊がいましたが、なっちたちはイジワルしました。
なっちたちの目が届かない羊に対しては、別の羊たちがイジワルをして、それを自慢します。中には、なっちたちに告げ口する羊も出てきました。
ついには半分以上の羊がなっちたちにイヤイヤ従いましたが、イヤイヤ従った羊も、従った後は率先して、従わない羊をイジワルしました。
なっちは言いました。
「私たちは、ヤギや馬よりもうまく葉っぱを整えられるのよ。
だから、いま整えている広さでは足りないわ。
みんなで、ヤギのところに行って、葉っぱを整えてあげましょう。
だって、私たちがいれば、ヤギたちは必要ないからね」
みんなは、そうだそうだ、と声をあげました。
モモタは、なっちに言いました。
「そんなこと、するなんてよくないよ。
ヤギだって、牧場のお友達じゃない」
なっちは言いました。
「私たちとは違うもの。
葉っぱを食べる動物は、綺麗に早く広く食べられる羊だけで十分よ。
それに、ヤギは暖かい毛も生えていないのよ」
「ヤギは美味しいミルクが出るじゃない。
僕には色々なお友達がいるけど、みんなそれぞれ得意なことが違うんだ。
みんなが違う特技を持っているから、とても楽しいんだよ」
結局なっちは聞きませんでした。
ヤギや馬たちの迷惑を知った牧場主は、いろいろ手を打ちましたが、一向にやめません。結局、なっちが原因だったと牧場主が気が付くまで、ヤギへのイジメは続きました。
仕方がないので、牧場主は、なっちを叱りました。すると、それを見た羊たちが言いました。
「私たち、イヤイヤだったのよ。
なっちがやれって言うから、仕方なくやっていたのよ」
「そうだよ、僕たちは何も悪くない。
そうしなければ、僕たちがイジメられてしまうもんね」
モモタには、みんなが率先してやっていた様に見えていたので、なっちに責任を押し付けているように見えてなりません。
普段1匹で過ごすモモタには、とても怖い光景に映りました。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
理想の王妃様
青空一夏
児童書・童話
公爵令嬢イライザはフィリップ第一王子とうまれたときから婚約している。
王子は幼いときから、面倒なことはイザベルにやらせていた。
王になっても、それは変わらず‥‥側妃とわがまま遊び放題!
で、そんな二人がどーなったか?
ざまぁ?ありです。
お気楽にお読みください。
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
DRAGGY!-ドラギィ!- 【一時完結】
Sirocos(シロコス)
児童書・童話
〈次章の連載開始は、来年の春頃を想定しております! m(_ _"m)〉
●第2回きずな児童書大賞エントリー
【竜のような、犬のような……誰も知らないフシギ生物。それがドラギィ!
人間界に住む少年レンは、ある日、空から落ちてきたドラギィの「フラップ」と出会います。
フラップの望みは、ドラギィとしての修行を果たし、いつの日か空島『スカイランド』へ帰ること。
同じく空から降ってきた、天真らんまんなドラギィのフリーナにも出会えました!
新しい仲間も続々登場! 白ネズミの天才博士しろさん、かわいいものが大好きな本田ユカに加えて、
レンの親友の市原ジュンに浜田タク、なんだか嫌味なライバル的存在の小野寺ヨシ――
さて、レンとドラギィたちの不思議な暮らしは、これからどうなっていくのか!?】
(不定期更新になります。ご了承くださいませ)
お弁当ミュージカル
燦一郎
児童書・童話
学校の行事で六年生の「ぼく」は一年生のユウトとペアで遠足にでかける。
ぼくはお弁当を作ってくれる人がいないのでコンビニ弁当。
ユウトはおかずの種類が豊富な豪華な弁当。
ユウトの前でコンビニ弁当を開きたくなくて、お腹が痛いといって寝てしまう。
夢の中で見たのはお弁当ミュージカル。
弁当の惣菜が歌をうたったり、踊ったりする。
ぼくはそのミュージカルを見て、お弁当への感謝の気持ちを持つ。
♪ぼくの母さん生きている
ぼくが優しい気持ちを持ったとき
そこに母さんいるんだよ
お店の弁当に優しさを
ユウトの弁当に優しさを
ぼくは心に 誓います♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる