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自分で自分を認められない白鳥の話
大きければ良いわけじゃないね
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台風が去った翌朝、牧場の家族が住んでいるお家の近くで、白鳥のお母さんが1羽死んでいました。
そのかたわらには、お母さんをしたって泣くヒナがいます。
かわいそうに思ったモモタは、人間を呼んできてあげました。
人のお母さんと女の子がやって来て、白鳥を見るやいなや、ヒナをジャンパーで包んで、小屋の中に連れて行きます。
モモタが見に行くと、雨風をしのげるお部屋と、ヒナがパクパクするとご飯が出てくるストローが用意されて、至れり尽くせりです。
「良かったね、茶色い大きな鳥の赤ちゃん」
モモタは窓辺に座って、そう言いうつもりでしたが、人間の女の子は、モモタがヒナを食べてしまうのではないかと思って、近寄らせてくれません。
しばらくしてモモタは思いました。
「どうしたんだろう?あのヒナほっぽらかされてるよ。
何でかまってあげないんだろう?」
そばで聞いていた、豚のブッコちゃんが言いました。
「今は、牛や馬の出産ラッシュだからね、忙しいのよ。
そう言う私ももうすぐママになるのよ」
何だかかわいそうに思ったモモタに、ブッコちゃんは続けて言いました。
「お部屋もあってご飯もあるんだから、健やかに育つでしょうよ」
「そうだね、お家から遠くだったら、気が付いてもらえずに死んでたかもしれないもんね」
モモタは、そう言って、遊びに行きました。
牧場が忙しいという理由もありましたが、動物好きの家族は、それが理由で構わなかったわけでではありません。
実は、野生の白鳥が人間になれて、もとの生活に戻れなくなるのを心配したのです。
季節が変わって、保護された白鳥が成長して、牧場を出歩く様になりました。
「こんにちは、白鳥さん、僕のこと覚えてる?」
モモタは話しかけましたが、白鳥は知らんぷりです。
「もうこんなに大きくなったんだね。
僕よりもとても大きいや」
めげずに話しかけますが、やっぱり白鳥は知らんぷりです。
それどころか、近づいたモモタを大きなくちばしを使って、つついてきました。
「痛い!痛い!何てことするの?」
モモタは逃げますが、白鳥は追いかけてきて、お尻に嚙みつきます。
それを見ていたアヒルが寄ってきて、言いました。
「あの子には、あまり近づかない方が良いよ。
喋れないし、暴力するし、誰とも仲良くしようとしないんだ」
お母さんがいない同士でも、モグラとは大違いだなぁ、と思うモモタでした。
そのかたわらには、お母さんをしたって泣くヒナがいます。
かわいそうに思ったモモタは、人間を呼んできてあげました。
人のお母さんと女の子がやって来て、白鳥を見るやいなや、ヒナをジャンパーで包んで、小屋の中に連れて行きます。
モモタが見に行くと、雨風をしのげるお部屋と、ヒナがパクパクするとご飯が出てくるストローが用意されて、至れり尽くせりです。
「良かったね、茶色い大きな鳥の赤ちゃん」
モモタは窓辺に座って、そう言いうつもりでしたが、人間の女の子は、モモタがヒナを食べてしまうのではないかと思って、近寄らせてくれません。
しばらくしてモモタは思いました。
「どうしたんだろう?あのヒナほっぽらかされてるよ。
何でかまってあげないんだろう?」
そばで聞いていた、豚のブッコちゃんが言いました。
「今は、牛や馬の出産ラッシュだからね、忙しいのよ。
そう言う私ももうすぐママになるのよ」
何だかかわいそうに思ったモモタに、ブッコちゃんは続けて言いました。
「お部屋もあってご飯もあるんだから、健やかに育つでしょうよ」
「そうだね、お家から遠くだったら、気が付いてもらえずに死んでたかもしれないもんね」
モモタは、そう言って、遊びに行きました。
牧場が忙しいという理由もありましたが、動物好きの家族は、それが理由で構わなかったわけでではありません。
実は、野生の白鳥が人間になれて、もとの生活に戻れなくなるのを心配したのです。
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「こんにちは、白鳥さん、僕のこと覚えてる?」
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「もうこんなに大きくなったんだね。
僕よりもとても大きいや」
めげずに話しかけますが、やっぱり白鳥は知らんぷりです。
それどころか、近づいたモモタを大きなくちばしを使って、つついてきました。
「痛い!痛い!何てことするの?」
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