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魔法を使う蝶々の話
ちょっとした優しさが、みんなを幸せにする
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雨が上がったばかりのお庭に、女の子の泣き声が聞こえています。どうしたのかと思ったモモタは、外に出てみました。
「シクシク、シクシク、どうしましょう。
羽が濡れて、飛べなくなってしまったわ」
1匹の紋白蝶が泣いています。
「どうしたの?」
「あのね、お花の上で喉を潤そうと思ったら、雨露に足を滑らせて、水溜りにチャプンとしちゃったの」
見ると、綺麗な羽が汚れて台無しです。泥が重くて、動けない様子でした。
「おいで、僕の鼻につかまるんだ。
そよ風が気持ちの良い所で乾かしてあげる」
そう言うと、モモタは紋白蝶を鼻に乗せて、落とさないように優しく屋根に上りました。
雲の切れ間からさす光は温かで、すぐに乾いていきます。
「ありがとう、モモちゃん。
またお空を飛べるようになれたわ」
紋白蝶は、そう言っておでこにチューをしてくれました。可愛い蝶々のキスに、モモタは赤くなりました。
女の子が乾いた土を落として飛び立とうとした時、モモタは1つのお願いをしてみました。
「蝶々さん、あのね、僕のご主人様に好きな女の子がいるんだ。
今度その子が遊びに来るんだけど、ちょっとの間だけ、その子のリボンになってくれないかな。
と言うのもね、その子は大のリボン好きで、お洋服にもポーチにも髪にもおリボンをつけているんだ。
君みたいな可愛い蝶々がリボンになてくれたら、とても良い思い出が出来ると思うんだ」
蝶々は、快く引き受けてくれました。
次の日曜日に遊びに来た女の子は、パステルカラーのワンピース。白い蝶々がとても似合いそうです。
モモタはにゃあにゃあ鳴いて、女の子を庭に面した窓に誘います。モモタを撫でに来た女の子の瞳に妖精が映ったのと同時に、蝶々は可愛い魔法をかけてくれました。
女の子は、ソロリソロリと鏡を見に行ってニッコリです。佑ちゃんママが写真を撮ってくれたので、女の子は大喜び。
「蝶々さん、ありがとー」
笑顔の魔法は、1日続きました。
「シクシク、シクシク、どうしましょう。
羽が濡れて、飛べなくなってしまったわ」
1匹の紋白蝶が泣いています。
「どうしたの?」
「あのね、お花の上で喉を潤そうと思ったら、雨露に足を滑らせて、水溜りにチャプンとしちゃったの」
見ると、綺麗な羽が汚れて台無しです。泥が重くて、動けない様子でした。
「おいで、僕の鼻につかまるんだ。
そよ風が気持ちの良い所で乾かしてあげる」
そう言うと、モモタは紋白蝶を鼻に乗せて、落とさないように優しく屋根に上りました。
雲の切れ間からさす光は温かで、すぐに乾いていきます。
「ありがとう、モモちゃん。
またお空を飛べるようになれたわ」
紋白蝶は、そう言っておでこにチューをしてくれました。可愛い蝶々のキスに、モモタは赤くなりました。
女の子が乾いた土を落として飛び立とうとした時、モモタは1つのお願いをしてみました。
「蝶々さん、あのね、僕のご主人様に好きな女の子がいるんだ。
今度その子が遊びに来るんだけど、ちょっとの間だけ、その子のリボンになってくれないかな。
と言うのもね、その子は大のリボン好きで、お洋服にもポーチにも髪にもおリボンをつけているんだ。
君みたいな可愛い蝶々がリボンになてくれたら、とても良い思い出が出来ると思うんだ」
蝶々は、快く引き受けてくれました。
次の日曜日に遊びに来た女の子は、パステルカラーのワンピース。白い蝶々がとても似合いそうです。
モモタはにゃあにゃあ鳴いて、女の子を庭に面した窓に誘います。モモタを撫でに来た女の子の瞳に妖精が映ったのと同時に、蝶々は可愛い魔法をかけてくれました。
女の子は、ソロリソロリと鏡を見に行ってニッコリです。佑ちゃんママが写真を撮ってくれたので、女の子は大喜び。
「蝶々さん、ありがとー」
笑顔の魔法は、1日続きました。
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