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お家で出会ったお友達の話
嫌いな事の中にも、ためになる事があるんだぜ
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今日、佑ちゃんは、お友達とハゼ釣りに行ったそうです。キッチンには良い匂いがしていましたので、モモタはニャーニャー鳴きました。
「祐ちゃん、そのお魚1匹ちょーだいな」
何度も何度もすり寄ります。
「ダメだよ、モモタ。
今、包丁を使っているんだから」
モモタはお行儀よくお座りして、おねだりを続けます。
「お魚沢山あるんでしょう?僕も食べるの手伝ってあげるよ」
シャワワワワーという音が聞こえてきました。
「天ぷらでも良いよ、でも猫舌だから、冷めたのにしてね」
ふと声が聞こえてきます。行ってみると、ノラの子でした。
「良い匂いがするね、僕にも1匹分けておくれよ」
「んー、そうしてあげたいのは山山だけど、僕ももらえていないんだ」
「そうか、じゃあ、ここで待たせておくれ」
「良いけど、1匹しかもらえなかったら、頭とお腹しか上げられないよ」
ノラちゃんはビックリして、言いました。
「何だって?頭とお腹をくれるのかい!?一番いいところを両方とも!?本当に良いのかい!!?」
「いいよ、だって頭は固いし、お腹は苦いんだもの」
すると、ノラちゃんは教えてくれました。
「君はまだ子供なんだな、大人の味っていうヤツさ。
身も美味しいけど、一番おいしいのはお腹だよ。
栄養が詰まっているんだ。
ほら見てごらん、この力こぶ」
後ろ足の筋肉は大きくて、モモタより高く跳べそうです。
「頭だってそうさ、頬のお肉は締まっていて、身よりもうま味があるんだ」
「だから、そんなに強そうなんだね」
感心するモモタを見て、ノラちゃんは得意げです。
「そうさ、好き嫌いしないで、何でもよく食べなきゃ、僕みたいに強くなれないぞ」
約束通り、頭とお腹を分けてあげました。
「ああ美味しかった、ご馳走様」
そう言って、ひょいっと高い塀に一っ跳び。モモタは一跳ねで塀に登れないので、ビックリしました。
「今度からは、好き嫌いしないで、何でも食べよーと」
そう誓うモモタでした。
「祐ちゃん、そのお魚1匹ちょーだいな」
何度も何度もすり寄ります。
「ダメだよ、モモタ。
今、包丁を使っているんだから」
モモタはお行儀よくお座りして、おねだりを続けます。
「お魚沢山あるんでしょう?僕も食べるの手伝ってあげるよ」
シャワワワワーという音が聞こえてきました。
「天ぷらでも良いよ、でも猫舌だから、冷めたのにしてね」
ふと声が聞こえてきます。行ってみると、ノラの子でした。
「良い匂いがするね、僕にも1匹分けておくれよ」
「んー、そうしてあげたいのは山山だけど、僕ももらえていないんだ」
「そうか、じゃあ、ここで待たせておくれ」
「良いけど、1匹しかもらえなかったら、頭とお腹しか上げられないよ」
ノラちゃんはビックリして、言いました。
「何だって?頭とお腹をくれるのかい!?一番いいところを両方とも!?本当に良いのかい!!?」
「いいよ、だって頭は固いし、お腹は苦いんだもの」
すると、ノラちゃんは教えてくれました。
「君はまだ子供なんだな、大人の味っていうヤツさ。
身も美味しいけど、一番おいしいのはお腹だよ。
栄養が詰まっているんだ。
ほら見てごらん、この力こぶ」
後ろ足の筋肉は大きくて、モモタより高く跳べそうです。
「頭だってそうさ、頬のお肉は締まっていて、身よりもうま味があるんだ」
「だから、そんなに強そうなんだね」
感心するモモタを見て、ノラちゃんは得意げです。
「そうさ、好き嫌いしないで、何でもよく食べなきゃ、僕みたいに強くなれないぞ」
約束通り、頭とお腹を分けてあげました。
「ああ美味しかった、ご馳走様」
そう言って、ひょいっと高い塀に一っ跳び。モモタは一跳ねで塀に登れないので、ビックリしました。
「今度からは、好き嫌いしないで、何でも食べよーと」
そう誓うモモタでした。
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