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近所で出会ったお友達の話
好きな事と嫌いな事は、自分で選べば良いのにね
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「君達は、そんなに狭いところにいて、毎日退屈したりしないの?
水から出られないなんて、つまらないでしょう?」
金魚鉢の中の金魚を横から覗き込み、モモタが聞きました。
「つまらないだって? あの猫、おかしなことをいっているよ」
1匹の赤金魚が言うと、黒金魚は言いました。
「ここはすごく快適さ。
ここはすごく暖かいし、空気も澄んでいて、1度入ったら出られやしないよ。
どうだい? 君も入ってごらんよ」
「僕は良いよ。
こっちの方が広いからね」
モモタが断ると、黒金魚は不思議なことを言いました。
「そんなに広くてどうするんだい?
君に必要なのは、寝る所と食べる所と、遊ぶ所だろう?
水槽の外にいればどこにだっていけるだろうけど、どこへかしこへ行くわけでもあるまいし」
確かに、いつものお散歩コース以外行きません。世界はどこまでもひろがっているというのに。
「それに、外は暑かったり寒いじゃないか。
それに比べて、ここは快適さ、1年中暖かいんだ」
黒金魚が自慢気に言うものだから、モモタは少し羨ましくなりました。
「そうなんだ、外は寒いよ、もうすぐ雪が降りそうなんだ」
「雪? 雪ってなんなの?」
赤金魚が聞くので、教えてあげました。
「雪を知らないの? 白くて冷たくて、空から降ってくるんだよ」
赤金魚も黒金魚も、わからない様子です。
「まあ良いさ、僕たちは幸せに生活いているから、心配いらないよ。
もうすぐご飯の時間だしね」
「ご飯て、この粒々のことでしょ?毎日食べてて飽きないの?」
「飽きるも何も、僕たちはこれしか食べないのさ」
モモタはビックリして、聞きました。
「他に何も食べないの? 何もないの?」
赤金魚は自慢気に答えます。
「食べ物は沢山あるわ、毎日お腹いっぱい食べているよ。
私達は、猫みたく色々な家に行かなくったって、ご主人様から、余るほどご飯をいただいているのよ」
「僕は今日は缶詰を食べたよ、柔らかくて美味しかったな。
昨日はカリカリ固いキャットフード、コクがあって美味しいんだ。
猫まんまって、知ってるかな?温かくて、幸せな気持ちになるんだよ」
金魚達は、味や食感が沢山ある事が分かりません。
帰り道で、モモタは思いました。
「知らないからこそ幸せなのかな?」
モモタは、知っている事の幸せを知っていました。
「どんなに快適でも、自由が無いのは嫌だなぁ。
だって、楽しい事や美味しい食べ物を知りもしないで、幸せだなんて、おかしいよ」
でもモモタは、金魚達から学んだこともありました。
「今度、知らない道に行ってみよう。
もしかしたら、楽しいことがあるかもしれない」
そう言って、佑ちゃん家に帰って行きました。
水から出られないなんて、つまらないでしょう?」
金魚鉢の中の金魚を横から覗き込み、モモタが聞きました。
「つまらないだって? あの猫、おかしなことをいっているよ」
1匹の赤金魚が言うと、黒金魚は言いました。
「ここはすごく快適さ。
ここはすごく暖かいし、空気も澄んでいて、1度入ったら出られやしないよ。
どうだい? 君も入ってごらんよ」
「僕は良いよ。
こっちの方が広いからね」
モモタが断ると、黒金魚は不思議なことを言いました。
「そんなに広くてどうするんだい?
君に必要なのは、寝る所と食べる所と、遊ぶ所だろう?
水槽の外にいればどこにだっていけるだろうけど、どこへかしこへ行くわけでもあるまいし」
確かに、いつものお散歩コース以外行きません。世界はどこまでもひろがっているというのに。
「それに、外は暑かったり寒いじゃないか。
それに比べて、ここは快適さ、1年中暖かいんだ」
黒金魚が自慢気に言うものだから、モモタは少し羨ましくなりました。
「そうなんだ、外は寒いよ、もうすぐ雪が降りそうなんだ」
「雪? 雪ってなんなの?」
赤金魚が聞くので、教えてあげました。
「雪を知らないの? 白くて冷たくて、空から降ってくるんだよ」
赤金魚も黒金魚も、わからない様子です。
「まあ良いさ、僕たちは幸せに生活いているから、心配いらないよ。
もうすぐご飯の時間だしね」
「ご飯て、この粒々のことでしょ?毎日食べてて飽きないの?」
「飽きるも何も、僕たちはこれしか食べないのさ」
モモタはビックリして、聞きました。
「他に何も食べないの? 何もないの?」
赤金魚は自慢気に答えます。
「食べ物は沢山あるわ、毎日お腹いっぱい食べているよ。
私達は、猫みたく色々な家に行かなくったって、ご主人様から、余るほどご飯をいただいているのよ」
「僕は今日は缶詰を食べたよ、柔らかくて美味しかったな。
昨日はカリカリ固いキャットフード、コクがあって美味しいんだ。
猫まんまって、知ってるかな?温かくて、幸せな気持ちになるんだよ」
金魚達は、味や食感が沢山ある事が分かりません。
帰り道で、モモタは思いました。
「知らないからこそ幸せなのかな?」
モモタは、知っている事の幸せを知っていました。
「どんなに快適でも、自由が無いのは嫌だなぁ。
だって、楽しい事や美味しい食べ物を知りもしないで、幸せだなんて、おかしいよ」
でもモモタは、金魚達から学んだこともありました。
「今度、知らない道に行ってみよう。
もしかしたら、楽しいことがあるかもしれない」
そう言って、佑ちゃん家に帰って行きました。
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