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援軍登場
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大きな満月をバックに登場したのは、シルヴァであった。
「迎えに来ましたよ、私の可愛い花嫁ミリィ・グランディア」
「あ、あんたシルヴァ? 生きてたの?」
「愛し合っているが故に、地獄の底から甦ってきたのです」
そう言えば、シルヴァは古代の高位の死霊使いのはず。それを思い出したミリィは、敬語になおす。
「シルヴァ様ってアンデットでしたよね? こんなに魔力が濃い中で、悪魔側についちゃったりしないんですか?」
「シルヴァ様だなんて、照れちゃって。ご遠慮なく、ア・ナ・タ♡ でどーぞ」
「悍ましーわ!! 誰が呼ぶか!!」
バコッ!!!
こぶし大の石を投げつけてやった。
「こっちにつくなら、さっさとアイツを絞めてこんか!!」
サラが慌てふためく。
「ミリィさん、落ち着いてください、この方、人類の英雄なんですから」
「敬語で喋って損したわ」
ゾワゾワ悪寒が走るミリィをしり目に、ラングはシルヴァを訝しげに見る。
「あの何でも溶かす古代の水に落とされたのに、良く生きていたな? 本当に魔力にあてられていないのか?」
「古代の水? ああ、硫酸のことか、あれは私のお風呂なのだよ」
「お風呂!!?」(一同)
「あれに浸かると何でも溶けるから、身の汚れも全て落ちるんだ、表面の皮や肉ごと」
溶ける速度より再生スピードの方が速いから、問題ないらしい。
ミリィが詰め寄る。
「じゃあ、何でズメホスの復活を座視していたのよ。阻止するのがあんたの仕事じゃない」
古代の英雄として扱わない。ミリィはそう心に誓っていた。
「封印を守るために不死になったのは良かったのだが、誰も来ないものだから血が吸えなくて、お腹が空いてお腹が空いて、魔力が底をついていたのです、わはははははは」
それで200年間眠りこけていた、と言う。
「バカじゃないの? ここら辺にはバカしかいないのかしら」
「本当ですね」とサラ。
(あなたも含むよ・・・)
相づちを打つサラに、ミリィは心でつぶやいた。
「でも、これで大きく戦力が増強されたわ、まだ倒せる望みはあるわね」
「その通りです、我がかわゆい花嫁さん。早々にアヤツを倒して、結婚式を挙げましょう」
「挙げるかボケ!!」
ミリィは、拾ってきた鉄の剣の切っ先を、シルヴァの頭に刺してやった。ピュ~と黒い血が噴き出る。
「ミリィさん、結構ヒドイことしますね」サラか微妙にひく。
「大丈夫よ、不死だから」
「そうですとも、サラ嬢、私の妻はSMがお好きなのですよ」
ホントにコイツ、古代の英雄だろうか、と疑問を抱く面々であった。
「迎えに来ましたよ、私の可愛い花嫁ミリィ・グランディア」
「あ、あんたシルヴァ? 生きてたの?」
「愛し合っているが故に、地獄の底から甦ってきたのです」
そう言えば、シルヴァは古代の高位の死霊使いのはず。それを思い出したミリィは、敬語になおす。
「シルヴァ様ってアンデットでしたよね? こんなに魔力が濃い中で、悪魔側についちゃったりしないんですか?」
「シルヴァ様だなんて、照れちゃって。ご遠慮なく、ア・ナ・タ♡ でどーぞ」
「悍ましーわ!! 誰が呼ぶか!!」
バコッ!!!
こぶし大の石を投げつけてやった。
「こっちにつくなら、さっさとアイツを絞めてこんか!!」
サラが慌てふためく。
「ミリィさん、落ち着いてください、この方、人類の英雄なんですから」
「敬語で喋って損したわ」
ゾワゾワ悪寒が走るミリィをしり目に、ラングはシルヴァを訝しげに見る。
「あの何でも溶かす古代の水に落とされたのに、良く生きていたな? 本当に魔力にあてられていないのか?」
「古代の水? ああ、硫酸のことか、あれは私のお風呂なのだよ」
「お風呂!!?」(一同)
「あれに浸かると何でも溶けるから、身の汚れも全て落ちるんだ、表面の皮や肉ごと」
溶ける速度より再生スピードの方が速いから、問題ないらしい。
ミリィが詰め寄る。
「じゃあ、何でズメホスの復活を座視していたのよ。阻止するのがあんたの仕事じゃない」
古代の英雄として扱わない。ミリィはそう心に誓っていた。
「封印を守るために不死になったのは良かったのだが、誰も来ないものだから血が吸えなくて、お腹が空いてお腹が空いて、魔力が底をついていたのです、わはははははは」
それで200年間眠りこけていた、と言う。
「バカじゃないの? ここら辺にはバカしかいないのかしら」
「本当ですね」とサラ。
(あなたも含むよ・・・)
相づちを打つサラに、ミリィは心でつぶやいた。
「でも、これで大きく戦力が増強されたわ、まだ倒せる望みはあるわね」
「その通りです、我がかわゆい花嫁さん。早々にアヤツを倒して、結婚式を挙げましょう」
「挙げるかボケ!!」
ミリィは、拾ってきた鉄の剣の切っ先を、シルヴァの頭に刺してやった。ピュ~と黒い血が噴き出る。
「ミリィさん、結構ヒドイことしますね」サラか微妙にひく。
「大丈夫よ、不死だから」
「そうですとも、サラ嬢、私の妻はSMがお好きなのですよ」
ホントにコイツ、古代の英雄だろうか、と疑問を抱く面々であった。
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