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闇の者
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足取りが重い。こんなに長かっただろうかと思うほど、地底湖まで距離があるように感じた。
無言に耐えきれず、サラが口を開いた。
「天人や現人神の魔族版だったらどうしますぅ~?」
すると、洞窟全体に男の声が響き渡った。
「天使や悪魔といっしょにしてもらっては困りますね~、お嬢さん」
地底湖が青緑に光り輝き、大きな洞窟を端から端まで照らしだした。
見ると、地底湖の手前には、白い肌を露出し、二重になった黒いマントを羽織った男が悠然と立っていた。腰に見たこともないタイプの剣をぶら下げ、鋭い牙と爪を光らしている。
「ヴァンパイア・・・」
しぼりだすように、ラングは言葉を吐いた。
「そのとおぉり!! わが名はシルヴァ!! 貴方たちの血は、私が美味しく頂いて上げよう」
「げぇ~・・・、俺は嫌だな~」とラング。
「誰が男のなんか飲むか!! 女のだけだ!!!」
「おなじデミヒューマン同士、仲良くいきましょうよ。出口はどこですか?」
サラは、笑顔で訊いた。
「左の突き当たりに隠し扉があるぞ」
「それじゃあ、そういうことで――」
ドサクサにまぎれて帰ろうとしたミリィたちの前に霧のようにシルヴァが現れ、道を遮る。
「200年もの間眠りについていたのだ。血を吸うまでは帰さん!!」
「倒すしかなさそうね・・・」とミリィ。
「できるならな」
シルヴァは、黄色く光る目が隠れるほど長い髪をなびかせ、自信に満ちた笑みを浮かべる。
『サイコマグナム』
ドゴッドゴッドゴッ
「効かんわ! そんなの!!」
「ストリーキングのくせして強いじゃない!!」
「上半身裸なのは、俺のポリシーだ」
「露出狂ってことでしょ?」
「余計ひどいわっっ!」と怒ったシルヴァは、一気に魔力を発しって力強く構えた。
「・・・? バフォメットか・・・、魔神ともあろうものが、老いぼれエルフに封じ込められるなんて・・・、情けないことだ」
「ジィさんを知っているのか・・・?」
シルヴァは剣を抜き、ウォーロックに飛び掛った。
お互いに引けを取ることなく、剣と剣が弾けあう音が木霊する。はっきり言って、3人は取り残されていると分かるほど、レベルの高い戦いだった。
無言に耐えきれず、サラが口を開いた。
「天人や現人神の魔族版だったらどうしますぅ~?」
すると、洞窟全体に男の声が響き渡った。
「天使や悪魔といっしょにしてもらっては困りますね~、お嬢さん」
地底湖が青緑に光り輝き、大きな洞窟を端から端まで照らしだした。
見ると、地底湖の手前には、白い肌を露出し、二重になった黒いマントを羽織った男が悠然と立っていた。腰に見たこともないタイプの剣をぶら下げ、鋭い牙と爪を光らしている。
「ヴァンパイア・・・」
しぼりだすように、ラングは言葉を吐いた。
「そのとおぉり!! わが名はシルヴァ!! 貴方たちの血は、私が美味しく頂いて上げよう」
「げぇ~・・・、俺は嫌だな~」とラング。
「誰が男のなんか飲むか!! 女のだけだ!!!」
「おなじデミヒューマン同士、仲良くいきましょうよ。出口はどこですか?」
サラは、笑顔で訊いた。
「左の突き当たりに隠し扉があるぞ」
「それじゃあ、そういうことで――」
ドサクサにまぎれて帰ろうとしたミリィたちの前に霧のようにシルヴァが現れ、道を遮る。
「200年もの間眠りについていたのだ。血を吸うまでは帰さん!!」
「倒すしかなさそうね・・・」とミリィ。
「できるならな」
シルヴァは、黄色く光る目が隠れるほど長い髪をなびかせ、自信に満ちた笑みを浮かべる。
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ドゴッドゴッドゴッ
「効かんわ! そんなの!!」
「ストリーキングのくせして強いじゃない!!」
「上半身裸なのは、俺のポリシーだ」
「露出狂ってことでしょ?」
「余計ひどいわっっ!」と怒ったシルヴァは、一気に魔力を発しって力強く構えた。
「・・・? バフォメットか・・・、魔神ともあろうものが、老いぼれエルフに封じ込められるなんて・・・、情けないことだ」
「ジィさんを知っているのか・・・?」
シルヴァは剣を抜き、ウォーロックに飛び掛った。
お互いに引けを取ることなく、剣と剣が弾けあう音が木霊する。はっきり言って、3人は取り残されていると分かるほど、レベルの高い戦いだった。
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