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二年生の一学期
🌸
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春樹が呆れた様子で、道路の向こうへと渡った奈緒に声をかけてくる。
「今来たばかりで帰るってなに言ってんだよ。しかも三店はしごって、なにしに来たの?」
「おばあちゃんちー」
「じゃあ速攻行こうぜ」
「え~、カフェ飲んでく」
やって来たみんなの前でいやいやをしてから、後ろ髪を引っ張られたように後方を見やった奈緒に対して、務が甘やかすような笑みを浮かべた。
「お茶くらいならいいんじゃない?」
奈緒が微笑み返す。
「ケーキあるよ」
甘いときめきの味を薄めるように、春樹が口を挟む。
「なんで分かるんだよ」
「なんとなく」奈緒が憮然と答える。
「変なアンテナばかり高いな」
言葉でつつきあう二人をなだめようと、困り顔の杏奈が一歩足を踏み出す。
「まあまあ、楽しみはとっておいたらどうかしら。ケーキとかパンとかは、帰りにしましょう。新幹線の時間は午後なんだし」
「それもそうだね。やったね、たのしみだっ ね 」
奈緒が上半身を振り子のように揺らして返す言葉を聞いて、南が口を開く。
「それじゃあ、行こっか」
「ううん、コーヒーは飲んでく」
奈緒はそう言って、ガラス張りのドアを開けて中に入った。
小休憩をはさんで再び外へと出ると、春樹が店内での会話の流れを汲んで話し続ける。
「関東と言ってもあとちょっとで福島県との県境を跨ぐからな。そしたらもう東北だろ。でもあれだ、東京で桜楽しんで、こっちでも桜見れるなんて、ラッキーだったな」
「今来たばかりで帰るってなに言ってんだよ。しかも三店はしごって、なにしに来たの?」
「おばあちゃんちー」
「じゃあ速攻行こうぜ」
「え~、カフェ飲んでく」
やって来たみんなの前でいやいやをしてから、後ろ髪を引っ張られたように後方を見やった奈緒に対して、務が甘やかすような笑みを浮かべた。
「お茶くらいならいいんじゃない?」
奈緒が微笑み返す。
「ケーキあるよ」
甘いときめきの味を薄めるように、春樹が口を挟む。
「なんで分かるんだよ」
「なんとなく」奈緒が憮然と答える。
「変なアンテナばかり高いな」
言葉でつつきあう二人をなだめようと、困り顔の杏奈が一歩足を踏み出す。
「まあまあ、楽しみはとっておいたらどうかしら。ケーキとかパンとかは、帰りにしましょう。新幹線の時間は午後なんだし」
「それもそうだね。やったね、たのしみだっ ね 」
奈緒が上半身を振り子のように揺らして返す言葉を聞いて、南が口を開く。
「それじゃあ、行こっか」
「ううん、コーヒーは飲んでく」
奈緒はそう言って、ガラス張りのドアを開けて中に入った。
小休憩をはさんで再び外へと出ると、春樹が店内での会話の流れを汲んで話し続ける。
「関東と言ってもあとちょっとで福島県との県境を跨ぐからな。そしたらもう東北だろ。でもあれだ、東京で桜楽しんで、こっちでも桜見れるなんて、ラッキーだったな」
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