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一年生の三学期
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「つまりは、本当に荏原対品川の最強対決ってことか」南が唸って、「そりゃ因縁対決になるよね。しかも毎年恒例じゃさ」。
心愛が付け加えた。
「でも、ひだまりが勝ち越しみたいよ。今年は高木君もいるし、さらに勝ち数が開くって期待されているんだって」
南が更に訊く。
「不動ってどんなチームなの?」
「ドリブルで攻め込むのが得意なイケイケどんどんなチーム。あたりが強いからファール取られることも多いけど、おとなしいチームの目から見ると喧嘩越しに映るみたいで委縮しちゃうらしいよ。体力があってバテないから、後半になって本領が発揮される感じかも」
「ひだまりはどうなの?」杏奈が、二人越しに心愛をのぞく。
「パス回しが中心で、高木君が3ポイント決めていくのが今のセオリー。それより以前は見たことないけど、パス回してゴール下でシュートを放つオーソドックスなスタイルだったって聞いた」
南が意外そうな顔を心愛に向ける。
「当たり障りがないというか、特色がないっていうか、それでよく荏原最強でいられたね」
「基本がしっかりしているって証拠。対戦相手次第でムラが出たり苦手が出たりしないのがいいの。逆に個人プレーが際立つ不動は、選手の相性で極端に弱くなる時があるって女子マネ[女子バスケ部のマネージャー]の先輩が言ってた。だから、パス回しで翻弄されて、うちに負け越しているんだって。しかも今年は春樹君がいてロングレンジで大砲撃っていくでしょ。だから全勝かもって豪語してたよ。今後は高木君主体でチームが組まれて、作戦が練られるかもしれないね」と、嬉しそうに語った。
思わず誰もが「へぇ~」と感心しながら、終始和やかなお昼休憩が続いたのち、全員がごはんを食べ終えたのを見た奈緒が、待っていましたとばかりに声を弾ませた。
「し あ いが 始まる前に、デザートを 買いに行こう、おー」
南はしどろもどろして渋ったが、杏奈と心愛は大変乗り気だ。少しの間押し問答があったが多数決で三対一となると、多勢に無勢の南を、奈緒たちはなし崩し的に連れ去った。席を確保しておくために置いた、パンやおにぎりの丸めた包み紙と空っぽのペットボトルだけを残して。
心愛が付け加えた。
「でも、ひだまりが勝ち越しみたいよ。今年は高木君もいるし、さらに勝ち数が開くって期待されているんだって」
南が更に訊く。
「不動ってどんなチームなの?」
「ドリブルで攻め込むのが得意なイケイケどんどんなチーム。あたりが強いからファール取られることも多いけど、おとなしいチームの目から見ると喧嘩越しに映るみたいで委縮しちゃうらしいよ。体力があってバテないから、後半になって本領が発揮される感じかも」
「ひだまりはどうなの?」杏奈が、二人越しに心愛をのぞく。
「パス回しが中心で、高木君が3ポイント決めていくのが今のセオリー。それより以前は見たことないけど、パス回してゴール下でシュートを放つオーソドックスなスタイルだったって聞いた」
南が意外そうな顔を心愛に向ける。
「当たり障りがないというか、特色がないっていうか、それでよく荏原最強でいられたね」
「基本がしっかりしているって証拠。対戦相手次第でムラが出たり苦手が出たりしないのがいいの。逆に個人プレーが際立つ不動は、選手の相性で極端に弱くなる時があるって女子マネ[女子バスケ部のマネージャー]の先輩が言ってた。だから、パス回しで翻弄されて、うちに負け越しているんだって。しかも今年は春樹君がいてロングレンジで大砲撃っていくでしょ。だから全勝かもって豪語してたよ。今後は高木君主体でチームが組まれて、作戦が練られるかもしれないね」と、嬉しそうに語った。
思わず誰もが「へぇ~」と感心しながら、終始和やかなお昼休憩が続いたのち、全員がごはんを食べ終えたのを見た奈緒が、待っていましたとばかりに声を弾ませた。
「し あ いが 始まる前に、デザートを 買いに行こう、おー」
南はしどろもどろして渋ったが、杏奈と心愛は大変乗り気だ。少しの間押し問答があったが多数決で三対一となると、多勢に無勢の南を、奈緒たちはなし崩し的に連れ去った。席を確保しておくために置いた、パンやおにぎりの丸めた包み紙と空っぽのペットボトルだけを残して。
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