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一年生の三学期
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「中学の時すごく荒れていて、完全にグレてたんだ。お母さんはわたしのせいで死んだんだって思い詰めてたし、中三に進級する頃には、お父さんも家でお酒浴びるようにしていたし。もう自分なんて生きる価値ないって思いこんでて、なんでも悪いことした。そのまま身を滅ぼしてしまえって。でもある時、捕まっちゃってさ。今日みたいに警察に拘留されてたんだけど、お父さん来てくれなくて児相[児童相談所]に入れられちゃった。その時わたし気づいた。ああ、わたし捨てられたんだなって。当然だよ、わたしのせいでお母さん死なせちゃったんだから。わたしももう死にたいって思った。一か月くらい経ってからおばあちゃんが面会に来てくれたんだけど、その時、うちに来て一緒に暮らさないかって言われた。そうじゃないと、どこかの寮がある施設に入れられるらしいって聞かされたんだけど、もうその時のわたしはどうにでもなればいいんだって、なにもかも諦めていたから、遠くの施設に行きたいって言ったの。それでもやっぱりお父さんに会いたかった。結局三カ月間児相にいて、出発する日、お父さんはやっぱり来てくれなかったけれど電話させてもらって、おうちで一緒に暮らしたいですって泣きながら言った。そうしたら一言、好きにすればいいって言ってくれて、逃げた。まあすぐにつかまったけどね。でも家には帰れた。お父さんはなにも言わないけど、出られたことを電話でおばあちゃんにお礼したら、わたしはなんにもしてないですよって言ってたから、たぶんお父さんが全部手続きしてくれたんだと思う。そうじゃなかったら、あのうちに戻れなかっただろうし」
春樹が、南の家のほうを振り返る。
「まあ、おばあちゃんが手続したなら、帰るとこは、おばあちゃんちになるはずだもんな。それじゃなきゃ、保護者として認めらんねぇだろ。あくまでお父さんが保護者やるって言ってくれたんだ」
春樹が、南の家のほうを振り返る。
「まあ、おばあちゃんが手続したなら、帰るとこは、おばあちゃんちになるはずだもんな。それじゃなきゃ、保護者として認めらんねぇだろ。あくまでお父さんが保護者やるって言ってくれたんだ」
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