FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の三学期

🍭

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 杏奈が答える。
「うん、成瀬さんは純粋無垢なところがあるから、気をつけましょうね」
「はいっ」
 春樹が笑う。
「騙されるな。いつか丸め込まれて部長にさせられるぞ」
「部長?」[杏奈&務]
「しっ!!」
 奈緒がけん制すると、瞬時に春樹押し黙る。
 唸る犬のような鋭い眼光を発したこの子の表情を見落とした務が口を開く。
「先生に引き取りに来てもらおうか」
 その提案に、杏奈が難色を示した。
「でも学校にばれるのはまずくない? 真犯人ならいつかは伝わるんだろうけど、もし無実なら、ただ変な疑惑を持たれるだけじゃないかしら。わたしたちに疑念が降りかかるのもよくないし」
「それこそ、大学進学や選挙に影響するよな。俺も部活あるし。やらしい考えで言ってるんじゃないぞ、人生かかってるし。それに杏奈の親は、なにかあった時の頼みの綱だから。政治家は大切にしないと」春樹が言い添える。
 立ち止まって一瞬考えこんだ務が、再び歩みだしてみんなに言った。
「もう一度署に行こう。それで小沢さんへの面会を試みてみる」
 すると、杏奈が追従した。
「うん。もしかしたらもう解決しているかもしれないし。そうじゃなくても、わたしたちの気持ちを伝えよう」
 みんなの背中を見送ってから最後尾についた奈緒が、一歩一歩歩みながら声を出す。
「いいね、いいね。わたしたち、おとも だちで。し あ わ せ も の」
 誰もが感じていたことなのだろう。四人は思いを一つにしたかのように微笑みあった。

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