FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

第五十一話 ウィップスの評価

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 体育館で予定されていた全てのプログラムが終了すると、すぐにアナウンスに導かれて出演クラスが順々に舞台上に戻ってお辞儀をした。最初の出番だった奈緒が早々に挨拶を終えて外に出て、ねぎらいの言葉をかけてきた制服姿の杏奈と話していると、しばらくして南、務、春樹がやって来た。見ると、半分以上の生徒が制服である中、南と春樹は私服だった。
 駆け寄ってきたスカジャン女子が口を開く。
「奈緒―、ダンスよかったよ~。ブレイクダンスのイメージ変わった。なかなか面白かった。最後のは歌詞がおもしろくてウケたし」
 何かを言おうにも言葉が出ない様子で南の手を取る奈緒の横で、杏奈が口をぽつりと言った。
「ああいうダンスも出来るんだね、普段はあんなじゃないのに」
「そうなの?」南が訊く。
「うん、三人とも筋金入りのBガールだから。ナナなんてパワームーブ主体のダイナミックなスタイルだし、男子でも出来ないようなフリーズコンボにも挑む本格派なのよ。フィジカルもしっかりしていて、体つきだって引けとらないもの。普通8か16ビートで刻むけど、今日は2ビートと4ビート。振りもほとんどロックダンス。ブレイクダンスは、成瀬さんの周りを回っていく時のツイストやイーグルくらいだったかも。あとは、ドラムとロックをコミカルにきめてスクービードゥたくさんして、キックウォークとベビーシッター織り交ぜて、あとシェイクして。ほとんどアイソレーション。手はポップしてた。ポップなんてしたことないのに」
 春樹が首を傾げる。
「ジャンルの違い分かんねーけど。ていうか、ブレイクダンスって言うやつととブレイキンって呼ぶやつがいてこんがらがる」
「正式にはブレイキンなのかな、たぶん」杏奈が考え込む。「初めはB‐ Boyingって呼ばれていた節もあるし。わたしもよく知らないの。でも映画の邦題がブレイクダンスだったから、それで広まったらしいって聞いたかな。オリンピックの正式種目に決まってから、急にブレイキンって言われるようになった気がする。有名な大阪のレジェンド的お笑いダンサーも言い方変わったらしいし」
「ウィップスは、ブレイキンって言わないよな」
「うん。あえてそうしている感じ。天邪鬼っていうか、我が道を行くっていうか。人に合わせたくないんじゃないかしら。あくまで、ストリートでレコードかけて、DJが間奏と間奏繋げたブレイクビーツで踊るのが夢みたい」
「古きよきアメリカって感じ?」
「いやー、ひどい時代だったと思うよ。ギャングが跋扈して無法地帯。でもナナたちは、古きよきってイメージにどっぷりつかっているのかも」

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