FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

🐿️

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「なんだ、やっぱり先生のせいじゃん」南が言葉尻をかち割った。
「いや、先生の言うことも分かるよ。右目が見えないんだから、右端の方がいいでしょ。左目で左全体を見れた方がいいでしょ」
「別にそんなことない」
 奈緒がなんの気なしに否定した。
「そうなの?」南が訊く。
「うん。右端だったらよくないと思うけど、別にここら辺まで見えるから」
 そう言いながら奈緒は右目の前に手刀を立てて、左目の視界の端を示す。
「結構見えてんじゃん」南が感心した。「それじゃあ真ん中の一番後ろの席でも問題なさそう。視力はどう?」
「うん。2.0」
 二人はぎょっとした。
「先生、気の使い過ぎ」
 南がつっこんでから、春樹に言った。
「奈緒には落ち度ないんだからさ、深谷たちにちゃんと言ってやめさせてよ。なんか高木って、なんだかんだで最後は深谷の肩持っちゃっうんだから」
「いや、うまくかわされるんだよ。ほら、暖乃ってあれじゃん」
「なに?」南が考える。
 春樹は、少しモジモジしながら言いよどむ。
「いやぁ、男子は玉砕だろ」
「なんで?」
「だって暖乃、胸。これ見よがしに見せつけてくんじゃん。丸顔でちょっとぽっちゃりした感じだけど、そんなでもないだろ。あれ、胸、大きいからそう見えるだけで、本人もそれ分かってて武器にしてるんだよな。妙に距離近いし、体温伝わるっつーか、無意味に揺らしてくるじゃん。風が伝わるんだよ、身、フリフリしたりしてさ。あれ、ちょっとほんと強烈」
 顔が違和感があるほどに紅潮していく。思い出しデレデレなのか、にやけないように必死にこらえているのが丸わかり。
「きてないよ。ダウンでリズムとってるだけでしょ?」南はそう言って、鼻から眉間に力を入れて皺を寄せ「ったく、これだから男子は」と呆れた。
「面目ない」春樹が下を向く。
「やらしい、へんたい。こ の  ふ ら ち も の」奈緒が最後に一太刀浴びせて突き刺してとどめを刺した。








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