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29 どんな犠牲を払おうとも、守り抜かねばならない者と共にいると誓うのならば
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灰色の雲の切れ間から、恐ろしげな金色の目玉が覗いています。膨張する雲がバラに襲い掛かります。それは雲ではありませんでした。汚染された瘴気です。人間なら、肌に触れただけで即死してしまうほどの毒気を帯びていました。回転しながら飛翔するバラは、神気で瘴気を吹き飛ばします。
その中から現れたのは、どす黒い鱗に覆われた黒竜でした。人間界では伝説の生き物です。力が強すぎて、長期間人間界に存在することが出来ないので、幻として語りがれてきた存在でした。
竜の他にも、一角獣やセイレーンなど、人間界にやってきた精霊や悪魔を通して聞いた話や、霊気の強い人間によって目撃された話が伝えられています。
花の主神もそうです。人間界には存在しない花でした。
黒竜は、おこぼれに与ろうとついてくる無数のメガトロンを従えています。ときおり開く口からは、色のついたバラの香りが尾を引いていました。バラはすぐさま察しました。あの悪魔達が、消えた騎士達の仇だと。
巨体であるにもかかわらず、恐ろしく速く泳ぐあの悪魔は、騎士達を色香で唆した踊り子の女の子の本性でした。
吼え叫ぶ様な断末魔をあげるバラは、より一層猛々しく炎を燃やしました。灼熱の火炎のほうき星と化したバラに、悪魔どもはねちっこくまとわりついていることが出来ず、焼かれて炭となって砕け、落ちていきます。
甦ったばかりのバラには、満足な神気はありません。太く長い大量のイバラを幾百本も生やし振るい巻いてうねらせ、結界を後から後から形成させていきますが、隙間が多すぎて、結界内には暴風が吹き荒れています。
何十年も戦い続けるバラの懐の中で、スズとハルは吹き飛ばされまいと、次々と生まれては枯れ朽ちるイバラの上を舞い飛びまわってしがみ付き、枯れる前に走っては飛び移り、何とか振り落とされないよう必死です。
鳥のスズはまだいいのですが、白ヘビのハルは、トゲのあるイバラの上を舞い飛び走り回るのは、一苦労です。息も絶え絶えで、もう死んでしまいそうでした。
「スズちゃーん! 待って、待って! 待ってぇ!!」
「ハルちゃん、急いで! 早くこっちに来ないと、地獄に落ちちゃうわ!」
「ふぎゃ!」
うまくトゲを踏み分けられないハルの足に、鋭いトゲが突き刺さります。もはや仲間か否かを選り分けられる力が無いのか、邪悪神と化して、全てを滅ぼさん、と荒れ狂っているのかは分かりません。どちらにせよ、本来ならあり得ない事でした。
イバラの上で転んだハルを救おうと、スズが舞い飛んで行って背中を抱えます。急速に離れていくバラに助けを乞おうと見やりますが、2人の存在にも気が付いていない様子でした。その尋常ならざる形相に、声をかける事すらなりません。
2人は懸命に飛んでは走り、避けては掴まり、バラのそばへと向かいます。後ろを見ると、足を離したそばからイバラは枯れ朽ちて、砂の様に砕けていきます。
辿る先には2人の守護神であるバラの神がいるはずですが、もはや目視できる距離ではありません。次々と繰り出されるイバラが壁のようになっていましたし、どれだけ離れてしまったのかも分かりませんでした。
一歩でも足を踏み外せば、崩れ去るイバラの粉塵と共に、巨悪の咽喉へと真っ逆さまです。
2人にとって、バラは襲いくる悪魔達よりも恐ろしく感じられました。狂気の沙汰としか思えませんが、それでも信じてバラに追いすがります。
「きゃっ!!」スズが叫びます。
「スズちゃん!!」
両手を翼に変えて、崩れるイバラから飛び上がったスズが、ムチのように撓るイバラに叩き落とされてしまいました。
伸ばしたハルの手に指を引っ掛けて、寸でのところで落伍を免れたスズは、片羽を羽ばたかせて、ハルと共にまだ朽ちないイバラへと飛び移ります。
生きたまま喰い千切られつつあるバラに、2人に目を配る余裕はありません。周りは魔王や王子に取り囲まれていましたから、一瞬でも気を抜こうものなら、無残に滅び去ってしまうでしょう。
雷鳴轟く黒雲の中に突っ込んでいったバラは暴風雨にさらされ、真っ逆さまに落ちていきます。並の悪魔では憑いていくことが出来ず、雷光に目を潰され、雷鳴に耳を劈かれ、雷に打ち砕かれ、雨に貫かれて死んでいきました。
スズとハルの周りには、もう生きたイバラは見当たりません。足を踏み込むたびに、イバラの道は砕け、割れて落ちていきます。
息も絶え絶えのハルが、大粒の涙を溢しながら叫びました。
「もう、わたしダメぇ!」
「ハルちゃん!!」
砂と化したイバラに足を取られて転んだハルが、砂嵐の中に飲みこまれていきました。目を開けていることすらままならない視界の中で、飛んでくるイバラの破片を避けながら飛んでいたスズも、トゲによって羽はズタズタです。
ハル1人に寂しい思いをさせまいと、スズは急後退をして砂嵐の中に消えていきました。
「何で来たの? スズちゃーん」ハルは驚きます。
「わたし達、お友達! 1人なら無理でも、2人なら出来るもん!」
バラの粒が嵐の中でぶつかりあって発火し、お香となってマダスク・モダンの香りを噴霧しています。
火炎渦巻く中で、2人を見つけたメガトロンが襲い掛かりましたが、バラの花弁の様な火の粉に巻かれて、一瞬の内に焼かれ、次々に落ちていきました。
2人は手をギュッと繋いで必死に飛び続けましたが、砂嵐の中で進めなくなって、真っ赤な炎の花吹雪の中を転がり飛ばされてしまいました。
そして、ついには、2人の視界からバラの結界は消え、砂嵐の向こうに見えていた真っ赤な光も見えなくなってしまったのです。2人は、荒れ狂う黒い雷雲の中に落ちていきました。
天上の最高神も魔界の悪魔王も、お会いしたことが無い雷神風神の御業の前では、バラの結界も薄いせんべいの様に砕けて穴だらけです。
宇宙が無限小であり無限大でしかなかった遠い昔から存在した神々です。有限の世界が生まれた時に、その事象が自然現象として具現化しているのでした。誰も見たことのない高次元の神は、森羅万象の神と恐れられていました。
他にも光の神や闇の神、熱の神や冷気の神、音の神、火の神、朝の神、夜の神、生の神や死の神、刻の神など様々います。意思があるのかも分かりませんが、少なくとも神魔を殺せるほどの偉大な力がありました。その強大さは、100万の神軍や魔軍に勝るのです。
ですが、地獄に仏とはこの事です。愚鈍ではない魔王達は、積乱雲の中にまで追っては来ませんでした。
追って来たのは、黒竜とメガトロン達だけです。雷に打たれながらも襲いくる黒竜は、雷撃に身を悶えさせながらも、大きな口を開けてバラを飲みこもうと、何度も頭をもたげて、執拗に迫ってきました。
凄まじい稲妻を幾度となく受けて、肉は焼けて深い穴が開き、もはや積乱雲から生きて出ることは叶わないでしょう。
雷光をよけて迫りくるメガトロン達は、バラを半殺しのまま飲みこめば、残った茨の結界の中で身が守れると考え、助かるのは自分だと、我先にバラに牙を向きます。
悪魔とはいえ、本来兵士ではない踊り子達です。暴力以外には整然とした秩序のない皇子の軍隊について来るほどの悪逆非道の美魔達ですから、自らの命可愛さに仲間割れを起こして殺し合いながら、同時にバラを仕留めよう、と躍起でした。
筋を引くバラの血が持つ香気に興奮して群がる様は、死肉に群がり貪るピラニアの如くです。悪魔達も、自分が生き延びるだけで必死の様相でした。
その中から現れたのは、どす黒い鱗に覆われた黒竜でした。人間界では伝説の生き物です。力が強すぎて、長期間人間界に存在することが出来ないので、幻として語りがれてきた存在でした。
竜の他にも、一角獣やセイレーンなど、人間界にやってきた精霊や悪魔を通して聞いた話や、霊気の強い人間によって目撃された話が伝えられています。
花の主神もそうです。人間界には存在しない花でした。
黒竜は、おこぼれに与ろうとついてくる無数のメガトロンを従えています。ときおり開く口からは、色のついたバラの香りが尾を引いていました。バラはすぐさま察しました。あの悪魔達が、消えた騎士達の仇だと。
巨体であるにもかかわらず、恐ろしく速く泳ぐあの悪魔は、騎士達を色香で唆した踊り子の女の子の本性でした。
吼え叫ぶ様な断末魔をあげるバラは、より一層猛々しく炎を燃やしました。灼熱の火炎のほうき星と化したバラに、悪魔どもはねちっこくまとわりついていることが出来ず、焼かれて炭となって砕け、落ちていきます。
甦ったばかりのバラには、満足な神気はありません。太く長い大量のイバラを幾百本も生やし振るい巻いてうねらせ、結界を後から後から形成させていきますが、隙間が多すぎて、結界内には暴風が吹き荒れています。
何十年も戦い続けるバラの懐の中で、スズとハルは吹き飛ばされまいと、次々と生まれては枯れ朽ちるイバラの上を舞い飛びまわってしがみ付き、枯れる前に走っては飛び移り、何とか振り落とされないよう必死です。
鳥のスズはまだいいのですが、白ヘビのハルは、トゲのあるイバラの上を舞い飛び走り回るのは、一苦労です。息も絶え絶えで、もう死んでしまいそうでした。
「スズちゃーん! 待って、待って! 待ってぇ!!」
「ハルちゃん、急いで! 早くこっちに来ないと、地獄に落ちちゃうわ!」
「ふぎゃ!」
うまくトゲを踏み分けられないハルの足に、鋭いトゲが突き刺さります。もはや仲間か否かを選り分けられる力が無いのか、邪悪神と化して、全てを滅ぼさん、と荒れ狂っているのかは分かりません。どちらにせよ、本来ならあり得ない事でした。
イバラの上で転んだハルを救おうと、スズが舞い飛んで行って背中を抱えます。急速に離れていくバラに助けを乞おうと見やりますが、2人の存在にも気が付いていない様子でした。その尋常ならざる形相に、声をかける事すらなりません。
2人は懸命に飛んでは走り、避けては掴まり、バラのそばへと向かいます。後ろを見ると、足を離したそばからイバラは枯れ朽ちて、砂の様に砕けていきます。
辿る先には2人の守護神であるバラの神がいるはずですが、もはや目視できる距離ではありません。次々と繰り出されるイバラが壁のようになっていましたし、どれだけ離れてしまったのかも分かりませんでした。
一歩でも足を踏み外せば、崩れ去るイバラの粉塵と共に、巨悪の咽喉へと真っ逆さまです。
2人にとって、バラは襲いくる悪魔達よりも恐ろしく感じられました。狂気の沙汰としか思えませんが、それでも信じてバラに追いすがります。
「きゃっ!!」スズが叫びます。
「スズちゃん!!」
両手を翼に変えて、崩れるイバラから飛び上がったスズが、ムチのように撓るイバラに叩き落とされてしまいました。
伸ばしたハルの手に指を引っ掛けて、寸でのところで落伍を免れたスズは、片羽を羽ばたかせて、ハルと共にまだ朽ちないイバラへと飛び移ります。
生きたまま喰い千切られつつあるバラに、2人に目を配る余裕はありません。周りは魔王や王子に取り囲まれていましたから、一瞬でも気を抜こうものなら、無残に滅び去ってしまうでしょう。
雷鳴轟く黒雲の中に突っ込んでいったバラは暴風雨にさらされ、真っ逆さまに落ちていきます。並の悪魔では憑いていくことが出来ず、雷光に目を潰され、雷鳴に耳を劈かれ、雷に打ち砕かれ、雨に貫かれて死んでいきました。
スズとハルの周りには、もう生きたイバラは見当たりません。足を踏み込むたびに、イバラの道は砕け、割れて落ちていきます。
息も絶え絶えのハルが、大粒の涙を溢しながら叫びました。
「もう、わたしダメぇ!」
「ハルちゃん!!」
砂と化したイバラに足を取られて転んだハルが、砂嵐の中に飲みこまれていきました。目を開けていることすらままならない視界の中で、飛んでくるイバラの破片を避けながら飛んでいたスズも、トゲによって羽はズタズタです。
ハル1人に寂しい思いをさせまいと、スズは急後退をして砂嵐の中に消えていきました。
「何で来たの? スズちゃーん」ハルは驚きます。
「わたし達、お友達! 1人なら無理でも、2人なら出来るもん!」
バラの粒が嵐の中でぶつかりあって発火し、お香となってマダスク・モダンの香りを噴霧しています。
火炎渦巻く中で、2人を見つけたメガトロンが襲い掛かりましたが、バラの花弁の様な火の粉に巻かれて、一瞬の内に焼かれ、次々に落ちていきました。
2人は手をギュッと繋いで必死に飛び続けましたが、砂嵐の中で進めなくなって、真っ赤な炎の花吹雪の中を転がり飛ばされてしまいました。
そして、ついには、2人の視界からバラの結界は消え、砂嵐の向こうに見えていた真っ赤な光も見えなくなってしまったのです。2人は、荒れ狂う黒い雷雲の中に落ちていきました。
天上の最高神も魔界の悪魔王も、お会いしたことが無い雷神風神の御業の前では、バラの結界も薄いせんべいの様に砕けて穴だらけです。
宇宙が無限小であり無限大でしかなかった遠い昔から存在した神々です。有限の世界が生まれた時に、その事象が自然現象として具現化しているのでした。誰も見たことのない高次元の神は、森羅万象の神と恐れられていました。
他にも光の神や闇の神、熱の神や冷気の神、音の神、火の神、朝の神、夜の神、生の神や死の神、刻の神など様々います。意思があるのかも分かりませんが、少なくとも神魔を殺せるほどの偉大な力がありました。その強大さは、100万の神軍や魔軍に勝るのです。
ですが、地獄に仏とはこの事です。愚鈍ではない魔王達は、積乱雲の中にまで追っては来ませんでした。
追って来たのは、黒竜とメガトロン達だけです。雷に打たれながらも襲いくる黒竜は、雷撃に身を悶えさせながらも、大きな口を開けてバラを飲みこもうと、何度も頭をもたげて、執拗に迫ってきました。
凄まじい稲妻を幾度となく受けて、肉は焼けて深い穴が開き、もはや積乱雲から生きて出ることは叶わないでしょう。
雷光をよけて迫りくるメガトロン達は、バラを半殺しのまま飲みこめば、残った茨の結界の中で身が守れると考え、助かるのは自分だと、我先にバラに牙を向きます。
悪魔とはいえ、本来兵士ではない踊り子達です。暴力以外には整然とした秩序のない皇子の軍隊について来るほどの悪逆非道の美魔達ですから、自らの命可愛さに仲間割れを起こして殺し合いながら、同時にバラを仕留めよう、と躍起でした。
筋を引くバラの血が持つ香気に興奮して群がる様は、死肉に群がり貪るピラニアの如くです。悪魔達も、自分が生き延びるだけで必死の様相でした。
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