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幸せの選択肢2

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エレナは決意した。あとは俺たちが何をしてあげられるかだ。
俺にはカッコのいい解決なんて無理だから。


「では 決まらないようでしたら私はこれで失礼します」

「めがみさま・・」
エレナの声は すこし寂しそうだった。
白紙の紙は光を失なって 地面に落ちていく
それを ずっと見ているようだった。


その日から 俺たちはエレナを溺愛した。
エレナの植えたブドウも エレナのためにすくすくと育っている。
動物たちは 最初から溺愛していたようだったが、
俺もおいしい食材を探すために、鑑定リングを使ってできるだけ、
植物を調べるようにした。

ある日の夜。
久しぶりにエレナと 星を見ることができた。

「こっちの星ってきれいだよな。なあ エレナって星を見るのが好きだけど・・・どうして?」
「うん お星さま綺麗だね。でも・・・なんでもない」

エレナは星が好きなのはわかる
だけど こんなに星を見るのだろうか?
女神と話をしてから、男の俺でも何となく気が付いてしまった。
遅かったかもしれないくらいだ。
座って足をバタバタさせているエレナを見た。
そして 話をつづけた。


「女神様って 綺麗だよな。可愛いし俺、大好きなんだ。
神界で会ったときに一緒にいたいって思っちゃったよ。
エレナはどうなんだい?一緒にいたいのかな?」

「うん めがみさま、だいすき。一緒にいたい。女神様は・・・・・・優しい」

「なあ エレナが星空を見ているのって もしかして女神様を見ていたのかな?
実は地球には 竹取物語って話があるんだ。
自分の娘を竹に入れて月から地球に送らなくてはいけない、悲しい母親の話なんだ」

トシユキは ちょっと変わった竹取物語を話し始めた。
・・・・・・・・・・
こうして月で会えたのでした。お母さんはお姫様の成長をいっぱい褒めました。
たくさん優しくしてあげました。それはお姫様の事が本当に大好きだったからです。二人はハグをしたのです。
すると なんという事でしょう~。離れていた二人の寂しさは消えてしまったのでした。めでたし、めでたし」

「もう一回、もう一回、お話し聞かせて!」

エレナは ダイレクトアタックをしてきた。
うずめた顔が肩に当たって 涙から出た温かい感触が伝わってきた。

そう言えば、俺にも こんな特技の一つくらいあったんだな。。
いつから仕事人間になっちゃったんだろう?


「なあ エレナ。白紙の紙を使わないか?女神様を異世界に呼ぶんだ」


次の日の朝、広間で白紙の紙を使った。
白紙の紙は大きな光になり光の中から 女神が現れた。

「エレナ!エレナ!」

女神は 両手を広げるとエレナは女神に抱き着いた。

「大きくなったわね。こんなに髪を伸ばしちゃって。あとで私が切ってあげるわ」
「うん」

エレナに抱きつかれて溢れた水のように女神の態度が、キリリとした表情が崩壊した。
女神は エレナの髪をなでた。
エレナは 女神の匂いをいっぱいに、いっぱいに吸い込んだ。
吸い込むと その顔はさらに満足気なものになり、そして とろけた。


動物たちのほうは 女神様の美しさがわかるようで、ゆっくりと集まってきた
そして首を垂れた。
まるで 美術館の絵のような光景だった。
3D美術館じゃん・・。

女神が異世界に来た日は 女神はエレナの髪を切った。
エレナは 髪を切られる感触がくすぐったいのか ときどき「キャッキャ」と笑って
前後に頭を少し振っていた。
女神も エレナのリズムに合わせて髪を切っていく。さすが 神様だ。

「エレナ 下界は楽しい?」
「うん たのしい」
髪が切りあがると セミロングのかわいい女の子になっていた。
それを見た女神は エレナを可愛いと言っていたが その女神様も可愛かった。

「可愛いわよ エレナ」
「ウキャキャ うん めがみさま、ありがとう 」
「あなたも ト、トシユキも切ってあげましょうか? 座りなさい」


この日はケロ子たちはお歌会を開いた。
 エレナ達を呼び出すとそこにはカエルたちが並んでいて 
歌う。そして最後に ひねりを加えながらウォーターロケットでジャンプするのだ。
「ゲロ♪」「ゲロ♪」「ゲロ♪」

「ゲロゲロゲロ♪ お歌上手! 」
エレナは 女神の膝の上に座って 体を振りながらケロ子たちと歌っている。
女神様も エレナにつられて少しだけ体を揺らしていた。
「そうですね。楽しい」

「トシユキも歌おうよ」
俺も 仲間に入って一緒に歌ってみた。

「あなたまでウォーターロケットを出さなくてもいいのですよ。しかも、おしりから出すなんて!クスクス」

二人は顔を見合わせたりと楽しそうだった。













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