地球人が育てた女神様

モルモット

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私にできること 

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勇者が倒されてしまったことは 聖女から伝えられさらにメキスト中に広まったわ。
そして メキストはパニックになったの。
沢山の人たちが逃げようとして怪我をして 争いや略奪も起きているみたい。

「聖女の結界を解け!」
「ふざけるな!!」

群衆って怖いわね。勇者を拝んでいた人たちが今度は メキストの司令部を襲ったの。
そして聖女の結界は解かれて聖女は行方不明になったわ 
都の人たちは競争でも始まったかのように一斉に逃げ出し始めたのよ

あれ? 大変。 あの人が馬車にひかれそうだわ。

あ! キャー

マリア「お嬢様 無理をしないでください」
トモちゃん「大丈夫よ。 それに私にできることはこのくらい。これが女神の力なのよ」

助けた女性は 白い清楚な洋服に磨き上げられた魔石のネックレスをしていたわ。
青い瞳に銀髪の髪色は彼女はただ者じゃないとわかる。
「あなたは リーファじゃないの?」
「トモちゃん? 助けてくれてありがとう・・私 実は逃げてきたのです」

そしてリーファの話でモコちゃんのいる場所が分かったわ。

「モコちゃん!」
「プイプイ」


逃げ出せてよかったわね。
「モコちゃん そして二人も聞いてほしいの。
これが 私の最後の言葉よ。
私は 古代の魔物を封印するために これからパズルを解くわ。
私がパズルと解けば覚醒するかもしれない。 そして覚醒すればもしかしたら1,000年前の記憶も戻ってしまって、18年ぐらいの小さな記憶なんて消えてしまうかもしれないの。
そんな顔しないで二人とも、、私はいなくなってしまっても二人には生きてほしいの。

実はね  最後の最後になっちゃったけど、このパズルはこの世界の物じゃないの。
このパズルには名前があるのよ。名前は・・・」

・・・・
メアリー「そうかい 行くんだね。アタしゃ 館に帰ってきてほしかったよ。いいや。でもトモちゃんは きっと女神様なんだろうね。
アタシもトモちゃんにかけてみるよ。ピョンタが残してくれたそのパズルは 実は名前があるのさ。
その名も「神の積み木」というらしい。
マインドフルネスを極めた 今のトモちゃんになら解けるんじゃないかね?」
・・・・
私は パズルを握って深い呼吸をすると自分の意識の中へ潜っていったの

「マインドフルネス!!」

紙の積み木は やる気とか思いの強さでは 解くことはできないわ。

カチ カチ
「やめて! 私を消さないで!!」

みんなと一緒にいたいという気持ちが私を妨げようとしてきた。
でも 毎日の 積み重ね。 毎日少しずつ積み木のように重ねて
初めて マインドフルネスは強化されていくの

カチ カチ
「私はあなたよ ひどいわ!」

もう一人の私なんて本当はいないのよね。
沢山の心の集まりが私なの。

カチ カチ
「もう 悪さはしないわ。 静かにするから許して・・お願い・・」

「私はあなたを消したりしない。私はあなたと仲良くしたいのよ」 

カチ カチ カチ パカ!!
パズルは 形状を変えてクルリと回り そして開いた。

「カギ?」

箱の中からは 虹色に光るカギが出てきた。
マリア「奇麗ですね」
リーファ「これは 神の光ではありませんか? どうか 私たちをお導き下さい」

リーファは カギに祈りを捧げ始めたの。

カギ「・・・。・・・。・・・。 まさか カギを通してこのような奇跡が起こるとは信じられぬことじゃ。見えておるぞ。久しぶりじゃな。じぃじじゃ。神じゃよ」

カギが魔導通信機の役目を果たしているのかしら?
リーファの祈りに反応するように 宙に浮いたカギから懐かしい声がする。
きっと私のおじいちゃんなのね。

神「リーファとやらの神力は生命力を使うようじゃな。せっかく孫の声が効けたのに残念じゃが時間がない。トモ・アグネスショコラよ。カギを通してわしの神力を贈ろう。受け取るのじゃ」

ビカビカビカ!!
・・・・。
・・。
・。
まばゆい光に包まれて私は1,000年前の記憶を取り戻したわ。
「私は トモ・アグネスショコラ。女神です。」
冷静なすべてを悟った冷たい表情に みんなが不安な顔を浮かべたわ
マリア「お嬢様!」
「プイプイ」

「冗談よ!心配かけたわね。大丈夫私は私よ。でも行かなくちゃいけない。ここで古代の魔物の相手をすると被害が出てしまうわ。どうしようかしら?ねぇ モコちゃん?」

すると モコちゃんがたくましく 鼻をヒクヒクさせた
「プイプイ!!!」
「ありがとう 来てくれるのね。後で金のニンジンを買ってあげるわ。あと モコちゃん手を出して私の神力を受け取ってほしいの」

「プイプイ!!」
モコちゃんは神の力を受け取った。

マリア「お待ちください。お嬢様 よろしければマリアの笛をお吹きください」

「ええ そうね。 お願い。」

ピロリロリ♪

「お嬢様 コスチュームチェンジですね これこそ最強のコスチュームチェンジです」
「この服装は?」
「お嬢様が 天空城で来ていた衣装らしいです。対魔耐性が異常に高い素材だと旦那様が生前に申しておりました」
「ふふふ そうだったのね。でもマリア。お嬢様じゃないわ。私は妻よ」
「はい 奥様 ふふふ」

私の18年は 1,000年よりも万年よりも重たいのよ

「さあ マリアにリーファ、二人とも手を出して 神力を分けてあげる」
二人は 癒され、新たな力を手に入れた。

行きましょう モコちゃん!
「プイプイ」

・・一方 街では聖女の結界が解かれたことにより 魔物が街に入り込み始めていた・・
 
「鬼刀斬剣!うりゃ! さあ 早く逃げるんだ」

バールがいるわ

「バール!」
「その声は トモちゃん!!」

「あなた ボロボロじゃないのよ。顔も青いしこれじゃ 青鬼ね ふふふ」
「鬼じゃ ねぇから 魔族だから!がはは。それよりその姿はなんだ?その。。えらく奇麗じゃねぇか」

「この姿?これから古代の魔物のところへ行くのよ」
「まさか 生贄になるつもりなのか?」
「違うわよ。倒しに行くのよ。 それより 手を出して。少しだけ神力を分けてあげる」

トモちゃんがオレの手を握るとあたたかかった。
俺はそれだけで 十分 頑張れそうだった。
でも トモちゃんの手が光ったかと思ったらすごい 力が流れ込んできやがったぜ
これだけすごい力が 少しだけだというのかよ。トモちゃんは凄すぎるぜ!

街の誰かが叫んだ「キャー 逃げて! 魔物よ!!」

ギュルル・・
ギュルル・・

「ファイアボール!!」

ボボボボボボ・・・!!

ギュル・・・・ ブハァ・・・。

ん? ファイアボールだと?

「ドレスに見とれて 隙だらけですよ」
「お前は リフト」

「リフトも来てくれたのね。あなたもボロボロじゃないの。さあ 手を出して」
「トモちゃんは 最初から私がいたことに気付いていましたね?では 時間もありませんしお願いします」
リフトは 手を出すと光がリフトを癒した。

「私は 古代の魔物のところへ行くわ! 街の人たちをお願い。行ってきます」

トモちゃんたちは都の外へ駆けていった。

「神力はすごいですね。さて 私たちは私たちのやれることをやりましょう。それが彼女のためですから」
「ああ。もちろんだ。 ところでリフト。ミリア様はどうしたんだぁ?」
「ああはは 様とかやめてくださいよ。 私としたことが逃げられちゃいました。だから私はクビです。」
「お前 ホントは逃がしただろ?」
「さあ~??」

・・・・
メキストをでると 古代の魔物に続いて大行進をしてきた魔物たちの大群が現れたわ。
だけど 大丈夫。
「モコちゃん 行くわよ! マインドフルネス!!」

感覚を研ぎ澄ますと 神力に反応する邪悪なるものの波動を感じることが出来る。
私は コウモリの様に障害を避けられるようになったわ

「いけ! モコちゃん ポップコーンジャンプよ!!」
「プイプイ!!」

キュルキュル

ギュルル

魔物たちの腕や足を潜り抜けて ついに 古代の魔物のところへ たどり着いたの。
でも 困ったわ。古代の魔物は大きすぎたのよ。
私の力を使うには 額へ行く必要があるの。
モコちゃんじゃ 上へは登れないし、私・・飛べない神様だったのね。

クーイ、クーイ・・。

「お姉ちゃん お姉ちゃ~ん」

この声はミリア?

「ミリアぁ~!!どうして古代の魔物のところなんかに来ちゃったの? ここは危険なの。さあ 手を出して神力を分けてあげる。」

「イヤ! ミリアを ミリアをギュってして!お願い」

寂しかったのかしら? 子供の超直感が働いてここへ来ちゃったのかもしれないわね。
私は ミリアをギューっと 抱きしめてあげたの。

え? キャー!!

私はミリアに縛られたわ。

ミリア。


「ミリアの糸なら お姉ちゃん 上に運べる」

私はミリアに運ばれて 古代の魔物の額のところまでやってきたの。
額に登っても 私たちが小さすぎるせいで気が付かないみたい。

「お姉ちゃん 頑張って」

「ええ 任せてミリア」

私は 額に登る必要があったの。この魔法は足元に唱えても成功する確率はかなり低いわ。
でも みんなのおかげで、ここまでこれたのよ。
私は呪文を詠唱した。1,000より前から記憶し刻まれた呪文。

長き長き時を超え 

悲しみと痛みを伝えし者よ。

我に使えよ!

「チャーム!!!!」

古代の魔物は動きを止めてしばらく経つと 闇の光と共にモコちゃんの体の中へ吸収されていったわ
「やったわ!」
「お姉ちゃんすご~い」
「プイプイ」
・・・・その後のメキスト・・
こうして 私たちは古代の魔物を使役して魔導都市メキストを救ったの。
それから 魔物や被害を街の復興が始まったわ。
勇者と魔王がいなくなって、輪廻転生の輪が止まり女神が英雄になるという新し伝承が刻まれることになったの。
復興がひと段落したころに 私はみんなを集めたわ。
ヤギールにメアリーにも来てもらったのよ。
だって私は 女神で英雄ですもの。
それも 貴族の屋敷を使って盛大に 料理もいっぱいに用意をしてね。


「今日は みんなに大切な話があって集まってもらったの。
実はね。 私ね、花束を渡したい人がいるのよ」

私はマリア。
今日は大事な話があるので あの天空城のお召し物を用意してほしいと頼まれたの。
天空城のお召し物とは 「ウェディングドレス」のこと。
まさかとは思ったけど ようやく前に進むつもりになられたのですね。
精霊の農園なんて ホントはどうでもいいのです。 
旦那様も きっと 天国で喜ばれていると思いますよ。シクシク

花束をもって周りをグルリと見渡した奥様は、カツ カツと靴の音を立てて勢いよく歩き始めると
どこに向かうかと思ったら。
リフトさん。。じゃないし
バールさんでもないし。
私でもなかったわ。
向かった先は 包帯男の前だったの。

包帯男「おめ・・おめで・・とう・・ございます。どうか、お幸せになってください」

「受け取りなさいよ! この花束!」

無理ですぅ~奥様 それは ダメです。
だって 包帯男さんは両手がないじゃないですか?涙を流しちゃって包帯がにじんでますよ。
それに 何で包帯男なんですか?

包帯男「・・・。」

「あら?両手が塞がっているのね?じゃぁ お得意の腰にでも刺せばいいじゃないのよ。ホント、笑っちゃうわ!」

奥様が無理やり包帯男の背中に花束を突っ込むと 同時に神力を注がれたのでしょうね。
包帯男の体が光を放って すごいスピードで体が再生したの。
しかも 包帯が取れて現れた旦那様の顔は20歳の男性そのものだったの。

ピョンタ「まさか 神の力がこれほどとは・・ん?勇者と魔王のスキルも俺が継承しているのか?」
トモちゃん「すごい力でしょ?だって私は女神ですから。ところで あなたは女神の使命を覚えてる?」
「ああ もちろんだとも」

旦那様は 腰の花束を手に持つと奥様に手渡しました。
「俺と、この異世界で 一緒に暮らさないか?」
「うん 嬉しいわ」

お二人は長い間、抱き合っていらっしゃいました。
18年の時よりも この数カ月のほうが長く感じていらっしゃったのかもしれません。
どうかお幸せに。
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