地球人が育てた女神様

モルモット

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キビー村の秘密会議

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メアリーの館でお世話になって数日が経った。
みんなととても楽しい日々を過ごすことが出来たの。

・・ある夜・・

メアリー「もしや マインドフルネスを始めたことで1,000年前の記憶が蘇りはしてないかい?
古代には魔物を従えることのできる魔法があったらしいのさ、その名前は「古代魔法チャーム」という。何か知らないかい?」

でも 私はその魔法は知らないと答えたわ。
私は1,000年も眠っていたので、その間に現れた他の女神が使っていたスキルかもしれない。
それにしても パズルの解き方はわかったけどマインドフルネスって そんなにすごい物なのかしら?
まあ 旦那の残してくれたものだから 毎日やるしかないわね。

・・次の日・・
「鬼刀斬剣!! うりゃ!」

パチパチパチパチ

バールはマキを割り 汗をぬぐった。
太刀筋が奇麗でまるでショーを見ているみたい。 

パチパチパチパチ

「鬼刀斬剣!! うりゃ!ふぅ~やっと終わったぜ」

パチパチパチパチ
本当に奇麗な 剣術ね
隠れ住んでいる樹木族の人たちも バールを取り囲んでパチパチと音を立てているの。
拍手喝采だなんて バールは人気者ね。
あらあら 感動のあまりに今度は 胴上げが始まったわ。
バールが羨ましいわ。ふふふ


私の方は 近くの村までお使いを頼まれたのよ
「腰の調子が悪くてねぇ 村長に手紙を渡してほしいのさ。 すまないね、変わった村だから気を付けるんだよ。。」

モコちゃんと一緒ならメアリーが直接向かうよりもずっと早くたどり着けると思うわ。
「お姉ちゃん。ミリア・・ミリアも行く」

ミリアも メアリーのお手伝いがしたかったみたいで付いてくることになったの
最近は「お姉ちゃん」って呼んでくれるようになったけど 悪い気はしないわね。
さあ 「キビー村」に向かいましょう
「プイプイ」

「お嬢様お待ちください!!」
「プイプイプイプイ」
遠くの方から声がしたので振り返るとマリアがモルモットたちにまたがって追いかけてきたの。
そうだったわ。湖の別荘で独りぼっちになっていたわね。

「お嬢様 今こそ マリアの笛をお吹きください」
そう言えば 湖の別荘を出発するときに衣装と一緒に笛を貰っていたわね。
もしかして魔法のアイテムかしら?
笛を吹こうとすると 「ちょっと待ってください ぜぇぜぇ」と息を切らせて建物の影に隠れたの。

吹くわよ!
ピロリロリ~♪
笛を吹くと 高らかと響くマリアの声がしたわ

「お嬢様~ コスチュームチェンジですね!!」

モルモットたちが私を取り囲んでグルグルと回り始めて、その間に私の着替えは完了していたわ。
メイド服にホウキのイヤリング。魔法使いメイドって感じね。
マリアは衣装を着せ終えると満足げにメアリーの館へ挨拶に行ってしまったの。

「さあ キビー村へ向かいましょう」
着替えも終わって キビー村へ向かったの。
モコちゃんは依然と違って ミリアと二人で乗っているのに風の様に軽やかに駆け抜けていったわ。
たしか メアリーの館より先に行くと 街が多くなるから魔物が出るって聞いたことがあったけど
もしかしたら モコちゃんが速すぎて出てこれなかったのかもしれないわね。
ミリアは モコちゃんに乗るのが楽しいみたい。
だけど モコちゃんのアフロヘアーにくすぐられちゃって「うしゃしゃ」って笑っていたわね。

ここが キビー村ね。
変わった村って言ってたけど 特に変わったところのない農村の村みたいだけど。
いったい何が変わっているのかしら?
村人がいたから 村長の家を訪ねてみたの。

「お嬢さんたち、誰の紹介だい?こんな村まで来るなんて、、いや~なんでもないさ」
紹介?村に入るのに紹介が必要なのかしら?

「ええ メアリーの紹介よ。村長に会いたいの」
「メアリーだって!・・驚いた・・そうか・・じゃぁコレをやるよ。
でも 村長は忙しいぜ。その団子ダイエットに効果抜群だから痩せたいなら食べてくれや がははは」

村人の男が渡してきたものは 黒い何かのような塊だったの。

「これ?なに?」
「ミリア ダメよ!ダイエットできるお団子なんて存在しないわ。怪しすぎるわよ」

ニタニタと笑う 怪しい村人は団子を渡すと満足げに去っていった。
「毎日食べて毎日 快便 ひゃっほぉぉーい!! おっと失礼。またな~」

お団子は、ほのかに甘い香りのする黒い塊。ツブツブとした白い何かが練りこまれていて・・この白いのってまさか!
辺りを見渡すと村人の表情もどことなく よそよそしい気がしてきたわ。
この村、何かあるかもしれない。
そんな中 ほかの村人が話しかけてきたの。

「あんたたち よそ者かい?そんな団子は食べなくていい。
あんたたちみたいな美人は、この村からは早く立ち去るんだ。
あいつ等に気に入られちまったら その団子・・毎日食べることになるぜ。じゃぁな!」

村人はそう伝えると 聞き耳を立てられていないか周りを確認してからそそくさと立ち去ってしまったの。
いったい この団子がどうしたのかしら?
美味しそうに見えるけど、はっきりわかるまでは 食べないほうがよさそうね。

もぐもぐ もぐもぐ ゴックン・・。
「あま~くて 美味しい」

えええ ミリア、食べちゃったの?
でも ミリアは美味しそうに食べているし、そんなに美味しいのかしら?
そうよね メアリーが怪しいお団子を作る村に私たちを行かせるわけがないわよね?
私も食べるわ

もぐもぐ もぐもぐ ゴックン・・。
「あれ? これはキビ団子じゃない?なーんだ ビックリさせないでよ。笑っちゃうわ ふふふ」
ミリアと二人で 笑いあったの。
キビ団子をこんなに怖がっていただなんて 可笑しかったわ。

ミリアが私の袖を引っ張って 包み紙を見せてきたのね。
「お姉ちゃん、これ! 紙に何か書いてある」

ミリアに言われて包み紙を見てみるとこの村の中の地図があってバッテンの書かれた場所が乗っていたの。
なんのバッテンかしら?
村長の居場所もわからないし 手紙を届けなくちゃいけない。
バッテンの場所に行ってみましょう。

「ふんふ♪ ふんふ♪ ふん♪」甘い物を食べたせいかしら 気分がいいわね。
ミリアと手を繋いで歩くのも楽しいわ。
でも 地図の場所にたどり着くと 一軒の小屋が建っていたの。
木造だけど村人の住宅よりも確りしたつくりだわね。

建物の中から甘い香りがして中で何かを作っているようだけど 肝心の入口がどこにもないのよね。
怪しいわ。
扉もない建物?
あると言えば 壁に二重丸の印があるだけよ。

トン!トン!
トン!トン!

何かしら?二重丸の印からノックをする音がするわ。

トン!トン!

私も思わずノックを返したの。
そしたら 壁が開いて窓からおじいちゃんが顔をだしたわ。。

「ひゃっひゃっひゃっひゃ。。 やっぱりねぇ~。気に入っちまったか?
あま~いお団子にハマっちまっただろ??
おいしい♪おいしい♪お団子をもっと食べたいか? 
ああ でもダメダメ、この村の団子はちょっとばかり 値が張るんだぁ~。
ところでお嬢さん、お金はあるのかい?? 
ん!んん!! 普通なら断るがお嬢さんたちは美人だ。追い返すにはもったいない。 
もっとお食べ、そしてまた団子を貰いに来るのじゃ、ひゃっひゃっひゃっひゃ。」

おじいちゃんは 団子の包みを取り出すと押し付けるように渡してきて窓を閉めてしまったわ。
このキビ団子っていったい何なの??
そうじゃないのよっと窓をノックしたの。
ドン!ドン!

「ねえ 私たち・・村長に会いたいのよ!」

「村長・・・ あんたたち・・初めて見た顔だと思っていたが 村長に会わなきゃいけないほどに、お団子にはまっちまってるのか やれやれだな、お嬢さんたちだ。 いいや 違うな。あんたたちの目は輝いている。団子なんかに負けない希望を見すえた目だ。
よし!このおいぼれは お嬢さんたちにかけてみることにしたよ。
チャンスはおそらく 一度きり、ちょうど 村長は村で開催されているモルモットレースの優勝賞品を決めるための会議をしている。
変えたいのなら早くいくのじゃ!! そしてお嬢さんたちの力で村の未来を変えるんだぁ!! ひゃっほぉぉーい!! バタン・・」

興奮しすぎて気絶しちゃったみたいね。キビ団子っていったい??
でも 村長に会えば何かわかるかもしれないわ。
行ってみるしかないわね。
「お姉ちゃん 行こう」
「プイプイ」

・・・・
村長グレイス「今回の優勝賞品じゃが・・これで一つ頼めぬかのう・・」
村人「1・・2・・3・確かにキビ団子3つ 受け取りました。・・ですが 村人の不満を抑えるのもそろそろ限界ですよ」

村長グレイス「そこを何とかするのが そなたたちの役目であろう。」
・・・・

何を話しているのかしら?
村の片隅の廃墟の小屋で 役職を持ってそうな村人たちと村長が話をしているわ。。
「ミリア お使い。手紙渡しに行く!!」

まってー ミリア!今出て行っちゃだめよ。

村長グレイス「誰かいるのか! ん!! そなたらは・・村の外の者じゃな??モルモットも連れているとは 都合がいい。皆の衆 外のお客をもてなすのじゃ!」
村人「おおお!!!!」

村人たちが 私たちをおもてなしをしようと駆け寄ってきたの。
ミリア モコちゃんに乗って! 逃げるわよ!
うん。
私は 駆けだしたミリアの手を掴むとそのままモコちゃんの方へ 放り投げたの。
村人たちが追いかけてきたって モコちゃんに追いつけるはずがないわ。
私も逃げなくちゃ・・・。

建物の影に隠れながら 逃げて。走って。逃げたわ。

「まてーー!」
「どこに行ったんだ?」
「あははは 思いついちゃったんだな。あま~いキビ団子だよ。早く出ておいで あははは」
「そうか その手があったな」
「ほ~ら 早くしないとキビ団子がなくなっちゃうぞ」
「ああ うまい うまい キビ団子は便秘も治るし 最高だな~」

「だから キビ団子って何よ 何なの??」
でも 村人はこの村の中を知り尽くしているし、一方の私は一度通っただけ。
あの地図・・ せめてキビ団子に書かれていたあの紙の地図が思い出せたら何とかなるのに・・。

「どうだ?」
「モルモットに乗った子は逃げちゃったけど まだ 一人いるんだな」
「そうか じっくり探そうぜ!がははは」

まずいわね・早く逃げなきゃいけないわ。
どうしたらいいの? ドキドキしてきたわ

ボロン・・・。
あっ パズルを落としちゃった。

私はパズルを拾い上げて袋にしまおうとしたの。
でも いつものクセなのかパズルを握ると気持ちが切り替わるのよね。
まずは落ち着かなくちゃ・・ すぅーはぁー

カチ カチ カチ

え? パズルの続きが解け始めたわ

カチ カチ カチ

そうよ 慌てたってしょうがないのよ。
私は 周囲に張り詰めた意識をパズルに戻してみることにした。

ドボン・・。
ここはどこ? 私の意識の中ね。
カチ
「ほぉーら ミリアちゃん 白い粉の団子だよ。そろそろ、おじさんの事大好きになって来ただろ?ひゃっひゃっひゃっひゃ」
カチ
「このモルモットにも 一杯食べさせようぜ!こいつ 足だけは速いからな がははは」
「プイプイ・・」
カチ
「精霊の農園に キビ団子を植えるなんて・・残念だよ・・」

私って こんなに沢山の事を頭の中に思い描いていたのね。
これじゃ 地図なんて思い出せるはずがないわ。
私は 力づくで意識を絞ってみたの。 すると

「お姉ちゃん、これ! 紙に何か書いてある」

ミリアが私に地図を手渡してくれた風景が・・見えたわ!
私は 思い出した地図を頼りに 走り切ったの。
そして 村の入り口近くまで走ったときに

「お嬢さん こっちだ!」

最初に 村を去るように声をかけてくれた村人が私たちを自分の家に案内してくれたわ。
「ミリアとモコちゃん」
二人も 助けてもらったみたいで家にかくまわれていたみたい。

「あなたたちは知りすぎてしまいました。。こうなったら村のすべてをお話ししましょう。・・だからハンバーグが食べたいのです。優勝賞品が キビ団子の生活は、もうイヤなのです。。」

「え!! そんな事だったの!!」
モルモットレースの賞品を 村特産のキビ団子にしたい村長とキビ団子に飽きた村人との戦いに巻き込まれていたの?
なんてなんてこと!
私は家を飛び出して村長の前に立ったわ

「村長!! ふざけないでよ! 次の優勝賞品は ハンバーグよ!!」
村長グレイス「ほっほっほ 威勢がいいですな。じゃが 次の賞品に口を挟めるのは 我々と優勝者のみですじゃ。村の猛者どもを相手に勝負なさりますか?」

「ええ もちろんよ!!」
「プイプイ」

・・・・・
村人「それでは 次回の賞品を選ぶ権利をかけた。キビー村モルモットレース・・・スタート!!」

プイプイ プイプイ
村長グレイス「ほっほほ 一斉にスタートしたか じゃがそれでは勝てんのじゃよ」

メアリーの館からミリアを乗せてきたと言っても、モコちゃんの調子はよさそうだわ。
ミリア お姉ちゃんのカッコいところ見せてあげられそうよ

バサ・・ バサ・・ バサ・・

そう思った矢先に 村人たちがモルモットの顔に布をかぶせ始めたの。
そしてコースの先には背の高く伸びた キビ畑が広がっていたわ。

道がない!!

でも 村人たちは何事もなかったかのように。
そのままキビ畑へ 入って行ったの。
道のなかったキビ畑に モルモットの通り道が出来ていったわ
あの布は モルモットの顔を守るための布だったのね。

どうしよう?後れを取ってしまったわ
私たちは村人が踏み倒した、出来たてのキビの道の後ろを走るしかなかったの。
運よく1位のモルモットの後ろを走っていければ 直前で追い抜けると思うけど
ビリなかの後ろを走っちゃったら まずずいわね。

村長グレイス「気づいた時にはもう遅いのじゃ、ほっほほ?? なに なんじゃと!」

「プイプイ」
そうね モコちゃん「ポップコーンジャンプ!!」
「ポップコーンジャンプ!!」
「ポップコーンジャンプ!!」

村長グレイス「キビより高くジャンプをして 先頭を確認し、1位の踏み倒したキビの道を見つけたと言うのか!」
・・・。
・・。


優勝は「トモ・アグネスショコラさんです!」

楽勝だったわ。運が悪かったわね。ふふふ。
ミリアは柵の上に座って足をバタバタさせながら喜んでいたわ。
これが モルモットレースなのよ!
「お姉ちゃん すごーいい!!」


村長グレイス「では 優勝者のトモ・アグネスショコラさんにはこの村の紋章の入った優勝メダルとキビ団子が贈られます」

パチパチパチパチ
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