地球人が育てた女神様

モルモット

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迷路の逆さピラミッド。最下部まで残り2層 ピョンタ編

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・・天界にて・・
神「ピョンタよ。どうやったのじゃ?「神の積み木」の試練を解いたのはお前だけじゃ。
他の神々も驚いておったぞ。
通常ならば肉体を作り変えて転生させるのだが 神々の間でそれはもったいないと言う話になってな
お前にはそのままの体で異世界へ転移をしてもらう事に決まったぞ」

ピョンタ「どうやったって?もしかして マインドフルネスのことですか?
ゾーン状態(超集中)に入りやすくなるコツみたいなものですかね。
ああ でも 俺のステータスは凡人レベルのはずなので異世界に飛ばすなら勇者や魔王に転生させてください。
異世界で夢のような生活を送りたいです」

神「はっははは ケンソンするではない。それに勇者どもは何度も輪廻転生を繰り返すから稀にしか募集せぬのじゃ。。それに。神々の意思でお前は 転移と決まった、もはやワシが反対することも出来ぬわ」

ピョンタ「あの 神様?言っておきますが地球人ってめちゃくちゃ弱いですよ。素手でドラゴンとか倒せませんよ」

神「何?お前は何を目指しているのじゃ?平凡に暮らせばよいではないか?地球で頑張って生きた褒美みたいなものじゃよ。地球では暮らせぬが、その代わり異世界でのどかに暮らすがよい」

ピョンタ「異世界ファンタジーしたかったのですが。。どうせ地球には戻れませんし、それもいいですね。でも勇者や魔王の戦いに巻き込まれたりしませんか?」

神「確かに勇者も魔王も存在する世界じゃが 広い世界じゃ 自ら逢おうとせねば、お前が出会うことはないだろう。
それに 実のところはワシは 勇者や魔王は好かんのじゃよ。
なにせ 神々の決定のせいでワシの孫娘が花嫁になるために天空城に1,000年も眠ったままになっておる。
名前は「トモ・アグネスショコラ」
ワシの可愛い 可愛い孫じゃったのに、じぃじはさみしいのじゃ・・ゴッホん!
孫には平凡に幸せに暮らしてもらいたかったのに、勇者か魔王の助けられた方を好きになって嫁ぐことになっておる」

ピョンタ「へぇ~ 可愛い、可愛い孫ねぇ。そりゃ~いい話を。。いえいえ お気の毒に。。
でも1,000年も眠っているなら 仮に昨日や今日、居なくなったとしても誰にもわからないですよね? 
そこで ちょっと いい話があるのですが・・」
ピョンタはニマニマと 笑みを浮かべた。

神「お主・・ 悪じゃな。」

神はピョンタと握手をした。
・・・・

「ぽっくるぅぅ~」

ん?数年前の事を夢で見たのか。。 ふ~うあぁ!!!
天空城の迷路で目を覚ますと 枕元にはキノコが置かれていた。
精霊のポックルたちかぁ?
精霊たちは恥ずかしがり屋なので 姿はすでにないけど、
俺が農園を手に入れたときに交わした契約書には農園の所有権と一緒にその地に住む精霊との契約も結ばれることになっていた。
こっそり付いてきてくれたのか?
ポックルたちに感謝の念を込めてお礼を言った。
「ありがとう ポックルたち」

異世界転移してから数年かけて俺は天空城に来た!
トモ・アグネスショコラを手に入れたい。一度でいいから逢ってみたい。
1,000年眠り続けている子らしいけど 顔は超かわいい はず!いいや、絶対に可愛い!
勇者にも魔王にも渡さないぞ。
誰よりも先にトモ・アグネスショコラを救い出してみせるんだ!

やるぞ~ えいえい おー!!

天空城は 3階構造の逆さまのピラミッドになっている。だけど ここに来るのは大変で
雲の上にある城なので 普通のドラゴンでは到達できない高度らしいし、選ばれしドラゴンみたいなのじゃないと来れないところらしい
ただ 俺の場合は。。なんと言うか。。地球人だからさ、ひらめいたと言うか、死者を天に届けるために気球を使う儀式がある地方で、金の力を使って乗り込んだのさ。そして ふわぁ~っと何となく入っちゃった。
でも 俺の乗った気球も片道切符というか 天空城の門の前で 燃えてしまって帰れなくなってしまったんだけどね。

そして神殿に入る前に門番の「聖なる悪魔」と名乗るモンスターが出てきて
「ここは神に選ばれし者の婚儀の場、資格亡きものよ。死ぬがよい」と言われて襲い掛かってきたけど
殺されかけて追いつめられた先の床に割れ目があって 運よく下の階へ降りることが出来て助かったんだ。
俺の戦闘力はゼロだから 体はボロボロになったし、今もまだ 体が痛む。 
「1,000年も眠ったままなのに まだ資格が必要なのかよ。」


さて 出発する前にポックルたちにもらったキノコを使って朝ごはんの支度をしよう。 
鍋とか気球に積んでたから最低限、持っているし それでも不便なところは大抵がこの「魔石」を使うことで解決できる。
魔石はすごいよ。魔法が使えなくても ライターがなくっても魔石があれば火を起こせてしまうからね。
魔法の使い捨て電池?というか 魔法の力だね。

グツグツ。。グツグツ。。

美味しそうなキノコ汁が出来てきたぞ。
異世界に来てから何個か仕事について その中の一つにレストランのオーナーの仕事があったんだ。
そこで覚えたのがハーブ類。乾燥ハーブも持っていると魔石と同じくらい便利に使える。
さてと あとはキノコ汁にハーブのネギを入れて。。。っと
よし!できたぞ。

このキノコは神殿にしか生えないキノコのようで見たことがない。
ダシなんて要らないくらい濃厚な味のキノコ汁が作れるんだ。

いただきます!
「うわー 美味しかった。ごちそうさま!!」

異世界に来たときは魔石に感動して これさえあれば何でもできると思ったけど
旨い話には裏があると言うか、魔石は魔物を呼ぶ性質も持っているんだよね。
よほど大量に持っている場合だけど 
でも 大抵はこうやって小石一個分の魔石を持ち歩いて旅をする人が多い。


ただ 日常生活に使う分を持っているくらいなら襲われることはないけど
それでも周期的に襲われてしまう場所がある。それが街や都なんだ。
魔石とお金は同等の価値があるから デフレーションとインフレーションの影響を受けやすくて
貴族や金持ちのせいで バランスが崩れて街の魔石が多くなると、魔物の襲撃を受けるんだ。
それも周期的に起きている。
ただ 経済のシステムのせいで魔物の襲撃を受けているなんて異世界の人たちは誰も思ってないんだよね。
それを知っているのは俺だけ。つまり これが俺のスキル! 「経済学」 なーんてね。
でも 「経済学」のおかげで魔物の襲撃で不景気になった街の安いレストランを 
タダ同然の値段で買い取って成り上がり、精霊を虐げていたライバルのスパイダーって悪い魔族から 精霊の農園を買い取って地主になり小さな町のオーナーになったんだ。

もう 働かなくてもお金が入って来るぜ!!

「ぽっくるぅぅ~」

ん? あっちの通路からポックルたちの声がしたぞ。
通路を進んでい見ると・・これは コケじゃないか? 
手にとって臭いをかいでみると 海苔のような香ばしい匂いがして食べられそうだ。
こいつはいい保存食が作れそうだぞ!
そうだ!手持ちの塩と唐辛子なんて入れてスパイシーにしたら美味しそうだ。
早速調理を始めた。

「ん~ いい香りだ。」

ヒュー ヒュー

ん?
風が香りをどこかへ運んでいった。
もしかしたら 出口が近いのかもしれない。
しばらく探すと 崩れた岩の隙間に下へ降りる階段があった。
もしかして ポックルたちが知らせてくれていたのは階段だったのか?
こんなに尽くしてくれる精霊たちなら農園を買って正解だったよ。
ただ 俺のライバルのスパイダーはどうして「精霊の農園」を簡単に手放したんだろう?
当時のアイツがやっていた事業は魔物の襲撃を利用して、だいぶ傾かせてやったけど、それでも簡単に手に入りすぎた気がするな。


薄暗い階段を下りて 2階の扉を開けると黒い岩に点々とライトの様に宝石が光っている部屋に出た。
「闘技場??」
観客のいない闘技場だ。

ガラガラ ドッスン!

俺が闘技場に入ると 後ろの扉が閉まって戻れなくなってしまった。
戦闘力ゼロなんですけど 大丈夫だろうか?
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