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8話 勇者降臨

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ムシャムシャ

よしよし いいぞ うちの畑の野菜はすべて食べてくれ。
ああ ジェニー 俺を許してくれ
この時はそう思っていた。 ざんげはしていたけど俺はジェニーが欲しいんだ。

「いくぞ!」
プイプイ

次の日。
この一日が 長かった俺が戦士だったら聖騎士と刺し違えてでも昨日のうちに
ジェニーをさらっていただろうけど。
15歳になった俺はもう 間違わない。
子供の頃は 大人のいいなりになって 沢山の間違えた選択をさせられてきたけど
もう 自分の欲しい物は自分で手に入れるんだ、

プイプイ??

「大丈夫。そうじゃないんだ。 ありがとう」

どうして。。心配なんてしないでくれよ。。
俺は一晩中レベルが上がり続けて モルモットを7匹も召喚できるようになった。
本当は8匹目も召喚できるはずなんだけど こいつだけは別格で沢山の魔力を消費してしまうので
召喚できなかった。
「いったいどんな効果を持っているのだろう?まあいいさ」

まあいいんだ 能力なんて要らない。
麻袋とロープと包丁があれば 俺の欲しい物は手に入るんだ。
ギルドカードは 二人のその後の生活の保険のためにもらっておいたんだ。

いくぞ
プイプイ

農場から街へ行くと 繁華街に潜伏した。
聖騎士と言っても 外へ出ないなんて事は出来ないだろう。

ああ 出てきたぜ。

俺のジェニーの家から 聖騎士が出てきた。
「ジェニーは いないのか?」
ここで 計画が狂ってしまった。
ジェニーに麻袋をかぶせて 連れ去ろうと思っていたのに一人で来られては困るんだよ。

俺は金色の聖騎士の後をつけた。
ジェニーを 金貨1枚で買った罪を償ってもらわないと気が済まない。
「旦那ぁ?あんなに 素敵な子が金貨1枚で手に入るとホントに思っていると?」
笑ってしまう。
金貨100枚だ。つまり あんたの命を貰うよ。

そう思って付いて行ったけど 聖騎士が向かった先は娼館だった。
踊り子の服に身を包んだ グリーンの巨乳とレッドの美しい褐色肌の女性にのヘラヘラと笑う聖騎士の姿を見ていると 毒気がそがれた。
「あいつには金貨1枚の価値もない・・・」

聖騎士もお父さんも どうしてジェニーの価値がわからないんだ!
世の中は間違えてる。

俺はジェニーの家に向かった。
レベルアップのおかげで 屋根まで飛び移るなんて簡単な事だった。
「ジェニー。ジェニー??」

窓から甘い声でささやくと 声が聞こえただろうか
ジェニーが顔を抱いた。

「頂きます」
「キャーー!お父さん・・」

ジェニーに麻袋をかぶせると ロープで縛ってそのまま連れ去った。
そんな声を出すなよ ジェニー
ごっこ遊びの時に 「勇者」役をやってくれって頼んできたのはジェニーじゃないか?
今は 麻袋の中にいるけど あなたを運んでいるのはあなたの「勇者」ですよ。お姫さま。

ああ 愛おしいジェニー
魔王は召喚できなかったけど 代わりに俺が勇者になれたよ。はっははは
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