53 / 149
第53話 住人交流会
しおりを挟む
今日は休みにして、住人交流会を開くことにした。
参加者は、俺と藤沢、あとは上溝さんと、番田さんと、香川さんと、片倉少年と、橋本さんと、御嶽青年と、拝島さんだ。
空き部屋の中で一番広い部屋を会場とした。
おおよそ20畳はある部屋だ。
「忙しい中、お集り頂きありがとうございます。飲んで大いに喋り交流してみて下さい。では乾杯」
みんなから乾杯の声が聞こえた。
番田さんはビールのジョッキを一気飲みすると俺の所に来た。
「階段、作れませんかね」
「2階が欲しいということですか」
「猫が階段が好きなんだよ」
「私も猫ちゃんが器用に階段を下りる仕草が見たいです」
猫の話が好きなのか、上溝さんが寄って来た。
「ええと、意味のない階段を作るのも芸がないな。ロフトではどうでしょうか。ダンジョンの天井は、オーガの背より高さがあります。2階は無理でもロフトなら」
「いいね。階段の勾配は俺に設計させてくれ。猫ちゃんにちょうど良い、階段というのがあるんだ。それに滑り止めも必要だ」
「俺のスキルでダンジョンと接続すれば、階段に張ったカーペットがボロボロにならないで済む」
「それはいい」
「猫ちゃんの爪が痛まないでしょうか?」
心配そうな上溝さん。
「試験的に作ってみたらいいかもな。後で空いた時間にやろう」
ダンジョンと何かを一体化するのは考えてなかったな。
応用の利きそうな技だ。
これを思いついただけで、今回の会をやった意味がある。
殺処分ロッカーもあとでダンジョンと一体化しておこう。
二人が去って行き、香川さんと、拝島さんが、ワイングラス片手と小皿に蜘蛛肉を持って、こっちへ来た。
「カニの肉美味しいですね。カニのモンスターというと海ですか。海はモンスターの巣窟で船で出ると瞬く間に沈められると聞いてます。どうやったのです。何か有用なスキルでもあるのですか」
「海産物が取り放題のスキルがあったら良いのですが、手に持っているのは蜘蛛の足です」
「そうですか。カニの代替品として売れそうですね」
香川さんは見かけによらず図太いらしい。
パクパク蜘蛛肉を食っている。
「ふむ、カニの養殖場の株が下がるかな。いかんいかん、株はもうできないというのに」
「拝島さん、どうかしたんですか?」
「私のスキルはインサイダー取引にあたるそうなのですよ。私名義で株の取引はできません。香川さんから聞いて法律を調べたらそうなっていました」
「友達に上がる銘柄を教えたりすると、抜け道になりそうですね」
「それが、スキルで監視しているらしいですよ。ねぇ、香川さん」
「ええ、神託系や盗聴系のスキルを駆使しているともっぱらの噂です」
「それは大変だ」
「目下のところ私は失業中なわけです。まあ貯蓄は何十億とあるので、働かなくて食ってはいけるが、生きる張り合いがない」
「モンスター退治なんかどうです?」
「私、運動はからきしでして、たぶんモンスターの餌になるのが関の山かと」
指示して貰えるだけでもありがたいのだけど、無理は言うまい。
「機会があればその時は」
「ええ」
御嶽青年は橋本さんと話している。
この二人がカップルになるのか?
何でも色眼鏡で見るのは良くない。
でも、御嶽青年が立ち直る切っ掛けができたら良いと思う。
邪魔しないでおこう。
片倉少年は藤沢と一緒に回って、色んな人に話しをしているようだ。
藤沢は子供にも優しいな。
感心したよ。
海産物か、海のフィールドがあったというダンジョンの話を聞いたことがある。
それをリフォーム出来たら、一攫千金も夢じゃないな。
プライベートビーチなんか持てたら、大金持ち気分だ。
浜辺に別荘を建てたりして、そんでフィールド内で育てた魚を釣りまくるんだ。
サザエやアワビなんかもいいな。
ウニとか子供の頃に食べたきりだ。
「先輩、何か楽しそうですね」
「海のフィールドをリフォームしたら楽しいだろうなと」
「いいですね。裸で泳いでも誰も見てないわけですか。先輩、顔が赤いですよ。想像しました」
「こら、からかうなよ」
「えへへ」
殺処分ロッカーのリフォームに取り掛からないとな。
やることが一杯ある。
――――――――――――――――――――――――
俺の収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 54,559万円
上級ポーション2個 606万円
彫像10体 10万円
カイザーウルフ60体 6,000万円
ドッペルオーク12体 600万円
シャーマンオーク12体 720万円
エンペラータランチュラ12体 1,056万円
メイズスパイダー12体 1,020万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 64,571万円 64,571万円
遺産(不動産) 0円
ダンジョン -74億円
スタンピード積み立て金 100億円
蜘蛛は味も美味しいし、金銭的にも美味しい。
2階層にも出現しないかな。
いや、蜘蛛だけに限らず、2階層にはもっと美味しいモンスターがいるに違いない。
そう考えると、先行きは明るい。
参加者は、俺と藤沢、あとは上溝さんと、番田さんと、香川さんと、片倉少年と、橋本さんと、御嶽青年と、拝島さんだ。
空き部屋の中で一番広い部屋を会場とした。
おおよそ20畳はある部屋だ。
「忙しい中、お集り頂きありがとうございます。飲んで大いに喋り交流してみて下さい。では乾杯」
みんなから乾杯の声が聞こえた。
番田さんはビールのジョッキを一気飲みすると俺の所に来た。
「階段、作れませんかね」
「2階が欲しいということですか」
「猫が階段が好きなんだよ」
「私も猫ちゃんが器用に階段を下りる仕草が見たいです」
猫の話が好きなのか、上溝さんが寄って来た。
「ええと、意味のない階段を作るのも芸がないな。ロフトではどうでしょうか。ダンジョンの天井は、オーガの背より高さがあります。2階は無理でもロフトなら」
「いいね。階段の勾配は俺に設計させてくれ。猫ちゃんにちょうど良い、階段というのがあるんだ。それに滑り止めも必要だ」
「俺のスキルでダンジョンと接続すれば、階段に張ったカーペットがボロボロにならないで済む」
「それはいい」
「猫ちゃんの爪が痛まないでしょうか?」
心配そうな上溝さん。
「試験的に作ってみたらいいかもな。後で空いた時間にやろう」
ダンジョンと何かを一体化するのは考えてなかったな。
応用の利きそうな技だ。
これを思いついただけで、今回の会をやった意味がある。
殺処分ロッカーもあとでダンジョンと一体化しておこう。
二人が去って行き、香川さんと、拝島さんが、ワイングラス片手と小皿に蜘蛛肉を持って、こっちへ来た。
「カニの肉美味しいですね。カニのモンスターというと海ですか。海はモンスターの巣窟で船で出ると瞬く間に沈められると聞いてます。どうやったのです。何か有用なスキルでもあるのですか」
「海産物が取り放題のスキルがあったら良いのですが、手に持っているのは蜘蛛の足です」
「そうですか。カニの代替品として売れそうですね」
香川さんは見かけによらず図太いらしい。
パクパク蜘蛛肉を食っている。
「ふむ、カニの養殖場の株が下がるかな。いかんいかん、株はもうできないというのに」
「拝島さん、どうかしたんですか?」
「私のスキルはインサイダー取引にあたるそうなのですよ。私名義で株の取引はできません。香川さんから聞いて法律を調べたらそうなっていました」
「友達に上がる銘柄を教えたりすると、抜け道になりそうですね」
「それが、スキルで監視しているらしいですよ。ねぇ、香川さん」
「ええ、神託系や盗聴系のスキルを駆使しているともっぱらの噂です」
「それは大変だ」
「目下のところ私は失業中なわけです。まあ貯蓄は何十億とあるので、働かなくて食ってはいけるが、生きる張り合いがない」
「モンスター退治なんかどうです?」
「私、運動はからきしでして、たぶんモンスターの餌になるのが関の山かと」
指示して貰えるだけでもありがたいのだけど、無理は言うまい。
「機会があればその時は」
「ええ」
御嶽青年は橋本さんと話している。
この二人がカップルになるのか?
何でも色眼鏡で見るのは良くない。
でも、御嶽青年が立ち直る切っ掛けができたら良いと思う。
邪魔しないでおこう。
片倉少年は藤沢と一緒に回って、色んな人に話しをしているようだ。
藤沢は子供にも優しいな。
感心したよ。
海産物か、海のフィールドがあったというダンジョンの話を聞いたことがある。
それをリフォーム出来たら、一攫千金も夢じゃないな。
プライベートビーチなんか持てたら、大金持ち気分だ。
浜辺に別荘を建てたりして、そんでフィールド内で育てた魚を釣りまくるんだ。
サザエやアワビなんかもいいな。
ウニとか子供の頃に食べたきりだ。
「先輩、何か楽しそうですね」
「海のフィールドをリフォームしたら楽しいだろうなと」
「いいですね。裸で泳いでも誰も見てないわけですか。先輩、顔が赤いですよ。想像しました」
「こら、からかうなよ」
「えへへ」
殺処分ロッカーのリフォームに取り掛からないとな。
やることが一杯ある。
――――――――――――――――――――――――
俺の収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 54,559万円
上級ポーション2個 606万円
彫像10体 10万円
カイザーウルフ60体 6,000万円
ドッペルオーク12体 600万円
シャーマンオーク12体 720万円
エンペラータランチュラ12体 1,056万円
メイズスパイダー12体 1,020万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 64,571万円 64,571万円
遺産(不動産) 0円
ダンジョン -74億円
スタンピード積み立て金 100億円
蜘蛛は味も美味しいし、金銭的にも美味しい。
2階層にも出現しないかな。
いや、蜘蛛だけに限らず、2階層にはもっと美味しいモンスターがいるに違いない。
そう考えると、先行きは明るい。
149
お気に入りに追加
597
あなたにおすすめの小説
浮気夫、タイムリープで地獄行き
おてんば松尾
恋愛
夫は浮気している。
私は夫に浮気され、離婚され子供を取り上げられた。
病んで狂って、そして私は自ら命を絶った。
それが一度目の人生。
私は巻き戻った。
新しい人生は、夫に従い、従順な妻を演じることにした。
彼に捨てられないように、子どもたちを取り上げられないようにと頑張った。
けれど、最後は夫と子供をあの女に奪われた。
三度目の人生。
私はもう絶対に間違わない。
※他サイトにも投稿中
寄宿生物カネコ!
月芝
ファンタジー
詳細は割愛するが、剣と魔法のファンタジーな世界に転生することになった男。
それにともなって神さまから転生特典の希望を訊かれたので、
「パンダかネコにでもなって、のんびりぐうたら過ごしたい」
と答えたら「あいにく、どっちもおらんなぁ」と言われてガックシ。
すると見かねた神さまがおっしゃった。
「ネコはおらん。が、ネコっぽいのならいるぞ。それでよければどう?」
その提案を受け入れ、ちゃちゃっと転生完了。
かくしてカネコという生命体に生まれ変わったのだけれども。
いざなってみたら「あれ?」
なんだかコレじゃない感が……
無駄にハイスペック、しかしやる気ゼロ。
働いたら負けだと思っている。というか働きたくない。
不労所得最高! 他人の金で喰うメシと飲む酒は最高にウマい。
他者にがっつり甘えて、おんぶにだっこの怠惰な生活を夢見る生物、それがカネコ。
だってしょうがないじゃない、そういう生き物なんだもの。
鳥が空を飛び、魚が泳ぐように、寄宿先を求めさすらうのがカネコという生き物の習性なのだ。
けっしてサボりたいわけじゃない、すべては本能ゆえに。
これは寄宿生物カネコに生まれ変わった男が、異世界にて居候先を求めて、
さすらったり、さすらわなかったりする物語である。
婚約破棄されて捨てられたけど感謝でいっぱい
青空一夏
恋愛
私、アグネスは次期皇后として皇太子と婚約していた。辛い勉強に日々、明け暮れるも、妹は遊びほうけているばかり。そんな妹を羨ましかった私に皇太子から婚約破棄の宣言がされた。理由は妹が妊娠したから!おまけに私にその妹を支えるために側妃になれと言う。いや、それってそちらに都合良すぎだから!逃れるために私がとった策とは‥‥
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す
エルリア
ファンタジー
【祝!なろう2000万アクセス突破!】
転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた!
元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。
相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ!
ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。
お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。
金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。
前世の祖母に強い憧れを持ったまま生まれ変わったら、家族と婚約者に嫌われましたが、思いがけない面々から物凄く好かれているようです
珠宮さくら
ファンタジー
前世の祖母にように花に囲まれた生活を送りたかったが、その時は母にお金にもならないことはするなと言われながら成長したことで、母の言う通りにお金になる仕事に就くために大学で勉強していたが、彼女の側には常に花があった。
老後は、祖母のように暮らせたらと思っていたが、そんな日常が一変する。別の世界に子爵家の長女フィオレンティーナ・アルタヴィッラとして生まれ変わっても、前世の祖母のようになりたいという強い憧れがあったせいか、前世のことを忘れることなく転生した。前世をよく覚えている分、新しい人生を悔いなく過ごそうとする思いが、フィオレンティーナには強かった。
そのせいで、貴族らしくないことばかりをして、家族や婚約者に物凄く嫌われてしまうが、思わぬ方面には物凄く好かれていたようだ。
断罪されるヒロインに転生したので、退学して本物の聖女を目指します!
オレンジ方解石
ファンタジー
『アリシア・ソル!! お前は偽聖女だ!!』
黒髪の青年がアリシアを糾弾する。
『本物の聖女は、このデラクルス公爵令嬢セレスティナだ!! お前は卑しい平民でありながら、公太子をたぶらかし、罪のない高貴なセレスティナに「悪役令嬢」の汚名を着せて処刑し、自分が公太子妃になろうと画策した!! よって、希代の悪女にふさわしい罰を下す!!』
幼い頃、魔王に命を助けられた平民の少女アリシア。
成長した彼女は、癒しの聖魔力を認められて王立学院へ入学するものの、公爵令嬢セレスティナとの出会いにより、この世界が前世で読んだ漫画の世界であり、セレスティナこそが主人公の悪役令嬢で、アリシアはセレスティナの婚約者である公太子レオポルドを誘惑して、セレスティナを陥れようとするものの、セレスティナの真の恋人である隣国の第三皇子に断罪される、偽聖女ことゲームヒロインであることを思い出す。
処刑の未来を回避するため、魔王に助けられた代償を払うため、学院を退学して本物の聖女を目指すアリシア。
だがセレスティナはアリシア以上の癒しの聖魔力を発現させたうえ、彼女を愛する執事の工作で、アリシアは危険な戦場へ行かされる羽目になる。
さらに、セレスティナを愛していたはずのレオポルドも、漫画どおりアリシアに求婚して来て……。
※病人、怪我人、戦場描写があるため、念のためにR15に設定しています。
※この話は『断罪されるヒロインに転生したので、退学します』(非公開中)の長編版です。長編化にあたってキャラクターを増やし、一部のモブキャラの性格や設定も少し変更しています。
※アリシア、セレスティナ、レオポルドといったメインキャラの性格はそのままです。
※キャラクターが増えた分、特に中盤以降はストーリーが大きく変化しており、ラストも前作とは異なる展開となっています。
※そのため「前作のほうが好き」という方はお気をつけください。
※投稿再開にあたり、タイトルも少し変更しました。
【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います
菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。
その隣には見知らぬ女性が立っていた。
二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。
両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。
メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。
数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。
彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。
※ハッピーエンド&純愛
他サイトでも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる