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第34話 産業スパイ《ブレークポイント設定》
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「産業スパイの大体の犯人が分かったわ」
「僕でも分かる。冠者の奴が怪しい。ただ証拠がない」
「何か手を考えましょ。プログラム的には『テストデータ』を用意して、流れを追うの。『ブレークポイント』を設定して解決ね」
「今のは解説を聞かなくても分かる。噂を流して犯人をおびき出して、現場を押さえるんだな」
「ええ」
【ハイレックス:囮捜査だな】
【やすピー:ええ、それが早いと思う】
【ば7:ただ自然にやるのが難しい。犯人は警戒してるから、不自然な所があると犯行に及ばない】
【勝手ソンソン:周りの人間が演技しないといけないからな、演技は難しい】
【蟹鎌:ちっちっちっ、囮捜査させる人間も騙すのである。何でもない業務だと言えばよろしい】
【アーラヨット:九美子様の言う通り】
【もっちん:囮捜査。ワクワクする】
九美子から指示書が送られてきた。
なるほどオーソドックスだけど有効的な手だ。
「問題はおぜん立てをどうするかだな。囮捜査したいから、冠者に仕事を振るというのを経理の上司に説得できるかどうかだ」
【ば7:なかなか難しい問題だ】
【勝手ソンソン:冠者が怪しいって上司に言ったら、どういうリアクション取るか予想がつかないな】
【やすピー:冠者にお前疑われているぞなんて上司が漏らしたらぶち壊しね】
【蟹鎌:ちっちっちっ、だから囮であるということを知っている人間は少なければ少ないほど良い】
【ハイレックス:協力なしにやらせるのは難しい】
【アーラヨット:九美子様に相談だ】
【もっちん:ロッカーに隠れて見ているのだ。それしかない】
それで作戦を考えた。
「学生に社内の仕事ぶりを見せたいから、映像を撮りたいとするか。冠者には開発室に出張の伝票を取りに行ってもらう。開発室のメンバーにも就職用のビデオ撮りだと言っておこう」
【ハイレックス:おっ、見事な作戦】
【もっちん:初男もたまにはやるな。見直したぜ】
【ば7:就活用ビデオはいいな。ばれても誤魔化しが利く】
【勝手ソンソン:就活用は考えたな】
【蟹鎌:ちっちっちっ、それなら演技の必要がないのである】
【やすピー:妙手と言ったところね】
【アーラヨット:九美子様の意見が聞きたい】
人事の富鈴さんの協力が必要だ。
作戦的にはそれで良いだろう。
作戦をメールで九美子に送ってから、テレビ電話に話し掛けた。
「ばっちりよ。研究室にカメラを仕掛けておく口実も出来たし」
「就職活動に使うビデオ撮影のアイデアは良かったな」
【蟹鎌:ちっちっちっ、はたして上手くいくか。こういう作戦にトラブルはつきものだ】
【やすピー:上手くいくような予感がする。女の勘】
【アーラヨット:九美子様も太鼓判を押している。大丈夫だ。ゴーゴー】
【ハイレックス:まあ無難だな。穴はないようだ】
【もっちん:あとは協力者だな】
【ば7:就活用という嘘に騙される役ね】
【勝手ソンソン:事件が終わってから、酷い、教えてくれてもいいのにと言わせる役だな】
遊戯室に人が入って来た。
開発室のメンバーの研究員だ。
白衣を着ているから丸わかりだ。
ちょっと仲良くなっておこう。
嘘のビデオ撮りをやってもらわないといけない。
「やります?」
「はい、お願いします。行きますよ、さー」
卓球台に何度もピンポン玉を弾ませ、感触を確かめる研究員。
カットサーブを打ち込んで来た。
打ち返そうとして、僕はネットに引っ掛けた。
やるな。
僕は玉を取り、対角線上を睨んだ。
そして、反対側の角にサーブを出した。
視線で誘導したのだ。
虚を突かれる研究員。
「やりますね」
「明後日サーブだ」
「ならば回転サーブです」
研究員は、玉をラケットに付けて構えた。
そして、捻りながら打ち出した。
弾はライフル回転している。
えっと、どう打ち返せば良いんだ。
ええいままよ。
普通に打ち返したら、弾があさっての方向に飛んでいった。
「ずるい。あんなの打ち返せない」
僕は文句をつけた。
「横のドライブで打ち返すと回転を相殺できるよ」
縦に切るように打つといいのか。
なるほどな。
「少し話さないか?」
「何です?」
「就職活動用のビデオを隠れて撮るつもりなんだよ。わざとらしくならないために他の人には伝えないつもりだ。協力してくれない」
「ドッキリみたいで良いですね。おもしろそう。やりますよ」
協力者をゲットした。
さて、もう少し話しをするとするか。
【ば7:騙されて協力する役ゲットだな】
【蟹鎌:ちっちっちっ、騙される方が悪いのだ。就活ビデオで学生の人気者とかおだてられるのが悪い】
【アーラヨット:九美子様が就活ビデオに出てたらその会社に就職するのに】
【もっちん:実際は甘くない。でもこの手の類は顔で選ばれるのは確かだ】
【やすピー:そうね。宣伝だから顔は大事】
【ハイレックス:さてどうなるかな】
【勝手ソンソン:成功するさ】
「僕でも分かる。冠者の奴が怪しい。ただ証拠がない」
「何か手を考えましょ。プログラム的には『テストデータ』を用意して、流れを追うの。『ブレークポイント』を設定して解決ね」
「今のは解説を聞かなくても分かる。噂を流して犯人をおびき出して、現場を押さえるんだな」
「ええ」
【ハイレックス:囮捜査だな】
【やすピー:ええ、それが早いと思う】
【ば7:ただ自然にやるのが難しい。犯人は警戒してるから、不自然な所があると犯行に及ばない】
【勝手ソンソン:周りの人間が演技しないといけないからな、演技は難しい】
【蟹鎌:ちっちっちっ、囮捜査させる人間も騙すのである。何でもない業務だと言えばよろしい】
【アーラヨット:九美子様の言う通り】
【もっちん:囮捜査。ワクワクする】
九美子から指示書が送られてきた。
なるほどオーソドックスだけど有効的な手だ。
「問題はおぜん立てをどうするかだな。囮捜査したいから、冠者に仕事を振るというのを経理の上司に説得できるかどうかだ」
【ば7:なかなか難しい問題だ】
【勝手ソンソン:冠者が怪しいって上司に言ったら、どういうリアクション取るか予想がつかないな】
【やすピー:冠者にお前疑われているぞなんて上司が漏らしたらぶち壊しね】
【蟹鎌:ちっちっちっ、だから囮であるということを知っている人間は少なければ少ないほど良い】
【ハイレックス:協力なしにやらせるのは難しい】
【アーラヨット:九美子様に相談だ】
【もっちん:ロッカーに隠れて見ているのだ。それしかない】
それで作戦を考えた。
「学生に社内の仕事ぶりを見せたいから、映像を撮りたいとするか。冠者には開発室に出張の伝票を取りに行ってもらう。開発室のメンバーにも就職用のビデオ撮りだと言っておこう」
【ハイレックス:おっ、見事な作戦】
【もっちん:初男もたまにはやるな。見直したぜ】
【ば7:就活用ビデオはいいな。ばれても誤魔化しが利く】
【勝手ソンソン:就活用は考えたな】
【蟹鎌:ちっちっちっ、それなら演技の必要がないのである】
【やすピー:妙手と言ったところね】
【アーラヨット:九美子様の意見が聞きたい】
人事の富鈴さんの協力が必要だ。
作戦的にはそれで良いだろう。
作戦をメールで九美子に送ってから、テレビ電話に話し掛けた。
「ばっちりよ。研究室にカメラを仕掛けておく口実も出来たし」
「就職活動に使うビデオ撮影のアイデアは良かったな」
【蟹鎌:ちっちっちっ、はたして上手くいくか。こういう作戦にトラブルはつきものだ】
【やすピー:上手くいくような予感がする。女の勘】
【アーラヨット:九美子様も太鼓判を押している。大丈夫だ。ゴーゴー】
【ハイレックス:まあ無難だな。穴はないようだ】
【もっちん:あとは協力者だな】
【ば7:就活用という嘘に騙される役ね】
【勝手ソンソン:事件が終わってから、酷い、教えてくれてもいいのにと言わせる役だな】
遊戯室に人が入って来た。
開発室のメンバーの研究員だ。
白衣を着ているから丸わかりだ。
ちょっと仲良くなっておこう。
嘘のビデオ撮りをやってもらわないといけない。
「やります?」
「はい、お願いします。行きますよ、さー」
卓球台に何度もピンポン玉を弾ませ、感触を確かめる研究員。
カットサーブを打ち込んで来た。
打ち返そうとして、僕はネットに引っ掛けた。
やるな。
僕は玉を取り、対角線上を睨んだ。
そして、反対側の角にサーブを出した。
視線で誘導したのだ。
虚を突かれる研究員。
「やりますね」
「明後日サーブだ」
「ならば回転サーブです」
研究員は、玉をラケットに付けて構えた。
そして、捻りながら打ち出した。
弾はライフル回転している。
えっと、どう打ち返せば良いんだ。
ええいままよ。
普通に打ち返したら、弾があさっての方向に飛んでいった。
「ずるい。あんなの打ち返せない」
僕は文句をつけた。
「横のドライブで打ち返すと回転を相殺できるよ」
縦に切るように打つといいのか。
なるほどな。
「少し話さないか?」
「何です?」
「就職活動用のビデオを隠れて撮るつもりなんだよ。わざとらしくならないために他の人には伝えないつもりだ。協力してくれない」
「ドッキリみたいで良いですね。おもしろそう。やりますよ」
協力者をゲットした。
さて、もう少し話しをするとするか。
【ば7:騙されて協力する役ゲットだな】
【蟹鎌:ちっちっちっ、騙される方が悪いのだ。就活ビデオで学生の人気者とかおだてられるのが悪い】
【アーラヨット:九美子様が就活ビデオに出てたらその会社に就職するのに】
【もっちん:実際は甘くない。でもこの手の類は顔で選ばれるのは確かだ】
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