レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

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第5章 アンデッドでざまぁ

第240話 おっさん、下調べをする

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 聖杭ミスランター関連の任務が来た。
 ある男の恋人がさらわれた。
 さらった男が聖杭ミスランターの製造を担っていると言ったそうだ。

 さっそく、恋人がさらわれた男の所を訪ねた。
 居たのは優男という表現がぴったりの男だった
 洋服店の店員をしているらしい。

「とっとと情報をくれ」
「ちょっとムニ、恋人がさらわれたのだからもっと優しく」
「優しくして事件が解決するなら、そうするさ」

「そうですね。僕は一刻も早く恋人を助け出してやりたい。さらわれた状況をお話しします。デートの帰りに行きつけのバーに寄りました。少し目を離したすきに居なくなっていたのです。居なくなる直前に恋人のジーナと会話していたのがドガーで。こいつが怪しい。あっ、僕はカイルと言います」
「ドガーを訴えればいいだろう」
「それはしました。ろくに調べもせずに釈放されました」

 そうだろな。
 聖杭ミスランター関連だとすれば、国ぐるみだと思う。
 警備兵に訴えても無駄だろうな。

「許せない」

 アニータがふんまんやるかたなしと言った風情でそう言った。

「聖杭ミスランターの事を話せ」
「ドガーが酒に酔って聖杭ミスランターを作っているんだぞと、たまに自慢していたのです」
「よし、ドガーを調べよう」

 ドガーをジーナがさらわれた現場となったバーで待つ。

「あれがドガーです」

 カイルが小声でささやく。
 ドガーはハンサムとは言い難い普通の男だった。
 ドガーがバーを出たので俺一人で後をつける。
 歓楽街に入って、場末の娼館が立ち並ぶ一角に来た。

 ドガーが店の中に入る。
 お楽しみかな。
 こりゃ時間が掛かるかな。
 そう思ったら数分でドガーが出て来た。
 むっ、どういう事だ。

 娼館の近くに寄る。

「お願いです。あの男に売らないで下さい。なんでもします」

 女が誰かに嘆願している。
 ヴァンパイヤの耳がそれを捉えた。

「稼げるうちは売らないよ。安心おし」

 ドガーは人買いらしい。
 ジーナは売られたのか。
 聖杭ミスランターは製造過程で大量に魔力が必要になのかも知れない。
 生贄に売られたという線もあるな。

 ドガーの尾行を再開する。
 ドガーは賭場に入っていった。
 俺も中に入るか。

「あんた見ない顔だ。誰の紹介だ」

 賭場の扉の前に用心棒がいて立ちふさがる。

「ドガーさんの紹介だよ」
「入りな」

 俺は賭場の中に入った。
 ドガーはサイコロを使った博打に夢中になっていた。
 賭け方を勉強するふりをして、ドガーの後ろに立つ。

「今日はついてないな」

 そうドガーが愚痴を漏らす。

「ドガーさん、もぐりの娼婦が捕まったって、聞きましたぜ」

 遊び人の男が寄って来てドガーに伝えた。

「ほう、情報ありがとよ。リンチにされる前に助けてやらないと」

 ドガーは話し掛けて来た男にチップを握らせた。
 そして、席を立って賭場を出た。

 ばれないように細心の注意を払いながら後をつける。
 ドガーは歓楽街外れの看板の出ていない店に入った。

 ほどなくして、後ろ手に縛られた女を連れて出て来た。
 この女には悪いがどこに連れて行かれるか、囮になってもらおう。

 ドガーと女は場末の娼館にやってきた。
 どうやら今回は外れらしい。
 女を娼館に置いてきたのだろうドガーが一人で出て来た。

 どうやら、ドガーは帰るらしい。
 露店で食べ物を包んでもらっている。
 どこに住んでるかも調べておくか。

 途中、物取りだろうか、それとも喧嘩か、男が袋にされていた。
 歩く住民は誰も咎めたりしない。

 治安の悪い所だな。
 だが、ドガーをさらうのには都合が良い。

 ドガーの下宿は軍の高級士官の宿舎だった。
 こいつは何でこんな所に住んでいるんだ。
 怪しい奴だ。

 ジャスミンとアニータに合流する。

「何か分かった?」
「ドガーは人買いだ」
「怪しいわね」
「ぷんぷん臭う」

「それに軍の宿舎に住んでいる」
「それは黒ね」
「真っ黒」

「よし、明日、捕まえて尋問しよう」

 俺は準備を始めた。
 ロープに猿ぐつわに自白ポーション。
 これで準備はいいな。
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