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第5章 アンデッドでざまぁ
第236話 おっさん、奴隷と知り合う
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「おい、そこの異様な風体の男。止まれ」
「俺の事?」
「そうだ、顔を見せろ」
現在、皇都に帰ってきて門のところで絶賛、捕まり中だ。
ヘルメットの方が異様だと思ったんだがな。
マスクとサングラスを外す。
「あんたか。変な兜は辞めたんだな。今度も変な格好だが、何かこだわりがあるのか?」
「いやないよ。しいて言えば体に良い恰好」
「この口にあてた布切れがか」
「そうだよ」
「そうか、邪魔したな」
門番の俺を見る目が可哀そうな者を見る目になった。
マスクを馬鹿にしたらいけない。
疫病を防止するのに絶大な効果がある。
異世界で言っても仕方ないが。
とは言っても俺の目的は口元を隠す事だからな。
犯罪者にならったとは口が裂けても言えない。
俺は宿に行き、ジャスミンとアニータの到着を待った。
失敗したな。
夜通し移動する必要は無かったか。
眠くならないものだから、ついつい先を急いでしまった。
露店を見に行くか。
カントリーママの評判が凄いので、人を雇い店番を任せている。
「店長、お帰りなさい」
露店で迎えてくれたのは少年のあどけなさが残る青年だった。
なよなよとした仕草に騙されてはいけない。
こいつの正体は。
「お前よく俺の変装が分かったな」
「だって腰のメイスが同じだったから」
「これだから、レジスタンスの工作員は」
「店番を代わります?」
「いや、とうぶん忙しい。店番を続けてくれ」
「そう言えば、伝言を預かっています」
伝言を見る。
三人に任務ありとだけ書かれていた。
ソロでは不可能な仕事らしい。
先に俺だけで仕事の内容を聞いておくか。
イリスの花屋に行くと、イリスはタインの魚屋に俺を連れてった。
「今回は厳しいわよ」
「そうなのか」
「タイン、説明してやって」
「ぶっちゃけると、皇帝の宮殿を襲撃する」
「それは大ごとだな」
「ジャスミンとアニータがメイドとして潜入。お前はそのサポートだ。そして、奴隷をさらってくる。計画通り行けば荒事なしで行けるはずだ」
「それは襲撃というより、脱出作戦じゃないのか」
「脱出させる時に襲撃をして騒ぎを起こす。迎撃に出る兵士もレジスタンスだ。戦うふりをする」
「それはやっぱり脱出作戦だろう」
「襲撃の方が恰好良い。後で襲撃を成功させたって噂を流すんだよ」
「概要は分かった。細かい打ち合わせは二人が戻ってからだな」
二日後、ジャスミンとアニータが帰って来た。
「帰って早々悪いが任務らしい」
「ちょっと、休ませてくれないの」
「旅行の後にはお仕事が控えているものなんだよ」
「ムニ、変な常識をアニータに吹き込まないで」
「バカンスに行ったら、その後は仕事だろう」
「そうだけど。盗賊退治とバカンスは違うわ」
「くだぐだ言っても始まらないから準備に掛かるぞ」
さて、俺は夜間に訪ねていって二人の報告を持ち帰るだけだ。
どうって事のない任務だな。
二人は無事メイドとして潜入できた。
俺は複数のコウモリになって宮殿に侵入して繋ぎを取った。
人間の姿にはならないので手紙を運ぶコウモリってだけだ。
ばれる心配は皆無だろう。
遠目に皇帝を見かけた。
始末したかったが、護衛の数が多いので諦めた。
護衛に手間取ると逃げられる危険性が大きい。
それに思ったのだが、影武者という可能性もある。
確実になるまで手出ししない方が良いかもな。
襲撃は上手く行き、無事に奴隷達を救出できた。
俺はイリスに頼まれて奴隷の魔力回路を潰した。
そして。
「ご命令を」
かしこまる少女。
こいつは奴隷687号。
助け出した奴隷の一人だ。
奴隷の魔力回路は潰したが、奴隷の習慣が抜けないらしい。
「最初の命令だ。変装するぞ」
ウィッグとカラコンを渡す。
カラコンを付けるのを嫌がるかと思ったが、躊躇なくつけた。
俺なんか初めてコンタクトをする時は、怖くて何度もためらったがな。
「できました」
「次の命令だ。名前を変える。687号だからムハナだな」
「かしこまりました。ムハナとお呼び下さい」
「気に入らなければ別の名前でも良いんだぞ」
きょとんとした顔をするムハナ。
そして困った顔になった。
「すまん、困らせるつもりはなかった」
「マスターのしたいようにどうぞ」
こいつの面倒を見る任務なんて受けなければ良かった。
僅か一日の事とはいえジャスミンに丸投げしたい。
つくづくそう思う。
「俺の事?」
「そうだ、顔を見せろ」
現在、皇都に帰ってきて門のところで絶賛、捕まり中だ。
ヘルメットの方が異様だと思ったんだがな。
マスクとサングラスを外す。
「あんたか。変な兜は辞めたんだな。今度も変な格好だが、何かこだわりがあるのか?」
「いやないよ。しいて言えば体に良い恰好」
「この口にあてた布切れがか」
「そうだよ」
「そうか、邪魔したな」
門番の俺を見る目が可哀そうな者を見る目になった。
マスクを馬鹿にしたらいけない。
疫病を防止するのに絶大な効果がある。
異世界で言っても仕方ないが。
とは言っても俺の目的は口元を隠す事だからな。
犯罪者にならったとは口が裂けても言えない。
俺は宿に行き、ジャスミンとアニータの到着を待った。
失敗したな。
夜通し移動する必要は無かったか。
眠くならないものだから、ついつい先を急いでしまった。
露店を見に行くか。
カントリーママの評判が凄いので、人を雇い店番を任せている。
「店長、お帰りなさい」
露店で迎えてくれたのは少年のあどけなさが残る青年だった。
なよなよとした仕草に騙されてはいけない。
こいつの正体は。
「お前よく俺の変装が分かったな」
「だって腰のメイスが同じだったから」
「これだから、レジスタンスの工作員は」
「店番を代わります?」
「いや、とうぶん忙しい。店番を続けてくれ」
「そう言えば、伝言を預かっています」
伝言を見る。
三人に任務ありとだけ書かれていた。
ソロでは不可能な仕事らしい。
先に俺だけで仕事の内容を聞いておくか。
イリスの花屋に行くと、イリスはタインの魚屋に俺を連れてった。
「今回は厳しいわよ」
「そうなのか」
「タイン、説明してやって」
「ぶっちゃけると、皇帝の宮殿を襲撃する」
「それは大ごとだな」
「ジャスミンとアニータがメイドとして潜入。お前はそのサポートだ。そして、奴隷をさらってくる。計画通り行けば荒事なしで行けるはずだ」
「それは襲撃というより、脱出作戦じゃないのか」
「脱出させる時に襲撃をして騒ぎを起こす。迎撃に出る兵士もレジスタンスだ。戦うふりをする」
「それはやっぱり脱出作戦だろう」
「襲撃の方が恰好良い。後で襲撃を成功させたって噂を流すんだよ」
「概要は分かった。細かい打ち合わせは二人が戻ってからだな」
二日後、ジャスミンとアニータが帰って来た。
「帰って早々悪いが任務らしい」
「ちょっと、休ませてくれないの」
「旅行の後にはお仕事が控えているものなんだよ」
「ムニ、変な常識をアニータに吹き込まないで」
「バカンスに行ったら、その後は仕事だろう」
「そうだけど。盗賊退治とバカンスは違うわ」
「くだぐだ言っても始まらないから準備に掛かるぞ」
さて、俺は夜間に訪ねていって二人の報告を持ち帰るだけだ。
どうって事のない任務だな。
二人は無事メイドとして潜入できた。
俺は複数のコウモリになって宮殿に侵入して繋ぎを取った。
人間の姿にはならないので手紙を運ぶコウモリってだけだ。
ばれる心配は皆無だろう。
遠目に皇帝を見かけた。
始末したかったが、護衛の数が多いので諦めた。
護衛に手間取ると逃げられる危険性が大きい。
それに思ったのだが、影武者という可能性もある。
確実になるまで手出ししない方が良いかもな。
襲撃は上手く行き、無事に奴隷達を救出できた。
俺はイリスに頼まれて奴隷の魔力回路を潰した。
そして。
「ご命令を」
かしこまる少女。
こいつは奴隷687号。
助け出した奴隷の一人だ。
奴隷の魔力回路は潰したが、奴隷の習慣が抜けないらしい。
「最初の命令だ。変装するぞ」
ウィッグとカラコンを渡す。
カラコンを付けるのを嫌がるかと思ったが、躊躇なくつけた。
俺なんか初めてコンタクトをする時は、怖くて何度もためらったがな。
「できました」
「次の命令だ。名前を変える。687号だからムハナだな」
「かしこまりました。ムハナとお呼び下さい」
「気に入らなければ別の名前でも良いんだぞ」
きょとんとした顔をするムハナ。
そして困った顔になった。
「すまん、困らせるつもりはなかった」
「マスターのしたいようにどうぞ」
こいつの面倒を見る任務なんて受けなければ良かった。
僅か一日の事とはいえジャスミンに丸投げしたい。
つくづくそう思う。
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