レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

文字の大きさ
上 下
207 / 248
第5章 アンデッドでざまぁ

第207話 おっさん、分身を得る

しおりを挟む
「私、決めたわ」
『何を決めたんだ』
「隣国に行って、魔導士になれないか挑戦するのよ。スケルトンが魔導士になれて、私が魔導士になれないなんて間違っている」
『俺がスキルで出せる触媒は出してやろう。隣国に行くのはそれからでも遅くない』
「本当?」
『ああ、本当だ。手始めはチタンだな』

 ジェマの属性が判明した。
 マグネシウムだった。

「私が雑魚属性なんて、ショックだわ」
『触媒が安くて良かった』
「こうなったら、私はレベルアップに全てを賭けるわ。目指せ100。えい、えい、おー」
『ダンジョンに早く行こう。実験したい事がある』

 はやる気持ちを抑えてダンジョンに入る。
 手ごろなスケルトンを捕まえて金属支配した。

 コアを俺のコアに吸収。
 スケルトンの骨がバラバラになる。

 うがぁ、異物感が凄い。
 魂が浸食されるのを感じた。
 魂が悲鳴を上げる。
 駄目だ。
 俺は吸収したコアを分離した。

 俺は自分のコアを隅々までチェックした。
 良かった元通りだ。
 分離したコアを元のスケルトンに戻してやる。
 スケルトンのバラバラになった骨が元に戻った。

 スケルトンは分身になったみたいで、俺の言う事を聞く様になった。
 一度吸収してから分離しても分身になるのだな。
 だが、二度とやりたくない。
 あの魂が混沌とした感じは味わいたくない。

「そのスケルトンを連れていくの」
『ああ、そのつもりだ。名前を付けてやらないとな。ポチで良いか。どうせこの階層からは出られない』

 1階層のボスを倒して、ポータルに入る。
 3階層のポータルに行く為だ。
 俺はポチに向かって手を振った。
 ポチがポータルに飛び込んでくる。
 視点が切り替わり、3階層にワープした。
 したんだよな。
 ポチが相変わらずついて来た。
 しかもコアだけになって。
 えーと、コアは俺の物って認識で良いのか。
 骨は装備品扱いじゃないのか。
 ダンジョンのモンスターの体はよく分からん物質で出来ている。
 それが階層を超えるのを拒否したのだな。
 まあ良い。
 スケルトンのコアがオプションよろしく俺達の後をついてくる事になった。

 3階層の階段を下って、俺達は4階層に足を踏み入れた。
 ジェネラルスケルトンがスケルトンをパーティとして引き連れて徘徊していた。
 だが、スケルトンの数がボスよりも少ない。
 これなら楽勝だな。

 ザコを蹴散らしてボス部屋を目指した。
 ボスは金色の光沢を持つスケルトンだった。

「ギルドの資料によれば、ゴールドスケルトンね。メタルスケルトンの一種で、むかつくモンスターの十指に入るわ」
『なんでむかつくんだ』
「ダンジョンでは剥ぎ取りが出来ないから。あまりの勿体なさにむかつくのね。来るわよ」

 相手の武器もメイスだったが。
 俺の練度の方が勝った。
 俺はメイスで頭蓋骨を凹ませてコアを潰した。
 弱い敵だ。
 さっさと次に行こう。
 5階層のザコはゴールドスケルトンにナイトスケルトンの混成軍だった。

『ゴールドスケルトンって弱いな』
「メイスだからそう思うのよ。剣で金属の塊を両断なんて出来ないわ」
『相性の問題か。理解した』

 簡単にボス部屋に到達した。

「次のボスは資料によるとアイアンスケルトンね。ここを突破した駆け出しは誰も居ないわ。中級冒険者じゃないと難しいみたい」
『全身が鉄のスケルトンか。強敵だが、ダイヤモンドカッターの刃がある』
「信じてるわよ」
『よし、行こう』

 イレギュラーなどなくアイアンスケルトンだった。

「カタカタ、カタカタカタ(属性魔導アトリビュートマジック、刃よ回転して切り刻め)」

 先制攻撃だ。
 なんとダイヤモンドカッターの刃が滑った。
 硬い奴だな。

 俺はアイアンスケルトンの首に砂鉄のロープを掛けた。
 引っ張ったが首は抜けない。
 ロープはアイアンスケルトンの鉄の剣で斬られた。

「カタカタ(魔力通販メールオーダー)。カタカタカタ(金ノコ)」

 魔石の魔力で金ノコを買う。
 俺はメイスを金ノコに持ち替え対峙した。
 相手が剣を振り下ろして来たので腕を取り、金ノコで切り始める。

 ふははは。
 腕を切り落としてやったぞ。
 金属支配で腕を奪えば復活もしない。
 アイアンスケルトン本体に金属支配を掛けたが弾かれた。
 やっぱりスケルトンのような訳にはいかないか。

 馬乗りになりアイアンスケルトンの頭蓋骨を金ノコで切ってコアを潰した。
 次の階層はこいつがザコで出て来るんだよな。
 チェーンソーでぶった切る手かな。
 たけど、金属を切るとたぶん刃が鈍ってしまうんだよな。
 今日の探索は終わりだ。
 明日の休日の間に何か考えよう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした

鈴木竜一
ファンタジー
 健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。  しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。  魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ! 【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】  ※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~

夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。 が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。 それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。 漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。 生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。 タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。 *カクヨム先行公開

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

処理中です...