レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

文字の大きさ
上 下
196 / 248
第4章 チタン属性でざまぁ編

第196話 おっさん、脱出する

しおりを挟む
 坑道砦からの第一波の攻撃はこうだ。
 ロックワームをラジコンで釣りだしてダイヤモンド魔導士にぶち当てる。

 坑道でラジコンレースが始まった。
 ラジコンが出口目掛けてひた走る。
 その後ろをすり足で俺が追いかける。
 ロックワームはついてきているかな。

 出口からラジコンが飛び出す。
 そして、ダイヤモンド魔導士に向かって走る。
 タイヤモンド魔導士はラジコンを攻撃だと思ったのか火球で攻撃した。

 突如ダイヤモンド魔導士の下の地面が割れて、魔導士を飲み込んだ。

「よし、どんどん行くぞ」
「任せとけ。ラジコンの操作は覚えた」
「ヘマしてロックワームに飲まれるなよ」
「ああ、心配無用だ」

 5人が操るラジコンが代わる代わる飛び出して、ロックワームを誘導する。
 足音を立てたら駄目なのにダイヤモンド魔導士はどたばた走り回った。
 鉱夫ではないから、ロックワームの習性など知る由もないか。

 ダイヤモンド魔導士達は地中のロックワームを退治しようと躍起になっている。
 死なばもろともと電撃をまとう事を始めた。
 噛みつかれて怪我はするが相手を撃退できる。
 ロックワームの数は徐々に減っていった。
 もうちょっと粘るかと思ったんだがな。
 生き残りは20人ちょっとか。

 まだ、多いな。
 しかし、そろそろ向こうが俺達を生き埋めにしないとも限らない。
 それだけのダメージは与えた。

 次なる手は。

「おい、別の出口は掘れたか」

 3人はラジコンではなく、この作業をやってもらっていた。

「ばっちりだ」
「よし、脱出しよう」

 何も別の出口を作ってはいけないという事はない。
 ほんの少し離れた所から俺達はこっそり出た。

「坑道に居ないと分かったら、追いかけてくるだろうな。普通なら、とても逃げきれないだろう。そこでローラースケートの出番だ」

 ローラースケートを履いてフラフラとする8人。

「履いてはみたけどよう。危なっかしいぜ」
「水晶を配るから、魔導で体の周りに空気のクッションを作れ。そうすれば転がろうが岩に当たろうが問題ないはずだ」
「残りの仲間を忘れてるぜ」
「ああ、50人程の仲間か。彼らの救出は次回だ。俺だって今すぐ助けてやりたいさ。だが、それは無謀というものだ」
「済まない。無理を言った」

 ローラースケートを履いて転がるように道を下る。
 途中アニータを拾うのは忘れない。

 アニータはケラケラ笑いながら、ローラースケートを履いて飛ぶように道を下っていった。
 そう言えば、飛行魔導というものはないな。
 空中で安定を保つのが難しいからか。

 途中、何人か見張り役がいたので、体当たりして排除した。
 なだらかな道まで降りてきてほっと一息つく。

「もう金輪際、この奇妙な靴は履かないからな」
「アニータは面白かったよ。またやりたい」
「はははっ、子供に負けてるぞ」
「生き埋めとどっち酷いかと言われたら、この靴の方だ」
「無駄話はここまでだ。皆にはダイヤモンド魔導士の非道を訴えて貰いたい。そうすれば水晶魔導士が蜂起するだろう」
「分かった。俺達が生き証人だ。なんとしてでもこの事実を伝える」

「決意が固まったところでローラースケートのでっかいのだ。だが、靴ではないぞ。乗り物だ」
「勘弁してくれよ」
「大丈夫さ。怖くない。風を切って進むのは気持ちいいぞ」

 スクーターを出して、乗り方を教える。
 最初はのろのろ運転だったが、徐々にスピードを上げて馬より早く走れるようになった。
 もよりの鉱山に彼らを届ける事ができた。
 まだ、50人、助けないといけない奴がいる。
 それに2級市民の鉱夫もまだだ。

 あのダイヤモンド鉱山は守りを固めているだろうな。
 正面突破は難しい。
 異世界ベティナ産のライフルと弾が買えるが猫に小判だな。
 なぜなら、俺の銃の腕では無理だ。
 当てる自信が少しもない。

 夜戦だな。
 光学迷彩と暗視スコープを駆使して、一人ずつ始末しよう。
 金属のワイヤーと耐電グローブを使えば訳ないはずだ。

「アニータ、おじさんは少し夜遊びに行ってくる。大人しくこの鉱山で待っててくれ」
「親子ごっこはもういいの。楽しかったのに」
「夜遊びには突っ込まないのだな」
「私ぐらいになれば男の夜遊びの一つや二つ許すわよ。彼氏だったら殺すけどね」

 どこまで分かっているんだか。
 何となく毒気を抜かれたが、気負っているよりは良い。
 さあ、仕事の時間だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした

鈴木竜一
ファンタジー
 健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。  しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。  魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ! 【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】  ※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~

夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。 が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。 それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。 漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。 生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。 タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。 *カクヨム先行公開

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

処理中です...