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第3章 分解スキルでざまぁ編
第147話 おっさん、黒幕と話し合いをする
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高そうな料亭に呼び出された。
女将に案内され座敷に座る。
哲候さんは俺より先に来ていた。
「早いな」
「今日の話し合いは遅れる訳にいかないので」
「ところで魔貨の外国での流通はどうなった」
「順調ですよ。貨幣の中に暗号が仕組まれているので信用性も高いです」
「魔力回路が役に立って良かったよ」
「しかし、魔力回路の発展はすさまじいですね。ラジオ止まりだった技術があっと言う間にコンピューターだ」
「ひな形があったからな」
「あなたが主張する異世界産のあれですね」
「そうだな。あれがなかったら、こんな短期間で事は運ばない」
「おや来たようです」
ふすまが開き老人と若い男が入ってきた。
「小僧つけあがるなよ。わしは引退などせん」
「挨拶がいきなりこれか」
「まあまあ、落ち着いて」
若い男が宥めた。
「交渉はもう済んでいると聞いていたが、間違いだったか」
「そこはまあ色々とありまして」
そう哲候さんが申し訳なさそうに言った。
「俺は徹底抗戦でも良いんだけどな」
「なんとかなりませんかね」
若い男が困ったような顔をして言った。
「物の需要が上がれば上がるほど価値は高まる。これは摂理だ。魔力回路は俺が特許を取っているが誰にでも作れる。魔石を魔力発電だけに使う時代は終わったんだよ」
「ふん、安く買い叩けばいいじゃろ」
「それが時代遅れなんだよ」
「この若造はわしを時代遅れだと言いおった。許さんぞ」
「だが、時代の流れは止められない。俺の会社以外でも魔力回路は作っている。後戻りはしないんだよ」
「話にならん」
「ちょっと良いですか」
若い男がそう言って手を挙げた。
「議員の多くは例のポーションが手に入らないと困る訳でして、あなたには引退してもらうように結論が出ています。ごねるのも良いですが、悪行の証拠は掴んでます。刑務所に入りたいなら別ですが」
「よってたかって、何たる仕打ち。わしが今までどれだけ尽くしたか」
「献金なら、全て返却済みです」
「野党にリークする事も出来るのだぞ」
「やめましょうよ。分かるでしょ。大した追及もされずにうやむやになるだけです。ダメージはさほどありません」
「とにかくわしは引退などせん」
「困りましたね。私どもは別にいいのですが、戦車の報告を読んでないのですか。粉々ですよ。異星人のテクノロジーに敵う訳などない。彼が本気になってないだけです」
「確かに本気になれば世界中のどこにいようと殺せるな」
「ほら、彼もああ言ってますし」
「ぐぬぬ。わしは帰る」
老人は席を立つと出て行った。
「仕方ありませんね。今日は顔合わせという事で」
「ところで誰も自己紹介してくれないのだが」
「これは失礼を。私はある議員の秘書を務めております。あの老人は影の帝王などと呼ばれているそうです。興味があれば調べて下さい」
「哲候さんは何もないのか」
「私は見届け役でして」
「じゃあ、俺は帰るよ。次回までに影の帝王を説得しておいてくれ」
「ええ、必ず」
料亭を出た途端、銃で撃たれた。
魔力壁に当たって銃弾が受け止められる。
無駄なのに。
さて、あの老人の事を調べないと。
週刊誌の記者に電話して影の帝王について教えてくれと言ったら、記者はうろたえた。
大物なんだな。
電話では話せないというので、居酒屋へ行く。
ビールを一杯、枝豆をつまみにちびちびとやる。
飲み終わった所で記者が到着した。
「肝が冷えるような電話は掛けて来ないで下さいよ」
「そんなに大物なのか」
「ええ」
「まず、名前からだ」
「八咫老人です。下の名前は不明。歳も不明。経歴も不明。ほどんと不明です」
「叩けば埃がでそうだな」
「書きませんからね。俺だって命は惜しい」
「悪事の詳細は良いや。書けないんじゃあ仕方ない」
「彼に狙われて生きている人間はいません」
「俺は狙われたが、生きてるぞ」
「そりゃ、山田さんだからでしょう」
さて、どう攻めるか。
記者が尻込みするようじゃ、スキャンダルは難しいな。
ここは一つ様子見をしよう。
相手の出方でこちらの対応を決める。
武力行使に出てくるようなら、自宅まで文句を言いに行こう。
あの若い議員秘書なら八咫の住所を知っているはずだ。
さあ、どんな手でくるかな。
爆弾のごっついのを持ってくるしか俺を仕留められないと分かっているはずだ。
だが、あからさまなテロはないだろうな。
この国の国民は平和ボケしているが、一般人が巻き込まれるとマスコミも黙っていない。
この先の展開が少し楽しみだ。
女将に案内され座敷に座る。
哲候さんは俺より先に来ていた。
「早いな」
「今日の話し合いは遅れる訳にいかないので」
「ところで魔貨の外国での流通はどうなった」
「順調ですよ。貨幣の中に暗号が仕組まれているので信用性も高いです」
「魔力回路が役に立って良かったよ」
「しかし、魔力回路の発展はすさまじいですね。ラジオ止まりだった技術があっと言う間にコンピューターだ」
「ひな形があったからな」
「あなたが主張する異世界産のあれですね」
「そうだな。あれがなかったら、こんな短期間で事は運ばない」
「おや来たようです」
ふすまが開き老人と若い男が入ってきた。
「小僧つけあがるなよ。わしは引退などせん」
「挨拶がいきなりこれか」
「まあまあ、落ち着いて」
若い男が宥めた。
「交渉はもう済んでいると聞いていたが、間違いだったか」
「そこはまあ色々とありまして」
そう哲候さんが申し訳なさそうに言った。
「俺は徹底抗戦でも良いんだけどな」
「なんとかなりませんかね」
若い男が困ったような顔をして言った。
「物の需要が上がれば上がるほど価値は高まる。これは摂理だ。魔力回路は俺が特許を取っているが誰にでも作れる。魔石を魔力発電だけに使う時代は終わったんだよ」
「ふん、安く買い叩けばいいじゃろ」
「それが時代遅れなんだよ」
「この若造はわしを時代遅れだと言いおった。許さんぞ」
「だが、時代の流れは止められない。俺の会社以外でも魔力回路は作っている。後戻りはしないんだよ」
「話にならん」
「ちょっと良いですか」
若い男がそう言って手を挙げた。
「議員の多くは例のポーションが手に入らないと困る訳でして、あなたには引退してもらうように結論が出ています。ごねるのも良いですが、悪行の証拠は掴んでます。刑務所に入りたいなら別ですが」
「よってたかって、何たる仕打ち。わしが今までどれだけ尽くしたか」
「献金なら、全て返却済みです」
「野党にリークする事も出来るのだぞ」
「やめましょうよ。分かるでしょ。大した追及もされずにうやむやになるだけです。ダメージはさほどありません」
「とにかくわしは引退などせん」
「困りましたね。私どもは別にいいのですが、戦車の報告を読んでないのですか。粉々ですよ。異星人のテクノロジーに敵う訳などない。彼が本気になってないだけです」
「確かに本気になれば世界中のどこにいようと殺せるな」
「ほら、彼もああ言ってますし」
「ぐぬぬ。わしは帰る」
老人は席を立つと出て行った。
「仕方ありませんね。今日は顔合わせという事で」
「ところで誰も自己紹介してくれないのだが」
「これは失礼を。私はある議員の秘書を務めております。あの老人は影の帝王などと呼ばれているそうです。興味があれば調べて下さい」
「哲候さんは何もないのか」
「私は見届け役でして」
「じゃあ、俺は帰るよ。次回までに影の帝王を説得しておいてくれ」
「ええ、必ず」
料亭を出た途端、銃で撃たれた。
魔力壁に当たって銃弾が受け止められる。
無駄なのに。
さて、あの老人の事を調べないと。
週刊誌の記者に電話して影の帝王について教えてくれと言ったら、記者はうろたえた。
大物なんだな。
電話では話せないというので、居酒屋へ行く。
ビールを一杯、枝豆をつまみにちびちびとやる。
飲み終わった所で記者が到着した。
「肝が冷えるような電話は掛けて来ないで下さいよ」
「そんなに大物なのか」
「ええ」
「まず、名前からだ」
「八咫老人です。下の名前は不明。歳も不明。経歴も不明。ほどんと不明です」
「叩けば埃がでそうだな」
「書きませんからね。俺だって命は惜しい」
「悪事の詳細は良いや。書けないんじゃあ仕方ない」
「彼に狙われて生きている人間はいません」
「俺は狙われたが、生きてるぞ」
「そりゃ、山田さんだからでしょう」
さて、どう攻めるか。
記者が尻込みするようじゃ、スキャンダルは難しいな。
ここは一つ様子見をしよう。
相手の出方でこちらの対応を決める。
武力行使に出てくるようなら、自宅まで文句を言いに行こう。
あの若い議員秘書なら八咫の住所を知っているはずだ。
さあ、どんな手でくるかな。
爆弾のごっついのを持ってくるしか俺を仕留められないと分かっているはずだ。
だが、あからさまなテロはないだろうな。
この国の国民は平和ボケしているが、一般人が巻き込まれるとマスコミも黙っていない。
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