69 / 248
第2章 異世界帰還でざまぁ編
第69話 おっさん、骨肉の争いを制す
しおりを挟む
入ってきたのは虎時達、四人組だった。
「今なら冗談で済ましてやる。消えろ」
「叔父さん、もう後には引けません」
「そうか、やるって言うんだな」
俺はトイレのすっぽんをアイテムボックスから取り出した。
「予知。ラバーカップでトラを殴ってくる」
片貝がスキルを発動した。
こいつのスキルは予知か。
だが、甘い。
いちいち仲間に警告していたら、俺は違う手段をとる。
モンスター相手になら無双なのだろうな。
俺は標的を上泉に変えて殴り掛かった。
「念動」
ふん、少し体が重くなったが手加減には丁度いい。
バコンと音を立ててトイレのすっぽんが上泉に叩きこまれた。
いっちょ上がり。
「発火」
三俣の能力は発火か。
ふん、少しも熱くないな。
「なんで効かないんだ。寄るな化け物」
トイレのすっぽんが三俣に叩きこまれた。
こいつはちょろいな。
「予知。来るな、来るな。来ないで」
予知って役に立たないな。
やはり一撃のもとに地に伏した。
「叔父さんが悪いんだ」
虎時は鉄串を取り出して言った。
「トラ、さっさと掛かってこい」
「転移」
鉄串が虎時の手から消え、次の瞬間、虎時の腹に突き刺さっていた。
何だ、自滅したぞ。
俺は警備員を呼んだ。
四人は警察に引き渡された。
襲撃の様子はダンジョンレコーダーでしっかりと記録されていたので証拠はばっちりだ。
扉を破壊した時にスイッチが入ったのだろう。
馬鹿なやつらだ。
ノックすりゃいいものを。
◆◆◆
気を取り直して会長職に励むとしよう。
まず、青汁という名のポーション工場を作る計画を立てた。
薬草の栽培は農家に頼めばいい。
作り方は簡単で、薬草をミキサーにかけて魔法陣の上に置いたら、魔力を注げば出来上がりだ。
魔力を持っていれば誰にでも出来る仕事だ。
さて、ポーションはこれでいい。
問題はダンジョン制覇だ。
次も加速銃身つきピストルで一撃とはいかないだろうから、正攻法で臨む必要がある。
ゴミ問題もなんとかしないといけない。
山田家との確執も解消しないとな。
やりたくはないが、一週間後、俺は親父を呼び出した。
「お前の事を見損なったぞ。虎時を上手い事使って穏便に行くことを願ってた」
会った早々そう言われた。
喧嘩を売っているんだよね。
いくら親父でも許せない。
「親父が画策するからだ。虎時が刑務所に入って満足か」
「お前はなんということを。お前の勘当は一生解かん」
「いいさ、山田ダンジョンコーポレーションは頂く」
「臨時株主総会を開いて会長職から追い出してやる」
「ダンジョンとその周りの土地は俺の物だが、どうするんだ」
「決まっとるだろう。騙されて取られたと訴える。国の政治家に知り合いが何人もいる。分かっているな」
「そうか、じゃ俺が買った値段の倍出せば売ってやる。それと青汁部門と魔力回路部門は別会社にして貰っていく」
「よかろう。手切れ金だ」
ついに親父と決別する日が来たようだ。
俺は正攻法で山田ダンジョンを攻略する事を誓った。
ボス敵は虎時ではなく親父だったという事だろう。
山田ダンジョンコーポレーションの株を買い漁って正攻法で乗っ取ってやる。
時価総額3000億もなんのその。
そう決めた。
◆◆◆
「公国データバンクです。本日は何をお求めでしょうか」
公国データバンクは会員制の情報会社だ。
会社の情報から冒険者の情報やモンスターの情報など多種多様な情報を扱う。
「転移魔法の情報が欲しい」
「一件あたり百万円の情報料となりますが、よろしいでしょうか」
「頼む」
「転移は空間魔法の一つです。魔力の消費が高いのが特徴となります」
「弱点はないのか」
「下層のモンスターの体の中に物体を入れようとすると、不発に終わる事があります」
「はじかれたりするのか」
「ええ、そういう情報があります」
分かった。たぶん魔力壁を突破できなかったのだな。
俺の魔力壁が強固だったから、物凄い勢いではじかれて自滅したと。
発火も魔力壁を突破できなかったのだと思う。
「ありがとな」
「ご利用ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」
少し引っかかっていた疑問が解けた。
公国データバンク、良い物を紹介してもらった。
魔力回路さまさまだ。
魔力回路売買で得た伝手がかなり活きている。
やっぱり、御手洗さんには謝りに行こう。
縁は大切にしないとな。
そして、アエモ青汁株式会社を設立できたことだし、明日から青汁を売りまくるぞ。
ちなみにアエモは嫁三人の最初の文字をつなぎ合わせた。
「今なら冗談で済ましてやる。消えろ」
「叔父さん、もう後には引けません」
「そうか、やるって言うんだな」
俺はトイレのすっぽんをアイテムボックスから取り出した。
「予知。ラバーカップでトラを殴ってくる」
片貝がスキルを発動した。
こいつのスキルは予知か。
だが、甘い。
いちいち仲間に警告していたら、俺は違う手段をとる。
モンスター相手になら無双なのだろうな。
俺は標的を上泉に変えて殴り掛かった。
「念動」
ふん、少し体が重くなったが手加減には丁度いい。
バコンと音を立ててトイレのすっぽんが上泉に叩きこまれた。
いっちょ上がり。
「発火」
三俣の能力は発火か。
ふん、少しも熱くないな。
「なんで効かないんだ。寄るな化け物」
トイレのすっぽんが三俣に叩きこまれた。
こいつはちょろいな。
「予知。来るな、来るな。来ないで」
予知って役に立たないな。
やはり一撃のもとに地に伏した。
「叔父さんが悪いんだ」
虎時は鉄串を取り出して言った。
「トラ、さっさと掛かってこい」
「転移」
鉄串が虎時の手から消え、次の瞬間、虎時の腹に突き刺さっていた。
何だ、自滅したぞ。
俺は警備員を呼んだ。
四人は警察に引き渡された。
襲撃の様子はダンジョンレコーダーでしっかりと記録されていたので証拠はばっちりだ。
扉を破壊した時にスイッチが入ったのだろう。
馬鹿なやつらだ。
ノックすりゃいいものを。
◆◆◆
気を取り直して会長職に励むとしよう。
まず、青汁という名のポーション工場を作る計画を立てた。
薬草の栽培は農家に頼めばいい。
作り方は簡単で、薬草をミキサーにかけて魔法陣の上に置いたら、魔力を注げば出来上がりだ。
魔力を持っていれば誰にでも出来る仕事だ。
さて、ポーションはこれでいい。
問題はダンジョン制覇だ。
次も加速銃身つきピストルで一撃とはいかないだろうから、正攻法で臨む必要がある。
ゴミ問題もなんとかしないといけない。
山田家との確執も解消しないとな。
やりたくはないが、一週間後、俺は親父を呼び出した。
「お前の事を見損なったぞ。虎時を上手い事使って穏便に行くことを願ってた」
会った早々そう言われた。
喧嘩を売っているんだよね。
いくら親父でも許せない。
「親父が画策するからだ。虎時が刑務所に入って満足か」
「お前はなんということを。お前の勘当は一生解かん」
「いいさ、山田ダンジョンコーポレーションは頂く」
「臨時株主総会を開いて会長職から追い出してやる」
「ダンジョンとその周りの土地は俺の物だが、どうするんだ」
「決まっとるだろう。騙されて取られたと訴える。国の政治家に知り合いが何人もいる。分かっているな」
「そうか、じゃ俺が買った値段の倍出せば売ってやる。それと青汁部門と魔力回路部門は別会社にして貰っていく」
「よかろう。手切れ金だ」
ついに親父と決別する日が来たようだ。
俺は正攻法で山田ダンジョンを攻略する事を誓った。
ボス敵は虎時ではなく親父だったという事だろう。
山田ダンジョンコーポレーションの株を買い漁って正攻法で乗っ取ってやる。
時価総額3000億もなんのその。
そう決めた。
◆◆◆
「公国データバンクです。本日は何をお求めでしょうか」
公国データバンクは会員制の情報会社だ。
会社の情報から冒険者の情報やモンスターの情報など多種多様な情報を扱う。
「転移魔法の情報が欲しい」
「一件あたり百万円の情報料となりますが、よろしいでしょうか」
「頼む」
「転移は空間魔法の一つです。魔力の消費が高いのが特徴となります」
「弱点はないのか」
「下層のモンスターの体の中に物体を入れようとすると、不発に終わる事があります」
「はじかれたりするのか」
「ええ、そういう情報があります」
分かった。たぶん魔力壁を突破できなかったのだな。
俺の魔力壁が強固だったから、物凄い勢いではじかれて自滅したと。
発火も魔力壁を突破できなかったのだと思う。
「ありがとな」
「ご利用ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」
少し引っかかっていた疑問が解けた。
公国データバンク、良い物を紹介してもらった。
魔力回路さまさまだ。
魔力回路売買で得た伝手がかなり活きている。
やっぱり、御手洗さんには謝りに行こう。
縁は大切にしないとな。
そして、アエモ青汁株式会社を設立できたことだし、明日から青汁を売りまくるぞ。
ちなみにアエモは嫁三人の最初の文字をつなぎ合わせた。
59
お気に入りに追加
1,190
あなたにおすすめの小説

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした
鈴木竜一
ファンタジー
健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。
しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。
魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ!
【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】
※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~
夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。
が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。
それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。
漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。
生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。
タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。
*カクヨム先行公開

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる