レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

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第2章 異世界帰還でざまぁ編

第58話 おっさん、ポーター講習を受ける

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 市役所の一室に入る。
 ここで今日から講習だ。

「ポーター講習を始める」

 講習が始まった

 まとめると。
 ポーターはダンジョンで獲得した物について権利を主張できない。
 銃火器の使用は禁じられている。
 護身用の武器は認められている。
 保険に入らなければならない。
 パーティと雇用契約を結ばなければならない。
 といった事柄について説明された。

 雇用契約は政府のダンジョン庁に記録が保管されるから、ブラック企業というのはあり得ない。
 最低賃金や待遇が保証されているからだ。
 ここは日本だから、当たり前だよな。

 モンスターの情報をレクチャーされる。
 情報にないモンスターもいるらしく、油断しないように言われた。

「これで講習は終わりです。保険会社が来ていますので、差し支えない方は加入して下さい」

 政府とべったりの保険会社なんだろうな。
 のぼりを見るとコマーシャルをやっているような大手はみんな来ていた。
 俺はカラスのマークの保険会社の所にいった。

「保険に加入したいんだが」
「段位は持っていますか」
「ええと、武術の段位?」
「ええ、政府公認の道場の段位があると保険料がお安くなります」
「持ってないよ」
「これから、体力測定を受けてもらいます」
「ああ、運動神経の良い奴は保険料が下がると」
「そうですね」

 俺は素直に申込書の欄を埋めた。
 案内された市役所の広場で散々かけっこして、跳躍や握力などの数値を測る。

「F判定です」
「ちなみにそれはどのくらいの物」
「中年の男性がジョギングの運動で鍛えている程度です」

 レベル1なら、そんなもんだよな。
 レベルが上がるとたぶん保険料は下がるんだろう。
 保険にも入れたので、市役所に書類を出した。

 一応、書類審査があるそうだ。
 後日、許可証は発行される。

  ◆◆◆

 次なる準備は。
 俺はダンジョンわきにある武具店に入った。
 鎧というかプロテクターを一式買う。
 そして武装はメイスだ。
 武具店で10万円ほど使ってしまった。
 必要経費だとはいえ勿体ない気がする。

 図書館で魔石の利用について調べる。
 魔石の使用方法は燃料一択らしい。
 クリーンエネルギーとして運用されている。
 地球らしい利用法だな。

 おあつらえ向きだ。
 一攫千金の手として魔道具が使える。
 ここで魔力通販大活躍。
 なんと銅貨10枚の魔道具の本があったのだ。
 それは異世界に飛ばされた時にスラムで初めて手にした本だった。
 スラムの住人から銅貨10枚で譲ってもらったのだ。
 異世界で長く俺の愛読書となっていた。
 いでよ魔法陣手引書。

 魔法陣を魔力回路として特許登録すれば、大金持ちになる事、請け合いだ。
 弁理士の事務所に行って、魔力チェック魔力回路を一つ登録した。
 これを実際に作るのは魔石の粉と異世界モンスターの血液と異世界植物の樹液が必要だ。
 魔力通販で材料は買えた。

 地球でこれを作れるのは今のところ俺だけだ。
 魔力計という名前で売り出そうと思う。
 ステータスと用途が被るが、警備や色んな場面で使えるだろう。
 食いついて来る中小企業があると嬉しいが。

 数日後。
 ポーター許可証を受け取り、ダンジョン行の準備は整った。
 そして、営業活動の結果。
 魔力回路はある中小企業から打診を受けた。

 今日はその打ち合わせだ。

「お忙しいところお手間を取らせてすみません」
「いえいえ、我々は新技術には興味があります」
「ではさっそく」

 俺は魔法陣を取り出した。
 魔法陣に魔力を通すと、光の帯が現れる。

「おー、凄いですね。ステータスをしなくても魔力の大きさが分かると。これと電子部品を併用すれば、デジタル表示も可能ですね」
「どうですかね」
「まずは医療用ですね。意識を失ってステータスが出来ない人間の魔力が測れます」
「それって意味があるのですか」
「魔力が少なくなると気絶する奇病があるのですよ。それの判別に使えます」
「なるほど」

「魔力を充填する時の料金の判別にも使えます」
「魔力を充填する会社があるのですか」
「魔力銀行ですよ。知りませんか」
「ええ」
「魔力を売り買いしています。生産系のスキル持ちは重宝するみたいです。昔は血を売って貧乏学生が金にする時代でしたが、今は魔力を売る時代です」
「なるほど」

 サンプルをその企業に渡した。
 商品化までこぎつければいいんだが。

 まだ特許に登録されていないが、出願中でも商品化はできる。
 出願したという事が重要だ。
 真似された場合訴える事が出来る。

 もう一つぐらい魔力回路を特許登録するか。
 何が良いだろう。
 水を出す魔法陣なんてどうだろうか。
 色んな用途に使えるはずだ。

 火を出す魔法陣が良かったのだが、存在しない。
 魔法は触媒がないと実行できないからだ。
 水は空気中にあるので問題ない。
 熱はぎりぎりいける。
 魔石発電は熱に変換しているのだろう。
 何度も繰り返し使えるカイロなんかも、後で挑戦してみたい。

 弁理士に特許の申請を頼んだ。
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