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第1章 異世界転移でざまぁ編
第42話 おっさん、決闘する
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ある派閥の長の屋敷で門番に用件を告げる。
門前払いを喰らったら次にさっさと行くつもりだ。
待っていたら、執事服の男が現れた。
「執事を務めている、フォンソです。リベリオ様がお会いになるそうです」
執事に案内され部屋に通された。
「ようこそ、リベリオ・アレグフォードだ。君はSランクなんだって」
リベリオは俺と同年代の金髪で貴公子然とした雰囲気を持っていた。
若い時はさぞかしもてたと思われる。
「はじめまして、ムニだ。礼儀がなっていないのは勘弁してくれ。スラムの出なんだ」
「単刀直入に聞こう。どうしたい」
「二人は継承権を放棄したいそうだから、後腐れなく平和に暮らせるようにしてやりたい」
「継承権は一筆書いてもらえば放棄できる。とりあえずのごたごたの解決はシムドアに決闘を挑んでもらいたい」
「どういう訳で?」
「私は先代の息子なんだ。シムドアは今の当主の息子でね。魔法の腕を鼻に掛けて勢力を伸ばしている。情報収集の大切さも分からないお馬鹿さんなんだけど、強くて手に負えない」
「へこましてやりゃあ良いんだな。逆効果な気もするが」
「冒険者に決闘で負けたとなれば隙が出来る。その隙に付け込んで派閥の勢力を削るから、当分は継承権を放棄した者など構ってられないだろう」
「アレグフォード侯爵はもう長くないのか?」
「かなり悪いと聞いている。できれば決闘は急いでくれ」
シムドアの立ち回り先を聞いて屋敷から出た。
一人目から当たりを引いたようだ。
信用できるかは別にして、とりあえず決闘してみるか。
◆◆◆
俺はシムドアの立ち回り先の一つの酒場で張り込んだ。
チンピラを引き連れた一団がやって来た。
あれだな、リベリオに聞いた人相と一致する。
シムドアは十代後半の若者で真っ赤な髪をおっ立てた奇抜なヘアスタイルをしていた。
「シムドア! よくも俺のかわいい奴隷にちょっかい掛けてくれたな。決闘だ。表に出ろ!」
「俺に決闘を挑んでくるとは愚かな奴め。受けてやる」
「坊ちゃん、こいつ強いですぜ。止めておいた方がいいんじゃ」
チンピラの一人、俺の家に襲撃に来た奴が言った。
「俺が負けると言うのか。黙って見てろ」
俺とシムドアは大通りで向かい合う。
「何時でも良いぜ。初手は譲ってやる」
俺は余裕の表情で挑発した。
「むかつく奴だ。減らず口を叩きやがって。槌!」
リベリオの風魔法で押される。
魔力壁があるからドラゴンの物理攻撃にも耐えるんだけど押されるんだよ。
俺は風対策の重りが入ったリュックを背負った。
「しぶとい奴め。槌!」
俺はシムドアにゆっくりと歩み寄る。
「効かないか。ならば。弩砲!」
もの凄い大きさの土魔法の砲弾が飛んでくる。
俺は素手で余裕を持って叩き落とした。
「ちきしょう、こうなったら奥の手だ。風魔法に毒を加えた必殺技だ。射撃!」
シムドアは小瓶の中身の粉をばら撒き、魔法を発動させた。
態々手口を言って警告してくれるとはな。お馬鹿も極まれりだな。
俺は防毒マスクを被る。
トラップ・ダンジョンを攻略した後に気づいたんだが、防毒マスクがあったと。
サバイバルゲームをやるとき気分を出す為にどうかという提案があったので、ネット通販を使って調べた事がある。
息苦しいだろうという反対意見に提案はボツになった。
ダンジョンを攻略した後に急いで購入したのだ。
今ここで役に立つとは世の中何があるか分からない。
風魔法を体で受け、俺は余裕で距離を詰めた。
「もう終わりか。坊やはお眠の時間だ」
俺の異様にくぐもった声を聞いてシムドアは後ずさる。
「やめろ、近づくな」
恐怖に引き攣った顔のシムドアを俺はトイレのすっぽんで殴った。
シムドアが崩れ落ちる。
ドロップ品を身に付けていなかったのだな。
意外に思ったが、魔法の腕を過信していたのだろう。
俺は防毒マスクを脱ぎ、唾をシムドアに吐く。
「はんっ、アレグフォードの坊ちゃんもたいした事がない! とんだ口先野郎だ! 一撃で沈むとはな! 起きたら良くいっておくんだな! 人にちょっかい掛ける時は相手を選べってな!」
俺は悪役を気取り大声で言ってから立ち去った。
こうしておけば、シムドアの憎悪は俺に向くだろう。
なぜ、エリナとモニカの情報が情報に疎いリベリオに漏れたかはケイムに聞いて分かった。
クレアさんの夫はルベルトという名前らしい。
そして、クレアさんの治療の為のポーションを都合する為にケイムがルベルトから聞いていた伝手を使ってしまった。
ケイムはクレアさん夫婦とは冒険者をやっている時からの付き合いで、ルベルトとケイムは家族の誓いを交わしている。
その為、家族のクレアさんも知らない夫の出自を知っていたのだろう。
クレアさんは夫が暗殺者に殺され、乳飲み子の姉妹を連れてスラムに逃げてきたとケイムに聞いた。
クレアさんの面倒見が良かったのは義兄弟の家族だからだろう。
ケイムはアクリル板が大量に欲しいと言って来る。
この事態は予想していたからダンジョンコアの魔力で買ったアクリル板を大量に売った。
◆◆◆
夜になり。
「今日はエリナか?」
「報告を聞いた時にお礼は言ったけど、色々とありがとう。今夜は楽しみましょ」
「よし、おっさん頑張るぞ」
そのまあ、なんだ。そういう事で。
その後人づてに聞いたが、侯爵はリベリオが継いだらしい。
まあ、こちらに迷惑が掛からなければ誰でも良いんだが。
門前払いを喰らったら次にさっさと行くつもりだ。
待っていたら、執事服の男が現れた。
「執事を務めている、フォンソです。リベリオ様がお会いになるそうです」
執事に案内され部屋に通された。
「ようこそ、リベリオ・アレグフォードだ。君はSランクなんだって」
リベリオは俺と同年代の金髪で貴公子然とした雰囲気を持っていた。
若い時はさぞかしもてたと思われる。
「はじめまして、ムニだ。礼儀がなっていないのは勘弁してくれ。スラムの出なんだ」
「単刀直入に聞こう。どうしたい」
「二人は継承権を放棄したいそうだから、後腐れなく平和に暮らせるようにしてやりたい」
「継承権は一筆書いてもらえば放棄できる。とりあえずのごたごたの解決はシムドアに決闘を挑んでもらいたい」
「どういう訳で?」
「私は先代の息子なんだ。シムドアは今の当主の息子でね。魔法の腕を鼻に掛けて勢力を伸ばしている。情報収集の大切さも分からないお馬鹿さんなんだけど、強くて手に負えない」
「へこましてやりゃあ良いんだな。逆効果な気もするが」
「冒険者に決闘で負けたとなれば隙が出来る。その隙に付け込んで派閥の勢力を削るから、当分は継承権を放棄した者など構ってられないだろう」
「アレグフォード侯爵はもう長くないのか?」
「かなり悪いと聞いている。できれば決闘は急いでくれ」
シムドアの立ち回り先を聞いて屋敷から出た。
一人目から当たりを引いたようだ。
信用できるかは別にして、とりあえず決闘してみるか。
◆◆◆
俺はシムドアの立ち回り先の一つの酒場で張り込んだ。
チンピラを引き連れた一団がやって来た。
あれだな、リベリオに聞いた人相と一致する。
シムドアは十代後半の若者で真っ赤な髪をおっ立てた奇抜なヘアスタイルをしていた。
「シムドア! よくも俺のかわいい奴隷にちょっかい掛けてくれたな。決闘だ。表に出ろ!」
「俺に決闘を挑んでくるとは愚かな奴め。受けてやる」
「坊ちゃん、こいつ強いですぜ。止めておいた方がいいんじゃ」
チンピラの一人、俺の家に襲撃に来た奴が言った。
「俺が負けると言うのか。黙って見てろ」
俺とシムドアは大通りで向かい合う。
「何時でも良いぜ。初手は譲ってやる」
俺は余裕の表情で挑発した。
「むかつく奴だ。減らず口を叩きやがって。槌!」
リベリオの風魔法で押される。
魔力壁があるからドラゴンの物理攻撃にも耐えるんだけど押されるんだよ。
俺は風対策の重りが入ったリュックを背負った。
「しぶとい奴め。槌!」
俺はシムドアにゆっくりと歩み寄る。
「効かないか。ならば。弩砲!」
もの凄い大きさの土魔法の砲弾が飛んでくる。
俺は素手で余裕を持って叩き落とした。
「ちきしょう、こうなったら奥の手だ。風魔法に毒を加えた必殺技だ。射撃!」
シムドアは小瓶の中身の粉をばら撒き、魔法を発動させた。
態々手口を言って警告してくれるとはな。お馬鹿も極まれりだな。
俺は防毒マスクを被る。
トラップ・ダンジョンを攻略した後に気づいたんだが、防毒マスクがあったと。
サバイバルゲームをやるとき気分を出す為にどうかという提案があったので、ネット通販を使って調べた事がある。
息苦しいだろうという反対意見に提案はボツになった。
ダンジョンを攻略した後に急いで購入したのだ。
今ここで役に立つとは世の中何があるか分からない。
風魔法を体で受け、俺は余裕で距離を詰めた。
「もう終わりか。坊やはお眠の時間だ」
俺の異様にくぐもった声を聞いてシムドアは後ずさる。
「やめろ、近づくな」
恐怖に引き攣った顔のシムドアを俺はトイレのすっぽんで殴った。
シムドアが崩れ落ちる。
ドロップ品を身に付けていなかったのだな。
意外に思ったが、魔法の腕を過信していたのだろう。
俺は防毒マスクを脱ぎ、唾をシムドアに吐く。
「はんっ、アレグフォードの坊ちゃんもたいした事がない! とんだ口先野郎だ! 一撃で沈むとはな! 起きたら良くいっておくんだな! 人にちょっかい掛ける時は相手を選べってな!」
俺は悪役を気取り大声で言ってから立ち去った。
こうしておけば、シムドアの憎悪は俺に向くだろう。
なぜ、エリナとモニカの情報が情報に疎いリベリオに漏れたかはケイムに聞いて分かった。
クレアさんの夫はルベルトという名前らしい。
そして、クレアさんの治療の為のポーションを都合する為にケイムがルベルトから聞いていた伝手を使ってしまった。
ケイムはクレアさん夫婦とは冒険者をやっている時からの付き合いで、ルベルトとケイムは家族の誓いを交わしている。
その為、家族のクレアさんも知らない夫の出自を知っていたのだろう。
クレアさんは夫が暗殺者に殺され、乳飲み子の姉妹を連れてスラムに逃げてきたとケイムに聞いた。
クレアさんの面倒見が良かったのは義兄弟の家族だからだろう。
ケイムはアクリル板が大量に欲しいと言って来る。
この事態は予想していたからダンジョンコアの魔力で買ったアクリル板を大量に売った。
◆◆◆
夜になり。
「今日はエリナか?」
「報告を聞いた時にお礼は言ったけど、色々とありがとう。今夜は楽しみましょ」
「よし、おっさん頑張るぞ」
そのまあ、なんだ。そういう事で。
その後人づてに聞いたが、侯爵はリベリオが継いだらしい。
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