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第1章 異世界転移でざまぁ編
第29話 Side:エイシス 挑発
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僕のパーティはアイテムボックス持ちの冒険者イシュトンを新たに加え、遠征の為に別の街に来ていた。
女の子を三人連れた冒険者パーティがギルドの入り口から入って来た。
「リーダー、あれ見ろよ。おっさんじゃないのか?」
シーマスが苦虫を噛み潰したような表情で喋る。
「ほんとだ。どうやって助かったんだろ?」
ビジが能天気な口調で話す。
僕は目を疑った。生きていたなんて、せっかくパーティが軌道に乗ってきたところなのに。
僕はおっさんに近寄り話掛ける。
「ひさしぶりですね」
「なんだ? 誰だと思えば、弱虫の玉無し野郎か。たかが、ゴブリンに追われて逃げ回っていたんだったな」
「なんだと貴様! 斬撃!!」
僕はかっとなってスキルを発動して切り掛かっていた。
おっさんはなんと素手で剣を受け止めている。
「軽い斬撃だ。そして、とろい。ハエが止まるかと思った」
おっさんはそう言うと剣を握り潰した。
「エイシスさん、罰金です。今度何かやったら降格です。最悪は除名もあると思って下さい」
受付から女の子が飛び出してきて言った。
俺はおっさんを睨みつけ、胸倉を掴もうとした。
それを背後から伸びてきた手が掴んで止める。
「リーダー、それ以上は良くない」
ディドルが冷静に制止する。
「そうそう、あの件だったら言わないでおいてやる。お情けだ」
「偉そうに、何様だ」
おっさんの言葉に再び切れそうになって僕は言葉を返す。
「Sランク様だ。文句あるか」
おっさんの言に僕は耳を疑った。
「嘘だ。証拠はあるのか?」
「ほら、ギルドカードだ。Sランクって表示されているだろう」
僕は今度は目を疑った。
「イカサマだ! 詐欺だ!」
「リーダー、私はその人と何があったのかは存じませんが。そろそろ、止めておいた方が」
イシュトンが口を出してきた。
「そうだな」
「謝罪がないな。あの事は黙っているが、切り掛かった謝罪をしてもらおう」
「ぐっ、す、すいません。謝ります。申し訳ございませんでした」
僕は流石に不味いと思い謝りたくはないが、謝った。
「本当なら土下座してもらうんだが、勘弁してやる」
そう言うとおっさんは去って行った。
「リーダーどうする。口封じしないと」
シーマスが尋ねる
「ここじゃ、不味い。後で話し合おう」
◆◆◆
依頼をこなし仕事を終え、四人で僕の部屋に集まる。
あの事件の事がばれると本当に不味い。
なぜなら、あの事件では死人も出ているからだ。
その後にダンジョンの機能が止まって事件は収まったが、ギルドの犯人探しは今も続いている。
ダンジョンの異変もゴブリンプリンスの大増殖も一連の出来事だろうというのがギルドの見立てだ。
「僕はあのおっさんがSランクだと思うと、どうしても納得がいかない」
「あの、おっさんレベル104らしいぞ」
僕が愚痴を溢すと、シーマスが言った。
「僕がレベル49なのにそんなに」
僕は驚き言葉を洩らす。
「それじゃ、口封じに襲うのはやめた方がいいのかな」
とビジが言う。
「放置するべきだ」
ディドルの意見を聞いて僕は考えをめぐらした。
レベル差はともかく、同じSランクになってから対処しよう。
「Sランク昇格を当面は目指そう。おっさんの対処はそれからだ」
「なんか、時間が経てば経つほど事態が悪くなるような予感がする。でも、しょうがないな」
シーマスが諦めきれない様子で言った。
「それが、妥当だろう」
ディドルが告げる。
「そうだね、しょうがない」
ビジも納得したようだ。
部屋から出た所でイシュトンが残念そうな顔をしていた。
「私としては打ち解けたつもりだったのですが。仲間外れとは酷い」
「ちょっと聞かせたくない話だったんだ」
「差し支えなければ、教えて下さい」
「色恋の話なんだよ。聞いてもつまらないぞ」
「ほう、興味がありますな」
「僕はもてるんだ。僕を取り合って二人の女の子が喧嘩しちゃって。どうしようかと仲間に相談していた」
「それは羨ましい。ちなみに女子の名前は」
「僕を好きな女の子は沢山いるから、名前は覚えていないな」
「そうですか」
要らない言い訳をしてしまった。
後で口裏を合わせておかないと。
これもあのおっさんのせいだ。
なんとしてもSランクになって、あのおっさんを闇に葬るんだ。
女の子を三人連れた冒険者パーティがギルドの入り口から入って来た。
「リーダー、あれ見ろよ。おっさんじゃないのか?」
シーマスが苦虫を噛み潰したような表情で喋る。
「ほんとだ。どうやって助かったんだろ?」
ビジが能天気な口調で話す。
僕は目を疑った。生きていたなんて、せっかくパーティが軌道に乗ってきたところなのに。
僕はおっさんに近寄り話掛ける。
「ひさしぶりですね」
「なんだ? 誰だと思えば、弱虫の玉無し野郎か。たかが、ゴブリンに追われて逃げ回っていたんだったな」
「なんだと貴様! 斬撃!!」
僕はかっとなってスキルを発動して切り掛かっていた。
おっさんはなんと素手で剣を受け止めている。
「軽い斬撃だ。そして、とろい。ハエが止まるかと思った」
おっさんはそう言うと剣を握り潰した。
「エイシスさん、罰金です。今度何かやったら降格です。最悪は除名もあると思って下さい」
受付から女の子が飛び出してきて言った。
俺はおっさんを睨みつけ、胸倉を掴もうとした。
それを背後から伸びてきた手が掴んで止める。
「リーダー、それ以上は良くない」
ディドルが冷静に制止する。
「そうそう、あの件だったら言わないでおいてやる。お情けだ」
「偉そうに、何様だ」
おっさんの言葉に再び切れそうになって僕は言葉を返す。
「Sランク様だ。文句あるか」
おっさんの言に僕は耳を疑った。
「嘘だ。証拠はあるのか?」
「ほら、ギルドカードだ。Sランクって表示されているだろう」
僕は今度は目を疑った。
「イカサマだ! 詐欺だ!」
「リーダー、私はその人と何があったのかは存じませんが。そろそろ、止めておいた方が」
イシュトンが口を出してきた。
「そうだな」
「謝罪がないな。あの事は黙っているが、切り掛かった謝罪をしてもらおう」
「ぐっ、す、すいません。謝ります。申し訳ございませんでした」
僕は流石に不味いと思い謝りたくはないが、謝った。
「本当なら土下座してもらうんだが、勘弁してやる」
そう言うとおっさんは去って行った。
「リーダーどうする。口封じしないと」
シーマスが尋ねる
「ここじゃ、不味い。後で話し合おう」
◆◆◆
依頼をこなし仕事を終え、四人で僕の部屋に集まる。
あの事件の事がばれると本当に不味い。
なぜなら、あの事件では死人も出ているからだ。
その後にダンジョンの機能が止まって事件は収まったが、ギルドの犯人探しは今も続いている。
ダンジョンの異変もゴブリンプリンスの大増殖も一連の出来事だろうというのがギルドの見立てだ。
「僕はあのおっさんがSランクだと思うと、どうしても納得がいかない」
「あの、おっさんレベル104らしいぞ」
僕が愚痴を溢すと、シーマスが言った。
「僕がレベル49なのにそんなに」
僕は驚き言葉を洩らす。
「それじゃ、口封じに襲うのはやめた方がいいのかな」
とビジが言う。
「放置するべきだ」
ディドルの意見を聞いて僕は考えをめぐらした。
レベル差はともかく、同じSランクになってから対処しよう。
「Sランク昇格を当面は目指そう。おっさんの対処はそれからだ」
「なんか、時間が経てば経つほど事態が悪くなるような予感がする。でも、しょうがないな」
シーマスが諦めきれない様子で言った。
「それが、妥当だろう」
ディドルが告げる。
「そうだね、しょうがない」
ビジも納得したようだ。
部屋から出た所でイシュトンが残念そうな顔をしていた。
「私としては打ち解けたつもりだったのですが。仲間外れとは酷い」
「ちょっと聞かせたくない話だったんだ」
「差し支えなければ、教えて下さい」
「色恋の話なんだよ。聞いてもつまらないぞ」
「ほう、興味がありますな」
「僕はもてるんだ。僕を取り合って二人の女の子が喧嘩しちゃって。どうしようかと仲間に相談していた」
「それは羨ましい。ちなみに女子の名前は」
「僕を好きな女の子は沢山いるから、名前は覚えていないな」
「そうですか」
要らない言い訳をしてしまった。
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これもあのおっさんのせいだ。
なんとしてもSランクになって、あのおっさんを闇に葬るんだ。
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