136 / 179
第136話 ファイナルサークル
しおりを挟む
冒険者バトルだ。
今回の武器はこれだ。
ピコピコハンマー。
特殊ビニール製。
武器工房のおっちゃんの話ではオーガが噛んでも噛み千切れないらしい。
そしてクッション性。
俺がある程度力を入れても、ダメージが入らない。
さあやるぞ
「構えて。始め」
先手必勝。
俺はピコピコハンマーで対戦相手を叩いた。
やべっ、力が入り過ぎたか。
対戦相手は頭を叩かれて、床に激突。
鈍い音がした。
ピコ、ガンみたいな感じだ。
「両者、八百長により失格」
【またしてもサクラの演技指導を間違えたな】
【失格で草】
【金の力でやられたらね】
【公正な審判だ】
ああ、なんとなく逆に楽しくなってきた。
どこまで失格記録が伸びるだろうか。
次はどんな手でいこう。
さて、切り替えて行こう。
次はファントムの出番だ。
俺は会場から離れると仮面を被った。
全力疾走。
俺に気づいた観客が喝采する。
「待ってた」
「ファントム」
「本物かな」
「あの速さは澄水氏」
俺は止まって手を上げて応えた。
「やっぱり本物は違うな」
「偽物は今回も靴から炎を出すのかな」
「恥ずかしいからやめた方がいいのに」
俺以外のファントムは足から炎を出すのをやめた奴が多数。
やっぱり恥ずかしいのかな。
それともファントム争奪戦で勝ってから、あのパフォーマンスをするのかな。
まあ別に構わない。
好きにするといいさ。
面白いのは、足から火花を出して走った奴がいることだ。
面白いな。
パクってやろう。
さて、一回戦だ。
俺は足から炎を出して入場。
そしてそれプラス、バールで地面を擦る。
バールは火花を散らした。
火花をパクってやった。
うん満足。
「では構えて、始め」
俺は、バールを地面につけると、ぐるりと回転した。
バールは火花の円を描いた。
「ファイナルサークル」
そして、バールの先で対戦相手を引っ掛けると投げた。
「場外により、澄水の勝ち」
拍手が上がる。
ファイナルサークルいいな。
今日はこれで勝ち上がろう。
対戦相手を次々とファイナルサークルで葬る。
そして、決勝戦になった。
対戦相手はラバースーツを着て登場だ。
ファイナルサークルでバールの先に引っ掛けられないための対策らしい。
「では構えて、始め」
俺はファイナルサークルの構え。
そして火花の円を描き、対戦相手の足を払った。
対戦相手はゴロゴロと転がって場外になった。
「ファイナルサークル!」
「ファイナルサークル!」
「ファイナルサークル!」
ファイナルサークルの連呼が始まった。
「場外により、澄水の勝ち」
わぁっと歓声が上がる。
インタビュアーが近寄ってきた。
「防衛おめでとうございます」
「ありがとう」
「ファイナルサークル、強いですね」
「あんなの弱い方の技だ」
「いくつぐらい技がありますか?」
「77手だ。77手の必殺技を破れるものなら破ってみろ。俺は誰の挑戦でも受ける」
「何か今後の目標はありますか?」
「ファントム争奪戦の防衛はもちろん、俺はスタンピード被害をなくすつもりだ。どんな抵抗勢力があろうともな」
「ファントムさんの、討伐活動を妨害する勢力があるのですか?」
「その組織は大きい。感づいている者もいるだろう。だが、彼らに対抗するのは容易ではない。彼らのスパイは至るところにいる。気をつけるのだ」
「だから偽名を使っておられるのですね」
「そういうわけだ」
上手く謎の組織を演出できた。
偽名の理由もできた。
謎の組織はどうするかな。
謎の組織の目標は、スタンピードによる地球の支配。
全てのダンジョンコアを支配下に置いている。
でそのスパイは冒険者協会にもいる。
ダンジョンは神がやっているのかな。
だとすると、神がラスボスになる。
ちょっと敵いそうにないんだけど。
ええと、そう決まったわけでもない。
まあ、臨機応変にいこう。
ダンジョンを討伐しまくれば、いるか分からないけど敵が見えてくるだろう。
モチに電話してみた。
「もしもし、ダンジョンは誰が作ったんだ」
『知らないにゃ。でもたぶん魔王だにゃ』
「魔王か。魔王なら勝てるかもな」
別の世界からの侵略なのかな。
ダンジョンの仕組みはゲームみたいだけどな。
馬鹿な俺には分からないが、そんな俺でも効率が悪そうなのは分かる。
たぶん何かあるんだろうな。
そういうことは偉い人が考えたら良い。
今回の武器はこれだ。
ピコピコハンマー。
特殊ビニール製。
武器工房のおっちゃんの話ではオーガが噛んでも噛み千切れないらしい。
そしてクッション性。
俺がある程度力を入れても、ダメージが入らない。
さあやるぞ
「構えて。始め」
先手必勝。
俺はピコピコハンマーで対戦相手を叩いた。
やべっ、力が入り過ぎたか。
対戦相手は頭を叩かれて、床に激突。
鈍い音がした。
ピコ、ガンみたいな感じだ。
「両者、八百長により失格」
【またしてもサクラの演技指導を間違えたな】
【失格で草】
【金の力でやられたらね】
【公正な審判だ】
ああ、なんとなく逆に楽しくなってきた。
どこまで失格記録が伸びるだろうか。
次はどんな手でいこう。
さて、切り替えて行こう。
次はファントムの出番だ。
俺は会場から離れると仮面を被った。
全力疾走。
俺に気づいた観客が喝采する。
「待ってた」
「ファントム」
「本物かな」
「あの速さは澄水氏」
俺は止まって手を上げて応えた。
「やっぱり本物は違うな」
「偽物は今回も靴から炎を出すのかな」
「恥ずかしいからやめた方がいいのに」
俺以外のファントムは足から炎を出すのをやめた奴が多数。
やっぱり恥ずかしいのかな。
それともファントム争奪戦で勝ってから、あのパフォーマンスをするのかな。
まあ別に構わない。
好きにするといいさ。
面白いのは、足から火花を出して走った奴がいることだ。
面白いな。
パクってやろう。
さて、一回戦だ。
俺は足から炎を出して入場。
そしてそれプラス、バールで地面を擦る。
バールは火花を散らした。
火花をパクってやった。
うん満足。
「では構えて、始め」
俺は、バールを地面につけると、ぐるりと回転した。
バールは火花の円を描いた。
「ファイナルサークル」
そして、バールの先で対戦相手を引っ掛けると投げた。
「場外により、澄水の勝ち」
拍手が上がる。
ファイナルサークルいいな。
今日はこれで勝ち上がろう。
対戦相手を次々とファイナルサークルで葬る。
そして、決勝戦になった。
対戦相手はラバースーツを着て登場だ。
ファイナルサークルでバールの先に引っ掛けられないための対策らしい。
「では構えて、始め」
俺はファイナルサークルの構え。
そして火花の円を描き、対戦相手の足を払った。
対戦相手はゴロゴロと転がって場外になった。
「ファイナルサークル!」
「ファイナルサークル!」
「ファイナルサークル!」
ファイナルサークルの連呼が始まった。
「場外により、澄水の勝ち」
わぁっと歓声が上がる。
インタビュアーが近寄ってきた。
「防衛おめでとうございます」
「ありがとう」
「ファイナルサークル、強いですね」
「あんなの弱い方の技だ」
「いくつぐらい技がありますか?」
「77手だ。77手の必殺技を破れるものなら破ってみろ。俺は誰の挑戦でも受ける」
「何か今後の目標はありますか?」
「ファントム争奪戦の防衛はもちろん、俺はスタンピード被害をなくすつもりだ。どんな抵抗勢力があろうともな」
「ファントムさんの、討伐活動を妨害する勢力があるのですか?」
「その組織は大きい。感づいている者もいるだろう。だが、彼らに対抗するのは容易ではない。彼らのスパイは至るところにいる。気をつけるのだ」
「だから偽名を使っておられるのですね」
「そういうわけだ」
上手く謎の組織を演出できた。
偽名の理由もできた。
謎の組織はどうするかな。
謎の組織の目標は、スタンピードによる地球の支配。
全てのダンジョンコアを支配下に置いている。
でそのスパイは冒険者協会にもいる。
ダンジョンは神がやっているのかな。
だとすると、神がラスボスになる。
ちょっと敵いそうにないんだけど。
ええと、そう決まったわけでもない。
まあ、臨機応変にいこう。
ダンジョンを討伐しまくれば、いるか分からないけど敵が見えてくるだろう。
モチに電話してみた。
「もしもし、ダンジョンは誰が作ったんだ」
『知らないにゃ。でもたぶん魔王だにゃ』
「魔王か。魔王なら勝てるかもな」
別の世界からの侵略なのかな。
ダンジョンの仕組みはゲームみたいだけどな。
馬鹿な俺には分からないが、そんな俺でも効率が悪そうなのは分かる。
たぶん何かあるんだろうな。
そういうことは偉い人が考えたら良い。
156
お気に入りに追加
723
あなたにおすすめの小説
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~
夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。
が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。
それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。
漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。
生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。
タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。
*カクヨム先行公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる