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第104話 マグネットゴブリン

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 第4階層のゴブリンをマグネットゴブリンに任命。
 でもしょせんゴブリン。
 頭悪い。
 砂で砲丸を作って飛ばせばいいのに。
 でかいメイスで叩くしか考えない。
 もっとも俺もひとのことを言えないが。

 マグネットゴブリンの相手は、弥衣やえ達に任せている。
 アルミ製の矢は問題ないようだ。
 シロガネも大活躍。
 でかい得物を持ってても機敏に動き回るシロガネには当たらない。

【手下にやらして楽してる】
【ピンチになったら逃げるつもりだな】
綺羅々きららちゃんに謝罪して死ね】
【おい、訴えられるぞ】
【構うものか正義はこちらにある】
【おっさんは死ね。その前に全財産を綺羅々きららちゃんに譲渡するんだ】

「ハエがうるさいな」

【ハエ扱いしたな】
【おっさんは低脳だな。もっと気の利いたことが言えないのか】
【言えないよ。低学歴だもの】

「あー、罵詈雑言が気持ちいい。それって妬みもあるよな。俺が綺羅々きららちゃんとやらを札束で暴行したらどうするんだ」

【許せん】
綺羅々きららちゃんは金になんか屈しない】
【そうだそうだ】

「大抵の女は1億も積まれれば股を開く。弥衣やえみたいな例外はいるがな。俺の女は薄っぺらい綺羅々きららちゃんなんかと違うぞ」

 弥衣やえが真っ赤になった。
 討伐の最中に気を取られるなよ。

【ほざいてやがる】
【女性蔑視だ】
【その手の団体に密告してやれ】

「どうぞ、どうぞ、ご自由に」

【モンスター頑張れ。おっさんを血まみれにしろ】
【モンスターが力を出せるように差し入れとか出来ないかな】
【おっさんのダンジョンはノアフォロに入らないと中に入れて貰えないらしいぞ】
【なにそれ。ダンジョンを私物化しているのか】

「ダンジョンは俺の家の敷地内にある。何の法律で保障されているか分からないが俺のもの。法律で書かれていなくても俺のもの。綺羅々きららちゃんも俺のもの」

綺羅々きららちゃんに対するその発言は許せん】
【このおっさんをどうにかしたい】
【無駄なのに。いままでどれだけ勇者(笑)が散っていったか】
【正義は勝つんだよ】

 おっ、新モンスター。
 黒光りするウルフ。
 マグネットウルフと命名。
 どんな能力かな。

 見ていたら砂を体に纏わせ、ハリネズミみたいになった。
 弥衣やえのボウガンの矢は体には刺さらない。
 シロガネが首筋に噛みついて終わった。
 さすが鉄を砕くシロガネの牙。

「今日の討伐はこのぐらいにしよう」
「ええ」
「お疲れ様ですわん」
「おつかれにゃ」
「わふん」

【逃げたな】
【狼型モンスターに期待】
【明日がおっさんの命日】
【普通に考えて楽勝だろう。磁気で砂鉄を纏っても鉄パイプの連打を防げるとは思わない。アンチ諦めろ】
【俺もそう思う。アンチ消えて欲しいよな】
【おっさんのファンこそ消えろ】
【おっさん信者うざい】

 マグネットゴブリンは高く売れるかな。
 買取場に持って行く。

「ふむ、黒いゴブリンか。調べてみる。ちょっと待て」

 待たされて結果が出た。
 どうやらこのゴブリンには魔力を込めると磁気になる物質が含まれているらしい。

「高いのか?」
「それなりだな。抽出した物質がキロ10万ぐらいか。ゴブリン1体で500グラムぐらい含まれている。だが需要はある。応用範囲は広いからな。それと魔石が50万ぐらいだ」
「がっかりだな」

【ぷぷぷ、あれだけ苦労してゴブリン1体で55万】
【それ笑う所? ゴブリンが55万は高いぞ】
【今日だけで3000万は稼いでいると思われる】
【えっそんなに】
【某彼女も股を開く準備をしているに違いない】
【お前は許せん】
【俺は某彼女と言ったんだ】

「3000万、はした金だな。金がゴミのようだ」

【増長している】
【こういう奴は大抵死ぬ】
【おっさんの表しか見ない奴はこれだから】
【配信をずっと見て来ないと分からない】

 買取場から戻ると探偵から資料が届いてた。
 誰のかというと、真紀真紀まきまき綺羅々きららのだ。
 本名、真木きらら。
 23歳。
 Cランク冒険者。
 現在、ある市立病院に入院中。

 俺にやられた設定で病院に入院したのかな。
 でも病院は芸能人御用達の病院ではないらしい。
 市が運営してる病院だからな。

 怪我は本当なのかも。
 俺にやられたとした理由はなんだ。
 あー、難しいことは分からん。
 別にどんな理由だっていいか。

 俺は炎上してどんでん返しが見たいんだ。
 俺のファンもそう思っているに違いない。

 いいことを考えた。
 小道具を用意して、明日、この女のお見舞いに行こう。
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