上 下
91 / 179

第91話 記者会見配信

しおりを挟む
 トカゲの楽園の9階層。
 出てきたのは火を吐くトカゲ。

「ファイヤーリザードだな」

【別名、バーナーとかライターとか呼ばれている】

 シロガネが嬉しそう、尻尾を振って近寄りブレス合戦を始めた。
 ブレスは拮抗してる。

 俺はファイヤーリザードの背中に飛び乗り、キャメルクラッチ。
 背中には炎は吹けないからな。

【妻を返せ】
【監禁してる人を解放しろ】
【いいかげん違うことを言えよ】
【犯罪者は配信をやめろ】
【それもあったな。馬鹿の一つ覚えだが】

 おっと、キャメルクラッチ。

「シロガネ、けん制ありがとな」
「わふん」

【アンチよ。何か面白いこと言えよ】
【無理だって、返せと、配信辞めろと、氏ねしか言わない】
【くそっ、こんなの間違ってる】
【現実を受け止めろよ】

 キャメルクラッチ、ボキっとな。

【ノアフォロが記者会見開くぞ】
【それはニュースだな。アンチとの対決が見られるのか】
【一般人は入れないだろう。まあ記者にもアンチはいるが】

「記者会見は初耳だ。討伐をサクッと終わらせないとな」

【背中ががら空きのバーナートカゲなんか目じゃない】
【一般人いれて記者会見してくれないかな】

「それはいいことを聞いた。俺がそういう記者会見をやってやろう」

 キャメルクラッチ、ボキっとな。

【それは面白そう】
【どこでやるの?】

「会場はどこにしよう」

 キャメルクラッチ、ボキっとな。

 弥衣やえが首を振った。

弥衣やえからNGが出ました」

【ヤエちゃんには頭が上がらない】
【たぶん会場を抑えるのが難しいんじゃないか】
【会場は今日明日じゃだめだ】

「仕方ない、配信で我慢してくれ。コメントの疑問になるべく答えよう」

 キャメルクラッチ、ボキっとな。

【アンチを総動員するぞ。拡散だ】
【逃げたら承知しないぞ】

 キャメルクラッチ、ボキっとな。

【奴をぎゃふんと言わせてやる】
【今までの配信でもぎゃふんと言わせられなかっただろう。無駄な努力はやめるんだな】
【生暖かく見守ってやろうぜ。こういう奴は面白いことをしでかしてくれそうだ】

 キャメルクラッチ、ボキっとな。
 いつの間にかボス部屋だ。
 どうせでかい火を吐く奴なのだろう。
 中に入るとボスは全身が炎に包まれていた。

 ええと。

【ヤエチャンネルを見たけど、おっさんの困り顔は珍しい】
【今度こそおっさん死ぬか】
【モンスター頑張れ】

「じゃじゃーん、こんな時は魔力イレーサーDX」

 弥衣やえが前に使ったアイテムを出して来た。
 俺はその粉を掴むと、豪快にボスめがけて投げた。
 ボスに魔力イレーサーDXが掛かると炎が消えた。

 チャンス。
 キャメルクラッチ、ボキっとな。

【だろうな。こんな落ちだと思ったよ】
【くそう、おっさんはどうやったら死ぬんだ】
【ダイヤドラゴンクラスを100体ぐらい持って来ればかな】

 よし、今日の討伐は終り。
 モンスターの素材の換金をを終え、家に帰り、配信のセッティングをする。

「記者会見配信を開始する」

【きた、待ってた】
【面白い問答を期待する】
【わくわく】

「じゃあ、ひとり1問な」

【記者会見ぽい】
【家族返せよ】

「知らん」

【知らんにワラタ】
【そんなのじゃ駄目だ】
【よし、俺が。何故監禁するんですか?】

「札束と健康の檻を作ったから、そこに閉じ込めたくなったからだ」

【くそう、返答は変わらずか。監禁を認めますか?】

「札束と健康の檻で監禁してる」

【そんな聞き方じゃだめだ。アンチよ、もっと頭使え】
【ヤエちゃんとはどこまで進んでますか?】
【おま、それを聞くか】

「そりゃあもう、色んなとこまで進んでるよ。ぐっちょり、ぬれぬれってものよ」

【くそう、俺はもうだめぽ】
【そんな質問するから】
【妻も札束と健康で監禁しているのか?】

「ああ、そうだ。健康でつやつやでテカテカだ。札束のほうは言うまでもないな」

【犯罪を犯してるんだろう。吐けよ】

「俺は悪だ。法にはとらわれない。だからこうして配信ができている」

【くそう、氏ね】

「お生憎様だが。若さを吸い取ってあと何年生きるか分からない。もしかして永遠に生きるかもな」

【警察は何してる】

「お前らの名誉棄損や脅迫、DVなら傷害を調べているんじゃないか」

【いくらだ。いくら払えば家族を返す】

「人身売買はしない。俺は悪だが、悪には悪の美学がある」

【ろくな質問が出ないな。よし、俺が。マスコミを訴えたそうですが、やつらに言いたい事は】

「別にないな。マスコミのことじゃないが、うるさい蠅が何匹いようが気にしない。うんこがあれば湧いて出るような奴らだからな」

【くはははっ、蠅ね。おっとマスコミのことじゃなかった】
【マスコミのことじゃないが、うんこ蠅ね。ぶんぶん飛び回っていらあ】

 それから、色々と質問を受けたが、面白いのはなかった。
 もっと面白いことを言えよと思わないでもない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~

夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。 が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。 それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。 漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。 生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。 タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。 *カクヨム先行公開

処理中です...