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第48話 アイアンスネーク撃破

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「これがご希望の品。魔力イレーサーDXだ」
「ええとどういう薬品」
「グラトニーの体はあらゆる物を消す。魔力とて例外ではない。グラトニーから作ったこれを蛇に振り掛ければ、魔力吸収が阻害されるはずだ」
「ありがと」
「実はこの薬、前々から開発してたんだ。それを聞いて覚えていただけだ」
「なんだ、おっちゃんが作ったわけじゃないのな」
「作れるわけないだろ」

【でた、ご都合主義】
【グラトニーを伏線として使ったんだな】
【まあ考えているじゃん】
【まだアンチがいるな】
【こいつら陰謀論とか信じてると思う】

 さっそくアンアンスネークにリベンジだ。
 じゃなかったアイアンスネークだ。
 頭と胴体千切るように酸を掛ける。
 胴体と頭に魔力イレーサーDXを掛けた。
 再生が止まった。
 そして、死んだらしい。
 ピクリとも動かない。

【蛇討伐おめでとう】
【へたくそなシナリオだ。苦労してやっとという感動がない】
【素人に無茶言うなよ】
【またこの蛇が高く売れるんだろうな】

 サンプルとして死骸を持ち帰った。

 買取場に持って行く。

「これが回復する蛇か」

 おっちゃんは死骸を水で洗った。

「死んでいるみたいだな」
「俺も死んでいるか半信半疑だった」

「夕方には鑑定結果が出るだろう」

【復活したら無敵生物だったのに】
【死なないと、ダンジョンが埋め尽くされる】
【他のモンスターはどうやって対処しているんだろ】
【モンスター同士はダンジョンの中では、争わないんじゃなかったか】
【おっさんの設定に付き合ってやる必要はないだろ】

 ふぅ、ひとつモンスターの攻略を終えた。
 映画や漫画を見て過ごしていたところ、おっちゃんからメールがあった。

 買取場へ行く。

「最低でもキロ50万だな」
「なんの素材になるの」
「魔力吸収の成分は、マナポーション。体生成の成分は壊れにくい部品を作る材料らしい。摩耗しても、魔力を注げば復活する夢の部品らしいな。宇宙船産業とかが食いついている」

【摩耗しても復活する部品とかもう凄すぎ】
【魔力を消費するから無限じゃないにしてもね】
【キロ50万よりすると思われ】
【最低でもと言っているだろう】
【夢の素材だ】

 金になるようで良かった。
 攻略法も分かっているし乱獲はコボルトとケットシーに任せれば良い。
 ふたつに千切ったら、胴体の方だけ魔力イレーサーDXを掛ければ、無限採取できるな。

 馬鹿な俺でもそのくらいの作戦は思いつく。
 帰りにマンションによる。
 ビラを貼る奴が増えたな。
 だが心配は要らない。
 監視カメラで録画している。

 住居なんちゃらで敷地内なら訴えられるらしい。
 バンバン告訴しよう。
 監視カメラのデータを土呂とろに送るように言う。

「分かってるにゃん」
「俺は操作できないが、お前らは出来て偉いな」
「簡単にゃん」
「説明は要らないぞ。鳥肌が立つ」

【ビラ貼ってる奴。ご愁傷様】
【どうせ近所の奴だろ】
【文句言っていちゃもんつけるのはクレーマー体質】
【まあ滅んでもいいな】

「アイアンスネークの採取も頼むぞ」
「伝えておくにゃ」

【金持ち設定が加速するな。使い過ぎて無一文になったりして】
【でもCMは途切れないんだよな】
【コボルトとケットシーが奴隷の如く働いているんじゃね】
【キロ50万円が嘘でも、1000人も酷使してれば、そりゃあね】
【ヘルパー以外で働いている所を見たか?】
【そういう情報はないな】
【SNSとかで情報を貰おうぜ】
【そうするか】

 SNSで検索すると、コボルトとケットシーの情報頼むというのが多数見つかった。
 だが、とごぞこで食事してたとか遊んでいたとかの情報しかない。

 暇な奴らだ。

 明らかに名前がコボルトとケットシーらしい書き込みが多数ある。
 遊ばれているな。
 行きつけの店とか書き込まれている。
 何が美味かっただとか、この対戦ゲームは燃えるとか。

「コボルトとケットシーの情報は集まったか」

【くそう、情報封鎖が上手い】
【あいつら、俺より遊んでる。行きつけの店に行って来たからたしかだ】
【なんで俺達より良い生活してるんだ】
【ざまぁ】

「ちゃんとダンジョンの中で働いているぞ。一日に4時間ぐらいだがな」

【一日4時間。羨まし過ぎる】
【嘘に決まっているだろ】
【お前が言っても事実は変わらない】

「俺は搾取する男だが、小遣いもたっぷり与えている。悪党だがケチじゃない」

【だから金持ちだと言ったでしょ。金持ちの男は分かるのよね】
【でたな守銭奴】

「お前らの幻想が砕け散る日を見るのが楽しみだ」

【くそう、全ての証拠が完璧すぎる。きっと何かカラクリが】
【ないのよね。もう諦めたら】
【俺は疑ってなかったぞ。ダイヤドラゴンの撃破は伊達じゃない】

 アンチコメの奴らはいい加減嘘だと言うのが苦しくなってきたらしいな。
 くくっ、面白い展開になってきた。
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