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第41話 アイアンタイガーにリベンジ

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 シロガネの装備ができ上がる何日かを、グラトニーの採取をして過ごした。
 そしていよいよシロガネの装備ができ上がった。
 ヘルメットには角があり、胴体はきっちりガード。

「なかなか格好いいぞ」
「わふん」

 さて、アイアンタイガーにリベンジだ。
 うさぎをちらほら見かけたが、今回の目的ではないのでスルー。
 うさぎも攻撃されないのなら俺達に興味がないのか、素知らぬ顔で草を食んでた。

 アイアンタイガーはすぐに見つかった。
 アイテム袋から盾を取り出して装備した。
 さあ撃ってこい。

 アイアンタイガーは挨拶とばかりに砲弾を撃ち出してきた。
 ガツンと弥衣やえの盾に当たり、弥衣やえはゴロゴロと転がった。
 ダメージではないので俺の加護が働かないらしい。

【ヤエちゃん死ぬな】
【いきなり敵の攻撃が強くなったな】
【前はよろめきもしなかった】
【CGだからな。齟齬も出るだろう】

弥衣やえ、後ろに下がってろ」
「はい」

 砲弾は次々に撃たれ、キナコとモチはなんとか耐えている。
 シロガネは余分な重りを付けているので、動きが鈍くぜんぜん相手になってない。
 ダメージもないようなのでそこは安心だ。

 こうなったら、弾切れまで耐えるのだ。

 そして、アイアンタイガーの砲撃が止んだ。
 アイアンタイガーは踵を返すと一目散に逃げて行った。
 はへっ、どうして俺の考えは上手くいかないんだ。
 まあいい、砲弾を30個ほど確保した。
 1500万円の儲けだ。

【やはり、ノーダメで終わったか】
【弾一個50万円だったか。凄い儲けだな】
【事実ならな。砲弾が丸い石でも驚かない】
【事実に決まってる】

 今回の勝負は引き分けで、判定勝ちというところだろう。
 コボルトとケットシーに砲弾採取を任せてもいいな。

 さて、アイアンタイガーを仕留める方法を考えないと。
 今回は弥衣やえには聞かない。
 自分で解答を見つける。

 搦め手が良いだろう。
 どんな搦め手だ。
 『からめて』と言うぐらいだから拘束か。
 拘束魔法ってどうやるんだ。

 このぐらいは弥衣やえに聞いてみよう。

「拘束魔法を使いたい、どうやるんだ」
「簡単なのは石を出して拘束に使います」
「石だと弱くないか」
「なら鉄ですね」
「疑問に思ったのだが、どこらか石やら鉄が出て来るんだ」
「魔法は魔力で疑似物質を作ります」
「じゃあ、俺は鉄を理解しないといけないってことか。石は詳しくないが、鉄なら鉱石を毎日掘ってた。イメージは頭の中にある」

 試してみるか。

「拘束魔法」

 地面から鉄の蔦が伸びてきて絡まりあった。
 出来ているな。

「これじゃ駄目ね。もっと深くから生やさないと、こうやって持っていかれるわ」

 鉄の蔦が弥衣やえに引き抜かれた。

「地中深くだと、奇襲は無理だ。敵は常に動いているし」
「あなたは1000人から魔力を貰っているのでょう。じゃあ一帯に展開したら」

 ええと植物が根を張るみたいに一帯に張り巡らせてから、にょきにょきと生やすのか。
 これなら、深くしなくても、根が重しになって持ち上げられないはずだ。

 よし、出撃だ。

「今回の俺は一味違うぜ」

【いいかげんに仕留めろ。もったい付け過ぎ】
【ご都合展開を見てみようじゃないか】

「拘束魔法、展開」

【拘束してないんだが】
【CG忘れているぞ】

「そこは俺の領域だ。拘束魔法、生えろ」

【拘束できているぞ】
【凄い動きに追従してる】
【広範囲に展開してるから逃げ出せないのか。やる】

 よし、アイアンタイガーの足を止めた。
 こうなれば、横からボコるだけだ。

【殴って終わるのね。恰好いい】
【拘束魔法が2段階なのが分からん】

「最初は広範囲に根を展開するのだ。そこから蔓を生やす」

【えっと魔力量は?】
【そこで寄生スキル設定が生きてくるわけだ】
【納得】
【これってかなり強いんじゃ】
【CGだからな】
【CG言ってる奴。映像を検証して証拠出せよ】

「よし、アイアンタイガーはおいくらになるだろうな」

 俺は買取場にアイアンタイガーを持ち込んだ。

「こいつはあのミスリルの弾を撃ってた奴か。たぶん体の中にミスリルがあるな」
「1グラム10万だったよな」
「まあな。今日中に値段が分かるだろ。電話する」
「おう」

 しばらくして電話が掛かってきた。
 買取場に行く。

「聞いて驚け、体の中のミスリルが210グラムだ。皮も使えるし、睾丸とかも薬になるらしい。締めて2550万円だ」

【出たご都合主義】
【素敵、抱いて♡】
【ほんとならウハウハだな】
【CGとサクラだからな。実際は25万5千円じゃね】
【それでも大金だ】
【腐ってもトラだからな】

 アイアンタイガーは今のところ俺しか倒せないが、砲弾を撃たせて弾を採取するのは簡単な仕事だ。
 いいカモと言えるだろう。
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