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第4章 盗賊団との対決編
第76話 決意する
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「情報収集の依頼を出したい」
俺は冒険者ギルドの受付でそう切り出した。
「出すのは良いけれど、受けてくれる冒険者は居ないと思うわ」
「なぜだ」
「ディザ君、評判、悪いわよ」
「資格停止されたからか」
「違うわ。噂が広まっているみたい。なんでもマリーを力ずくで物にしたとか。スキルの力は無料なのに暴利をむさぼっているとか。クランマスターのえこひいきでクランに加入したとか。兄弟を殺したとか」
マリーの事は事実無根だとしても、他のはみんな当たってる。
敵は俺をよく調べたらしい。
これはどうしようもないな。
「出直してくる」
「そうした方が良いわ」
俺が冒険者ギルドを出ると手招きする三人がいる。
ええと確かこいつらはモンド、二コライ、レッドの三人だ。
浮浪児だったのを俺が装備と支度金を出してやったんだった。
何の用だろう。
「お前の悪い噂を流している冒険者がいる。最近になって、他所の街からきた冒険者で、胡散臭い奴だ」
「手出しするなよ」
「するもんか。実力はわきまえているぜ」
「そうだ。馬鹿じゃない」
「俺達三人じゃ勝てない」
「分かっているなら良いよ」
「その胡散臭い奴はエルヴって言うんだが、こいつ盗賊と話をしてた」
「後をつけたのか」
「おう、ばっちりだぜ。盗賊のアジトも突きとめて冒険者ギルドに情報を売った」
「お前らなかなかやるな」
「エルヴを告発したいけど、俺達はまだほとんど子供だろ。話を聞いてくれるかどうか」
「クラン・ヴァルドにイラスさんという人がいる。口は悪いが力になってくれるはずだ」
「俺達はお前を信じているぜ。元浮浪児のよしみだ」
「ありがとよ」
俺は嬉しくなった。
「この件が片付いたら、良い剣を作ってやる。鎧もだ」
「おう、待ってるぜ」
俺はマリーが心配で足早に家に戻った。
マリーはベッドで高熱にうなされていた。
冷却シートの魔力が切れているな。
充填しないと。
その時、玄関の方から声がした。
出ると役人から裁判は明日だと言われた。
そうか、明日全てが決まるのか。
マリーの下に戻ると、俺は冷却シートに魔力を充填した。
マリーが目を開ける。
「人が来たよね。なんて言ってたの」
「明日、裁判だって」
「そう、勝てそう」
「分からない。相手の頭目を捕まえる事が出来れば解決なんだけど」
「あのね。私の事は良いから、盗賊の頭目を捕まえに行って」
「そんな事できないよ」
「私の看病の為に負けるのは嫌。よく考えて」
マリーは目を閉じた。
時間が経って花の香りが薄れているな。
花のポリゴンを消して新しいのを作る。
やる事が無くなった。
「そうだ。ステータス」
――――――――――――――
名前:ディザ LV30
魔力:62
筋力:52
防御:45
知力:61
器用:50
瞬発:55
スキル:ポリゴン LV8
――――――――――――――
スキルレベルが上がっている。
――――――――――――――
ポリゴン LV8
1000000000ポリゴンまでのモデリングをする事が出来る。
サブスキル:
モデリング
具現化
アニメーション
ショップ
作成依頼
プラグイン:
AI
魔法テクスチャー
匂いテクスチャー
味テクスチャー
――――――――――――――
――――――――――――――
味テクスチャー
味を貼り付ける事が出来る。
味は時間が経つと薄れる。
――――――――――――――
味なんてポリゴンに付けられても問題の解決にはならない。
飴みたいな商品はいくらでも開発できるが、そんな気分じゃない。
マリーの看病をしながら夜を明かす。
いつの間にか眠ってしまったらしい。
「なに、ぼやぼやしているの。さっさと盗賊の頭目を捕まえに行きなさい。でないと一生恨むから」
マリーが苦しそうにあえぎながらそう言った。
マリーを一人置いていけるかよ。
「じれったいね」
「クランマスター」
「声を掛けたんだが、返事がないので上がらせてもらったよ。マリーの面倒は私が見る。なあに鑑定スキルを使えば医者より診断の腕は確かさ。薬も一通り持って来たよ。投薬タイミングも鑑定スキルでばっちりだ。さあ、早く行きな」
「すまない、マリー、クランマスター」
俺は家の外へ決戦の場に赴くべく踏み出した。
俺は冒険者ギルドの受付でそう切り出した。
「出すのは良いけれど、受けてくれる冒険者は居ないと思うわ」
「なぜだ」
「ディザ君、評判、悪いわよ」
「資格停止されたからか」
「違うわ。噂が広まっているみたい。なんでもマリーを力ずくで物にしたとか。スキルの力は無料なのに暴利をむさぼっているとか。クランマスターのえこひいきでクランに加入したとか。兄弟を殺したとか」
マリーの事は事実無根だとしても、他のはみんな当たってる。
敵は俺をよく調べたらしい。
これはどうしようもないな。
「出直してくる」
「そうした方が良いわ」
俺が冒険者ギルドを出ると手招きする三人がいる。
ええと確かこいつらはモンド、二コライ、レッドの三人だ。
浮浪児だったのを俺が装備と支度金を出してやったんだった。
何の用だろう。
「お前の悪い噂を流している冒険者がいる。最近になって、他所の街からきた冒険者で、胡散臭い奴だ」
「手出しするなよ」
「するもんか。実力はわきまえているぜ」
「そうだ。馬鹿じゃない」
「俺達三人じゃ勝てない」
「分かっているなら良いよ」
「その胡散臭い奴はエルヴって言うんだが、こいつ盗賊と話をしてた」
「後をつけたのか」
「おう、ばっちりだぜ。盗賊のアジトも突きとめて冒険者ギルドに情報を売った」
「お前らなかなかやるな」
「エルヴを告発したいけど、俺達はまだほとんど子供だろ。話を聞いてくれるかどうか」
「クラン・ヴァルドにイラスさんという人がいる。口は悪いが力になってくれるはずだ」
「俺達はお前を信じているぜ。元浮浪児のよしみだ」
「ありがとよ」
俺は嬉しくなった。
「この件が片付いたら、良い剣を作ってやる。鎧もだ」
「おう、待ってるぜ」
俺はマリーが心配で足早に家に戻った。
マリーはベッドで高熱にうなされていた。
冷却シートの魔力が切れているな。
充填しないと。
その時、玄関の方から声がした。
出ると役人から裁判は明日だと言われた。
そうか、明日全てが決まるのか。
マリーの下に戻ると、俺は冷却シートに魔力を充填した。
マリーが目を開ける。
「人が来たよね。なんて言ってたの」
「明日、裁判だって」
「そう、勝てそう」
「分からない。相手の頭目を捕まえる事が出来れば解決なんだけど」
「あのね。私の事は良いから、盗賊の頭目を捕まえに行って」
「そんな事できないよ」
「私の看病の為に負けるのは嫌。よく考えて」
マリーは目を閉じた。
時間が経って花の香りが薄れているな。
花のポリゴンを消して新しいのを作る。
やる事が無くなった。
「そうだ。ステータス」
――――――――――――――
名前:ディザ LV30
魔力:62
筋力:52
防御:45
知力:61
器用:50
瞬発:55
スキル:ポリゴン LV8
――――――――――――――
スキルレベルが上がっている。
――――――――――――――
ポリゴン LV8
1000000000ポリゴンまでのモデリングをする事が出来る。
サブスキル:
モデリング
具現化
アニメーション
ショップ
作成依頼
プラグイン:
AI
魔法テクスチャー
匂いテクスチャー
味テクスチャー
――――――――――――――
――――――――――――――
味テクスチャー
味を貼り付ける事が出来る。
味は時間が経つと薄れる。
――――――――――――――
味なんてポリゴンに付けられても問題の解決にはならない。
飴みたいな商品はいくらでも開発できるが、そんな気分じゃない。
マリーの看病をしながら夜を明かす。
いつの間にか眠ってしまったらしい。
「なに、ぼやぼやしているの。さっさと盗賊の頭目を捕まえに行きなさい。でないと一生恨むから」
マリーが苦しそうにあえぎながらそう言った。
マリーを一人置いていけるかよ。
「じれったいね」
「クランマスター」
「声を掛けたんだが、返事がないので上がらせてもらったよ。マリーの面倒は私が見る。なあに鑑定スキルを使えば医者より診断の腕は確かさ。薬も一通り持って来たよ。投薬タイミングも鑑定スキルでばっちりだ。さあ、早く行きな」
「すまない、マリー、クランマスター」
俺は家の外へ決戦の場に赴くべく踏み出した。
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