124 / 164
第21章 助手のドラゴン
第124話 火力の調整
しおりを挟む
「今日は呪文翻訳学の三回目です。火力の調整についてやります」
ミニアが呪文を黒板に書き始める。
あのメイリーンは授業に来ていた。
どういうつもりなんだろう。
怪しい動きはしていないから、放置だな。
『ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・ソクチス・ラスコニカガフワワワムレ・モチキニソ・けモセレ・モセほハニスイろコチリリろモチノイゆエよレ・モチキニソろトカスチニキクカゆモセネラスコニカネトニツイラハゆラスコニカよよレ・モチキニソろモラヒイゆモセネラスコニカネトニツイラハゆラスコニカよよレ・む』と書いた。
続いてミニアが黒板に翻訳した呪文を書き始めた。
『返答期待しない 主よ(注文数受け取る、注文受ける)
{
軌道データ『ラスコニカ』が挨拶;
魔法『モセ』が挨拶;
モセ=火、玉、作る(威力5);
魔法、直線(モセ,軌道データ,軌道データの長さ);
魔法、動かす(モセ,軌道データ,軌道データの長さ);
}』と書いた。
「『ゆエよ』という所が威力を指定している所です。『ワヌフアウエオヤユヨ』が0から9になってます」
ミニアがもったいぶって一拍置く。
「従って呪文の『ゆエよ』を『ゆアフワよ』とすれば四倍の大きさの火球になります。分かりましたか」
ミニアが教室の真ん中に道を作る用に指図した。
俺は教室の端に立ちアンチマジックを発動する。
呪文を唱え始めるミニア。
「ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・ハニスイろコチリリアフワゆよレ・む」
四倍の大きさのファイヤーボールが発射されて、ゴーレムの体表で消えた。
このライブラリに追加した魔法のイメージはこうだ。
void fire_ball320(void)
{
char orbit[2000]; /*軌道データ*/
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
mp=fire_ball_make(320); /*魔力320で火の玉を作る*/
magic_straight(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*真っ直ぐの軌道データを入れる*/
magic_move(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*火の玉を動かす*/
}
でメインはこう。
void main(void)
{
fire_ball320();
}
「おい、今の魔法は魔力コストいくつだ」
「10+20+320で350だな」
「魔道具の実現は難しいな」
「ということは本当に短縮詠唱しているというのか」
ガヤガヤとざわめきが起こる。
「ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・ハニスイろコチリリアフワゆよレ・む」
ミニアの真似をして生徒が呪文を唱える。
もちろんライブラリに追加されていないので発動はしない。
「なぜだ。なんで俺には出来ない」
またもざわめきが起こる。
「静かに」
ミニアが教壇を叩く。
「秘術を簡単にできたら、秘術ではありません。全ては研鑽の結果です。例えば、今の魔法が魔道具によるものだとしても、Sランクを超える魔石を用意する必要があります。その魔石を用意する方法も私は知っています」
またもざわめきが起こる。
「方法は一つではありません。常に探求するのです。停滞はいけません」
ミニアの授業が終わった。
「先生、究極に短い呪文はなんですか」
男子生徒の一人が質問してきた。
「『ニミカ・モチニミゆヒラニシよ・が・ハゆよレ・む』だと思うわ」
「でも発動しない」
「教室を空けないといけないから、修練場に行きましょ」
修練場に場所を移して課外授業が始まった。
的を前にしてミニアが呪文を唱える。
「ニミカ・モチニミゆヒラニシよ・が・ハゆよレ・む」
普通の大きさのファイヤーボールが的に当たる。
ライブラリのイメージはこうだ。
void f(void)
{
fire_ball_test();
}
でメインはこう。
int main(void)
{
f();
}
「教室ではできなかったのは何故ですか」
「準備がいるのよ」
「どのくらい修行すればできますか」
「まず石を積んでは崩すような意味の無い事を、何万回も繰り返す必要があるわね」
「具体的な方法は」
「それは秘密よ。これでも沢山答えたほう」
「短縮詠唱を教えるつもりはないのですか」
「ないわね。ひとつ言っておくわ。その先には無詠唱という物も存在する」
「えっ、そんな物が」
ミニアよ。
喋り過ぎだ。
ぽろっと喋りそうでひやひやする。
ミニアの様子を見るに俺の功績を自慢したいのだろうな。
ミニアが授業を受けに行ったので二階の窓から中庭のベンチをぼんやりと眺める。
あの質問をしていた男子生徒がベンチに座った。
誰かと待ち合わせかな。
ガールフレンドだったりして。
青春だな。
現れたのはメイリーンだった。
何やら男子生徒が話す事をメイリーンはメモに取っている。
最後に皮の小袋を男子生徒に渡すと去って行った。
何なんだろ。
気になるが、男子生徒に尋ねてもはぐらかされそうだ。
暗部にメイリーンを監視するよう頼むか。
それが良いかもな。
ミニアが呪文を黒板に書き始める。
あのメイリーンは授業に来ていた。
どういうつもりなんだろう。
怪しい動きはしていないから、放置だな。
『ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・ソクチス・ラスコニカガフワワワムレ・モチキニソ・けモセレ・モセほハニスイろコチリリろモチノイゆエよレ・モチキニソろトカスチニキクカゆモセネラスコニカネトニツイラハゆラスコニカよよレ・モチキニソろモラヒイゆモセネラスコニカネトニツイラハゆラスコニカよよレ・む』と書いた。
続いてミニアが黒板に翻訳した呪文を書き始めた。
『返答期待しない 主よ(注文数受け取る、注文受ける)
{
軌道データ『ラスコニカ』が挨拶;
魔法『モセ』が挨拶;
モセ=火、玉、作る(威力5);
魔法、直線(モセ,軌道データ,軌道データの長さ);
魔法、動かす(モセ,軌道データ,軌道データの長さ);
}』と書いた。
「『ゆエよ』という所が威力を指定している所です。『ワヌフアウエオヤユヨ』が0から9になってます」
ミニアがもったいぶって一拍置く。
「従って呪文の『ゆエよ』を『ゆアフワよ』とすれば四倍の大きさの火球になります。分かりましたか」
ミニアが教室の真ん中に道を作る用に指図した。
俺は教室の端に立ちアンチマジックを発動する。
呪文を唱え始めるミニア。
「ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・ハニスイろコチリリアフワゆよレ・む」
四倍の大きさのファイヤーボールが発射されて、ゴーレムの体表で消えた。
このライブラリに追加した魔法のイメージはこうだ。
void fire_ball320(void)
{
char orbit[2000]; /*軌道データ*/
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
mp=fire_ball_make(320); /*魔力320で火の玉を作る*/
magic_straight(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*真っ直ぐの軌道データを入れる*/
magic_move(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*火の玉を動かす*/
}
でメインはこう。
void main(void)
{
fire_ball320();
}
「おい、今の魔法は魔力コストいくつだ」
「10+20+320で350だな」
「魔道具の実現は難しいな」
「ということは本当に短縮詠唱しているというのか」
ガヤガヤとざわめきが起こる。
「ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・ハニスイろコチリリアフワゆよレ・む」
ミニアの真似をして生徒が呪文を唱える。
もちろんライブラリに追加されていないので発動はしない。
「なぜだ。なんで俺には出来ない」
またもざわめきが起こる。
「静かに」
ミニアが教壇を叩く。
「秘術を簡単にできたら、秘術ではありません。全ては研鑽の結果です。例えば、今の魔法が魔道具によるものだとしても、Sランクを超える魔石を用意する必要があります。その魔石を用意する方法も私は知っています」
またもざわめきが起こる。
「方法は一つではありません。常に探求するのです。停滞はいけません」
ミニアの授業が終わった。
「先生、究極に短い呪文はなんですか」
男子生徒の一人が質問してきた。
「『ニミカ・モチニミゆヒラニシよ・が・ハゆよレ・む』だと思うわ」
「でも発動しない」
「教室を空けないといけないから、修練場に行きましょ」
修練場に場所を移して課外授業が始まった。
的を前にしてミニアが呪文を唱える。
「ニミカ・モチニミゆヒラニシよ・が・ハゆよレ・む」
普通の大きさのファイヤーボールが的に当たる。
ライブラリのイメージはこうだ。
void f(void)
{
fire_ball_test();
}
でメインはこう。
int main(void)
{
f();
}
「教室ではできなかったのは何故ですか」
「準備がいるのよ」
「どのくらい修行すればできますか」
「まず石を積んでは崩すような意味の無い事を、何万回も繰り返す必要があるわね」
「具体的な方法は」
「それは秘密よ。これでも沢山答えたほう」
「短縮詠唱を教えるつもりはないのですか」
「ないわね。ひとつ言っておくわ。その先には無詠唱という物も存在する」
「えっ、そんな物が」
ミニアよ。
喋り過ぎだ。
ぽろっと喋りそうでひやひやする。
ミニアの様子を見るに俺の功績を自慢したいのだろうな。
ミニアが授業を受けに行ったので二階の窓から中庭のベンチをぼんやりと眺める。
あの質問をしていた男子生徒がベンチに座った。
誰かと待ち合わせかな。
ガールフレンドだったりして。
青春だな。
現れたのはメイリーンだった。
何やら男子生徒が話す事をメイリーンはメモに取っている。
最後に皮の小袋を男子生徒に渡すと去って行った。
何なんだろ。
気になるが、男子生徒に尋ねてもはぐらかされそうだ。
暗部にメイリーンを監視するよう頼むか。
それが良いかもな。
0
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる