81 / 164
第14章 生徒のドラゴン2
第81話 魔道具勝負
しおりを挟む
ミニアはだいぶ授業にも慣れてきて、精力的に色々な講義に顔を出している。
当然の事ながら行った先でライナルドにも出会う。
あれからネチネチと言ってくる事はないのだが、何か言いたそうではある。
今日も頻繁にミニアを睨んでいた。
せっかくの楽しみのスイッチ付きライトの講義が台無しだ。
気を取り直して周りの声を拾う。
『ヒラニシ……む』と聞こえてきた。
呪文の真ん中は聞き取れないように小声だったが、スライムは体全体が耳なのでよく聞こえる。
さっそくさっきの魔法をイメージにしてみる。
void main(void)
{
MAGIC *mp1,*mp2; /*魔法の定義*/
int onoff; /*オンオフの状態*/
mp1=button_make(1); /*ボタン生成*/
onoff=0; /*最初はオフ*/
while(1){ /*無限ループ*/
if(touch(mp1)==1){ /*ボタンに触った*/
if(onoff==0){ /*オフの場合*/
mp2=light_make(5); /*光生成*/
onoff=1; /*オンにする*/
}
else{ /*オンの場合*/
magic_delete(mp2); /*光を消去*/
onoff=0; /*オフにする*/
}
}
time_wait(1); /*0.01秒待つ*/
}
}
なるほど簡単な魔法だな。
魔道具が出来上がった人がいたので動作確認の様子を見る。
魔道具を起動すると空中にホログラフィのようなボタンが出た。
あれに触るとオンオフが切り替わるのか。
「おい、俺と勝負だ」
ライナルドがミニアに勝負を挑んで来た。
「受けて立つ」
ミニアは自信満々に承諾した。
「いいか、どっちが素晴らしい魔道具が作れるか勝負だ」
「分かった」
これは、俺に対する挑戦だな。
さて何を作るか、電灯といえば照らすのと小玉電球だ。
俺の子供時代のイメージではそうなっている。
今はLED照明で三十二段階の明るさとか色々あるけど、昔を懐かしんで普通の明るさと小玉だな。
いや待てよ。
二段階ってのは誰でも考え付く、ライナルドが作ってくる可能性もあるだろう。
小玉の方はタイマーをつけて一時間で自動的に切れるようにするか。
需要はなさそうだが構わないだろう。
イメージはこんなだ。
void main(void)
{
MAGIC *mp1,*mp2; /*魔法の定義*/
long i;
int onoff;
mp1=button_make(1); /*ボタン生成*/
onoff=0;
while(1){
if(touch(mp1)==1){ /*スイッチに触った*/
if(onoff==0){
mp2=light_make(5); /*明るい光生成*/
onoff=1;
}
else{
magic_delete(mp2); /*光を消去*/
mp2=light_make(1); /*暗い光生成*/
i=0;
while(i<60*60*100 && onoff==1){ /*一時間分ループ スイッチが押されても灯りが消える*/
if(touch(mp1)==1){
onoff=0;
}
time_wait(1); /*0.01秒待つ*/
i++;
}
magic_delete(mp2); /*光を消去*/
onoff=0;
}
}
time_wait(1); /*0.01秒待つ*/
}
}
これを魔法語に翻訳してミニアに伝えた。
リタリーに提出してライナルドと共に採点を待つ。
「ライナルド君のは明るい光と更に明るい光の切り替えなのね。70点というところかしら。試験なら余裕で合格だわ」
やっぱり二段階だったか。
簡単に思いつくよな。
古代王国の魔法使いが思いつかないはずはない。
「ミニアちゃんのは明るい光と暗い光で、更に暗い光には一時間のタイマー付きね。同じく70点というところかしら」
「ミニアの方が高機能のような気がするのだけど」
セラリーナがミニアを擁護した。
「あのね。使う側の事も考えないと。寝てる間に自動的に灯りが消えたら真っ暗じゃない。減点よ。普通に作っていたらこっちの方が高得点ね。でも呪文は大半は発掘品だからしょうがないわ」
「くそう、なんか負けた気分だ」
ライナルドが悔しさを滲ませて言った。
俺もなんか悔しい。
明るい、更に明るい、暗いの三段階ならもっと高得点だったはずだ。
プログラマーあるあるみたいな事をしてしまった。
要らない高機能がついたソフトってのは定番といえば定番だな。
「挑戦は何時でも受ける」
「覚悟しとけよ」
そう言うとライナルドは去って行った。
今回のお休みタイマーは送風機ならよかったのかも知れない。
今度タルコットの所に持って行こう。
スイッチの応用は夢が広がるな。
最初に考えたのは地雷だ。
だが、地雷ってのはイメージが悪いんだよな。
紛争地で子供が犠牲になるイメージがつきまとう。
次に考えたのはライターとコンロだ。
だけどもスイッチを使う利点がない。
魔道具の起動と停止で事が足りる。
その次に考えたのはウォーターサーバーだ。
地雷を除いた三つの案をミニアに頼んでリタリーに言ってもらったらそれは既にありますと答えが返ってきた。
今ある物を作っても美味しい商売は出来ない。
第一つまらない。
その時に考えた。
シンプルに行こう。
カウンターなんてどうだ。
スイッチを押すと空中に数字がカウントされる。
これは流石にないだろう。
ミニアがリタリーに確認するとそういう物は知らないそうだ。
需要はない事もないだろう。
交通調査みたいなものはあるだろうから。
当然の事ながら行った先でライナルドにも出会う。
あれからネチネチと言ってくる事はないのだが、何か言いたそうではある。
今日も頻繁にミニアを睨んでいた。
せっかくの楽しみのスイッチ付きライトの講義が台無しだ。
気を取り直して周りの声を拾う。
『ヒラニシ……む』と聞こえてきた。
呪文の真ん中は聞き取れないように小声だったが、スライムは体全体が耳なのでよく聞こえる。
さっそくさっきの魔法をイメージにしてみる。
void main(void)
{
MAGIC *mp1,*mp2; /*魔法の定義*/
int onoff; /*オンオフの状態*/
mp1=button_make(1); /*ボタン生成*/
onoff=0; /*最初はオフ*/
while(1){ /*無限ループ*/
if(touch(mp1)==1){ /*ボタンに触った*/
if(onoff==0){ /*オフの場合*/
mp2=light_make(5); /*光生成*/
onoff=1; /*オンにする*/
}
else{ /*オンの場合*/
magic_delete(mp2); /*光を消去*/
onoff=0; /*オフにする*/
}
}
time_wait(1); /*0.01秒待つ*/
}
}
なるほど簡単な魔法だな。
魔道具が出来上がった人がいたので動作確認の様子を見る。
魔道具を起動すると空中にホログラフィのようなボタンが出た。
あれに触るとオンオフが切り替わるのか。
「おい、俺と勝負だ」
ライナルドがミニアに勝負を挑んで来た。
「受けて立つ」
ミニアは自信満々に承諾した。
「いいか、どっちが素晴らしい魔道具が作れるか勝負だ」
「分かった」
これは、俺に対する挑戦だな。
さて何を作るか、電灯といえば照らすのと小玉電球だ。
俺の子供時代のイメージではそうなっている。
今はLED照明で三十二段階の明るさとか色々あるけど、昔を懐かしんで普通の明るさと小玉だな。
いや待てよ。
二段階ってのは誰でも考え付く、ライナルドが作ってくる可能性もあるだろう。
小玉の方はタイマーをつけて一時間で自動的に切れるようにするか。
需要はなさそうだが構わないだろう。
イメージはこんなだ。
void main(void)
{
MAGIC *mp1,*mp2; /*魔法の定義*/
long i;
int onoff;
mp1=button_make(1); /*ボタン生成*/
onoff=0;
while(1){
if(touch(mp1)==1){ /*スイッチに触った*/
if(onoff==0){
mp2=light_make(5); /*明るい光生成*/
onoff=1;
}
else{
magic_delete(mp2); /*光を消去*/
mp2=light_make(1); /*暗い光生成*/
i=0;
while(i<60*60*100 && onoff==1){ /*一時間分ループ スイッチが押されても灯りが消える*/
if(touch(mp1)==1){
onoff=0;
}
time_wait(1); /*0.01秒待つ*/
i++;
}
magic_delete(mp2); /*光を消去*/
onoff=0;
}
}
time_wait(1); /*0.01秒待つ*/
}
}
これを魔法語に翻訳してミニアに伝えた。
リタリーに提出してライナルドと共に採点を待つ。
「ライナルド君のは明るい光と更に明るい光の切り替えなのね。70点というところかしら。試験なら余裕で合格だわ」
やっぱり二段階だったか。
簡単に思いつくよな。
古代王国の魔法使いが思いつかないはずはない。
「ミニアちゃんのは明るい光と暗い光で、更に暗い光には一時間のタイマー付きね。同じく70点というところかしら」
「ミニアの方が高機能のような気がするのだけど」
セラリーナがミニアを擁護した。
「あのね。使う側の事も考えないと。寝てる間に自動的に灯りが消えたら真っ暗じゃない。減点よ。普通に作っていたらこっちの方が高得点ね。でも呪文は大半は発掘品だからしょうがないわ」
「くそう、なんか負けた気分だ」
ライナルドが悔しさを滲ませて言った。
俺もなんか悔しい。
明るい、更に明るい、暗いの三段階ならもっと高得点だったはずだ。
プログラマーあるあるみたいな事をしてしまった。
要らない高機能がついたソフトってのは定番といえば定番だな。
「挑戦は何時でも受ける」
「覚悟しとけよ」
そう言うとライナルドは去って行った。
今回のお休みタイマーは送風機ならよかったのかも知れない。
今度タルコットの所に持って行こう。
スイッチの応用は夢が広がるな。
最初に考えたのは地雷だ。
だが、地雷ってのはイメージが悪いんだよな。
紛争地で子供が犠牲になるイメージがつきまとう。
次に考えたのはライターとコンロだ。
だけどもスイッチを使う利点がない。
魔道具の起動と停止で事が足りる。
その次に考えたのはウォーターサーバーだ。
地雷を除いた三つの案をミニアに頼んでリタリーに言ってもらったらそれは既にありますと答えが返ってきた。
今ある物を作っても美味しい商売は出来ない。
第一つまらない。
その時に考えた。
シンプルに行こう。
カウンターなんてどうだ。
スイッチを押すと空中に数字がカウントされる。
これは流石にないだろう。
ミニアがリタリーに確認するとそういう物は知らないそうだ。
需要はない事もないだろう。
交通調査みたいなものはあるだろうから。
0
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる