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第10章 一騎当千のドラゴン
第61話 SIDE:ミニア 激闘
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ウィザが死闘を繰り広げているのが遠目にも分かった。
ピッパが突然吠えた。
何っ、たぶん認識阻害ね。
ウィザの教えによればまず情報を得るための魔道具を使うのよね。
ふむふむ、魔法名は『モチスカンスラミ』と『イトナモ』ね。
次に解除の魔道具をイメージして使うと、現れたのは魔法使いと高そうな鎧を着た戦士の二人の男だった。
「ばれたか。しょうがない正攻法で行く」
戦士が言った。
「承知した」
魔法使の男が言った。
「ちょっと。なぜ襲う」
私は有利な戦闘を繰り広げるために時間を稼いだ。
その間に伝言魔法でピッパに指示を出した。
「知れたこと。敵のドラゴンテイマーなど生かしておく訳にはいかない」
ピッパが風の刃のブレスを放ち、それが戦闘の合図になった。
「卑怯な」
魔法使いが喚くが私は気にしない。
次の手を考える。
風の刃は戦士の鎧を切り裂いた。
しかし、血が出ていないところから怪我は負ってないようだ。
まずは魔法使いを仕留める。
「メけヒラニシ・モチニミゆヒラニシよけメ」
私は魔法を詠唱する振りをして追尾するファイヤーボールの魔道具を腰のベルトからこっそり抜き取り発動した。
ファイヤーボールが魔法使いに当たるかと思われた時、石の壁が現れて魔法を阻んだ。
詠唱がなかったところをみると魔道具かな。
しかも壁の大きさから察するにAかSランクの魔石ね。
「こいつ短縮詠唱を」
戦士が壁に隠れようとしながら言った。
「違う。魔道具だ。兵士の報告にあっただろう」
魔法使いの声が壁の向こうから聞こえた。
「そうか詠唱すると見せかければ本物の詠唱の時に妨害に合い難い」
「こっちも決めるぞ。ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
ニミカ・ニレ・
ハラスゆニほワレニねヌワレニれれよが・
ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ・む・む」
「おうよ。ソクチス・トテラスシガヌワワムレ・
ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
ニミカ・ニレ・
モチキニソ・けモセレ・
モセほモチキニソろモチノイゆトテラスシネトニツイラハゆトテラスシよネニモチキイテイチセラミよレ・
ハラスゆニほワレニねヌワワレニれれよが・
トラスシガニムほハニスイレ・む
テクニリイゆヌよが
カニモイろテチニカゆヌよレ・む・む」
石の壁を回り込んだ時には魔法使いの魔法は完成していた。
ファイヤーボールが飛んでくる。
思わず回り込んだばかりの石の壁を盾にした。
私はピッパに石の壁を飛んで乗り越え敵の真上から攻撃するようにすかさず指示を出した。
壁から少し顔を覗かせ様子を見る。
ファイヤーボールが次々に飛んで来て全弾終わった時には戦士の詠唱は終わっていた。
戦士の剣が炎に包まれる。
付与魔法って奴ね。
ウィザが居れば喜んだわ。
いけない戦いに集中しなきゃ。
ピッパの風の刃は魔法使いを切り裂いた。
やったこれで勝ったも同然ね。
戦士が石の壁を盾にした私に炎の剣で切りかかる。
ぞくっと背筋に来た。
慌てて飛び退く。
盾にした石の壁を切り裂いて赤い軌跡が走る。
石をも切り裂くのね。
ストーンウォールの魔道具は役に立たないって訳なの。
ピッパが真上から風の刃を吐く。
剣士は炎の剣の刃を立ててを盾にした。
風の刃が切断されたらしい。
地面に二つの溝が出来た。
ピッパの攻撃を見ないでも分かると。
きっと風切り音とかで見破っているのね。
ピッパに戦士の後ろに回りこむように指示した。
挟み撃ちよ。
私は剣の間合いに入らないようにしながら、ファイヤーボールの魔道具を撃つ。
戦士は当然の事ながら炎の玉を切り裂いた。
ピッパには戦士の後頭部を狙うように指示する。
でないと私に当たるからね。
後ろを見ずに剣を振り風の刃を戦士は切り裂いた。
魔道具が尽きて次に私の魔力が尽きると終わりね。
戦士がゆっくり歩きながら私に近づく。
後一歩。
そこよ。
そこに足を置くの。
戦士の片足が地面を踏み抜いて沈む。
私はファイヤーボールの魔道具を起動しながら戦士の間合いに飛び込んだ。
狙うは沈んでない方の膝裏。
タックルに見せかけ、後ろに回りこみ鎧通しを狙い通り膝裏に深々と差し込んだ。
そして、膝を壊されて動きの鈍った戦士の首に鎧通しを差し込む。
戦士は絶叫して跪いた。
私はショートソードに持ち替え首を切って決着。
初めて人を殺したが復讐だと思うと後悔など微塵も感じない。
ブライシー騎士団を抱えている敵国の兵士などいくらでも殺せる。
今回の攻撃の肝は落とし穴。
これはピッパが魔法で掘った。
私は戦士の三歩先に穴を掘れと指示しただけよ。
ウィザが遠距離攻撃は要らないだろうと唯一教え込んだのが落とし穴の魔法だったわ。
残念だけど私の魔力量ではこの深さの穴は掘れない。
もう一つは筋力強化の魔道具を最初わざと発動しないで非力に見せた事。
膝を破壊した時に戦士は驚いたに違いない。
こっそり筋力強化の魔道具を五つ使った。
膝を貫通するほどの力など普通にやっていたら出ないからだ。
とにかく勝った。
ウィザがこっちを見ていたので手を振った。
ウィザの方も片付いたようだ。
全てのベヒーモスが屍骸として横たわっていた。
ピッパが突然吠えた。
何っ、たぶん認識阻害ね。
ウィザの教えによればまず情報を得るための魔道具を使うのよね。
ふむふむ、魔法名は『モチスカンスラミ』と『イトナモ』ね。
次に解除の魔道具をイメージして使うと、現れたのは魔法使いと高そうな鎧を着た戦士の二人の男だった。
「ばれたか。しょうがない正攻法で行く」
戦士が言った。
「承知した」
魔法使の男が言った。
「ちょっと。なぜ襲う」
私は有利な戦闘を繰り広げるために時間を稼いだ。
その間に伝言魔法でピッパに指示を出した。
「知れたこと。敵のドラゴンテイマーなど生かしておく訳にはいかない」
ピッパが風の刃のブレスを放ち、それが戦闘の合図になった。
「卑怯な」
魔法使いが喚くが私は気にしない。
次の手を考える。
風の刃は戦士の鎧を切り裂いた。
しかし、血が出ていないところから怪我は負ってないようだ。
まずは魔法使いを仕留める。
「メけヒラニシ・モチニミゆヒラニシよけメ」
私は魔法を詠唱する振りをして追尾するファイヤーボールの魔道具を腰のベルトからこっそり抜き取り発動した。
ファイヤーボールが魔法使いに当たるかと思われた時、石の壁が現れて魔法を阻んだ。
詠唱がなかったところをみると魔道具かな。
しかも壁の大きさから察するにAかSランクの魔石ね。
「こいつ短縮詠唱を」
戦士が壁に隠れようとしながら言った。
「違う。魔道具だ。兵士の報告にあっただろう」
魔法使いの声が壁の向こうから聞こえた。
「そうか詠唱すると見せかければ本物の詠唱の時に妨害に合い難い」
「こっちも決めるぞ。ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
ニミカ・ニレ・
ハラスゆニほワレニねヌワレニれれよが・
ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ・む・む」
「おうよ。ソクチス・トテラスシガヌワワムレ・
ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
ニミカ・ニレ・
モチキニソ・けモセレ・
モセほモチキニソろモチノイゆトテラスシネトニツイラハゆトテラスシよネニモチキイテイチセラミよレ・
ハラスゆニほワレニねヌワワレニれれよが・
トラスシガニムほハニスイレ・む
テクニリイゆヌよが
カニモイろテチニカゆヌよレ・む・む」
石の壁を回り込んだ時には魔法使いの魔法は完成していた。
ファイヤーボールが飛んでくる。
思わず回り込んだばかりの石の壁を盾にした。
私はピッパに石の壁を飛んで乗り越え敵の真上から攻撃するようにすかさず指示を出した。
壁から少し顔を覗かせ様子を見る。
ファイヤーボールが次々に飛んで来て全弾終わった時には戦士の詠唱は終わっていた。
戦士の剣が炎に包まれる。
付与魔法って奴ね。
ウィザが居れば喜んだわ。
いけない戦いに集中しなきゃ。
ピッパの風の刃は魔法使いを切り裂いた。
やったこれで勝ったも同然ね。
戦士が石の壁を盾にした私に炎の剣で切りかかる。
ぞくっと背筋に来た。
慌てて飛び退く。
盾にした石の壁を切り裂いて赤い軌跡が走る。
石をも切り裂くのね。
ストーンウォールの魔道具は役に立たないって訳なの。
ピッパが真上から風の刃を吐く。
剣士は炎の剣の刃を立ててを盾にした。
風の刃が切断されたらしい。
地面に二つの溝が出来た。
ピッパの攻撃を見ないでも分かると。
きっと風切り音とかで見破っているのね。
ピッパに戦士の後ろに回りこむように指示した。
挟み撃ちよ。
私は剣の間合いに入らないようにしながら、ファイヤーボールの魔道具を撃つ。
戦士は当然の事ながら炎の玉を切り裂いた。
ピッパには戦士の後頭部を狙うように指示する。
でないと私に当たるからね。
後ろを見ずに剣を振り風の刃を戦士は切り裂いた。
魔道具が尽きて次に私の魔力が尽きると終わりね。
戦士がゆっくり歩きながら私に近づく。
後一歩。
そこよ。
そこに足を置くの。
戦士の片足が地面を踏み抜いて沈む。
私はファイヤーボールの魔道具を起動しながら戦士の間合いに飛び込んだ。
狙うは沈んでない方の膝裏。
タックルに見せかけ、後ろに回りこみ鎧通しを狙い通り膝裏に深々と差し込んだ。
そして、膝を壊されて動きの鈍った戦士の首に鎧通しを差し込む。
戦士は絶叫して跪いた。
私はショートソードに持ち替え首を切って決着。
初めて人を殺したが復讐だと思うと後悔など微塵も感じない。
ブライシー騎士団を抱えている敵国の兵士などいくらでも殺せる。
今回の攻撃の肝は落とし穴。
これはピッパが魔法で掘った。
私は戦士の三歩先に穴を掘れと指示しただけよ。
ウィザが遠距離攻撃は要らないだろうと唯一教え込んだのが落とし穴の魔法だったわ。
残念だけど私の魔力量ではこの深さの穴は掘れない。
もう一つは筋力強化の魔道具を最初わざと発動しないで非力に見せた事。
膝を破壊した時に戦士は驚いたに違いない。
こっそり筋力強化の魔道具を五つ使った。
膝を貫通するほどの力など普通にやっていたら出ないからだ。
とにかく勝った。
ウィザがこっちを見ていたので手を振った。
ウィザの方も片付いたようだ。
全てのベヒーモスが屍骸として横たわっていた。
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